様々なケースがある
不動産賃貸業では修繕や原状回復工事が、否応(いやおう)なく付いて回ります。
手先が器用だったり、大工や内装仕事の心得(こころえ)があったりする大家さんは材料だけネット通販やホームセンターで仕入れて、作業自体は自分で行えば一番安上がりです。
知人や友人に手伝ってもらって、食事を奢って御礼に代えている大家さんもいらっしゃるようですね。
一方、そういう技術的なコトや時間的な制約で御自身では作業できない大家さんは、管理会社に丸投げするしかありません。
あるいは、サブリース方式の管理会社に管理全般を委託するという方法もあります。
先日の記事「経営の主導権を握っていますか?」でも書きましたが、私は自分自身でやるコトもありますし、工務店に仕事を依頼する場合もあります。また、場合に依(よ)っては管理会社経由で工事をお願いすることもあり、その時々の状況に応じて使い分けています。
先日の記事は、管理会社経由でしか工事を認めないと言われたので関係が破綻した、という内容のお話でした。
自分でやる項目
私は狭い範囲のクロス(壁紙)貼り作業ならできますが、できればやりたくありません。
私が得意とするのは、簡単な水回り工事と電気工事です。以下に例を挙げてみます。
<水回り>
・水栓ハンドル、ケレップの交換
・蛇口、シャワーヘッドの交換
・洗濯機用給水栓の交換
・トイレのロータンク周り部材の交換(給水パイプ、ボールタップ、ゴム栓、レバーハンドルなど)
・風呂などの鎖付きゴム栓の交換
・台所シンクのくず受けカゴ、菊割れゴム、フタと交換または設置
・台所手元灯や換気扇の引きヒモをボールチェーンに交換
<電気関係>
・台所換気扇の交換
・照明器具の取り付け、交換
・壁コンセントの交換
・壁スイッチパネルの交換
<その他>
・カーテンレール、房掛けの取り付け
・温水洗浄便座の取り付け
・外壁や共用部コンクリートひび割れ等の簡単な補修
・網戸張り替え(←私の中では、難易度が若干高い!)
・共用部敷地内の雑草を抜いてから、除草剤(顆粒状のもの)を撒(ま)く
・風呂、トイレ、台所などの排水口から匂う場合は、パイプ汚れ除去剤を投入したあと水を流す
業者に任せる部分
・大規模修繕工事(屋根、外壁等の防水塗装)
・ルームクリーニング
・エアコンクリーニング(内部部材を分解して、洗浄するもの)
・クロス、クッションフロア貼り
・和室からの洋室化等、大掛かりな大工仕事
・キッチン、シャンプードレッサーの据え付け(給排水配管含む)
・コンセント増設
・風呂、トイレに換気扇追加工事
・シングルレバー混合栓、サーモカランに交換
・浴室の鏡の交換
管理会社経由でお願いするケース
・「たまには管理会社経由でお願いしたほうが良いかな」というタイミング
・私自身も工務店も手が回らない場合
区別する基準
まずは、ズバリ”見た目”です。
クロス貼り、クッションフロア貼り、大工仕事などは、かなりテクニックと専用の機器・道具を必要とします。
自分で、見よう見まねでやっても改善どころか”改悪”になってしまいます。
一方、水栓ハンドルや電気部品の交換などは、工具の使い方がわかっていて、一通り作業経験や知識があれば、誰がやっても同じ”見た目”や”良い結果”を得ることができます。
あとは、水回りなら漏れている箇所が無ければOK、電気関係なら感電せずに照明がキチンと入切できればOK、って感覚ですね。
原状回復工事全体の流れとしては、先に工務店や水道業者、美装工事業者に入ってもらって、それら専門業者の作業がすべて終わってから、私が入ります。照明器具を設置したり、水栓ハンドルを交換したりします。それらの部材は、専門業者が作業している間にホームセンターで買いだめして自宅に保管しておきます。
いつも使う部材はだいたい決まっていますし、どの店舗のどの位置に何があるか頭に入っているので買い物はスムーズにできます。
まとめ
不動産賃貸業を始めた頃、今からちょうど四年前ですが、その頃は張り切ってクロス貼りやクッションフロア貼りにも挑戦していました。が、二年目あたりから自分ではやらずに業者に任せるようになりました。基本的に”雑な性分(しょうぶん)”の自分には向いてないなと悟ったからです。
あと15年もすれば、耄碌(もうろく)して自分で出来ることは皆無になっているかもしれません。
その時は、経費が少々嵩(かさ)んでも管理会社経由でお願いしたり、サブリース会社に管理を委託したりすることになるでしょう。
そうなるまでに、ある程度の資産を築いて経費を気にせずにリフォームやリノベーションを外注ですべて賄えるような財務体質になっていたいものです。
終わり
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