経営の主導権を握っていますか?

管理委託契約の解約

先日、数社とお付き合いをさせていただいている管理会社の中の一社との、管理委託契約を解約しました。

私どもの法人では、所有物件を数社で管理してもらっています。

プロパンガス会社も数社とお付き合いしています。

それぞれの会社で一長一短があり、一社だけと付き合うよりも業者間でハリがありますし、刺激になって良いと思うからです。

しかし、この度、一社とこういう結果になりました。

これから不動産賃貸経営を始める方はもちろん、現在、大家業をされている読者も本記事を参考にしていただけたらと思います。

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発端は売買取引

不動産の管理会社には、売買部門があるのはよくあることで、今回もこのタイプの不動産屋さんです。仮にA社とします。

先月ネット上で見つけたRC物件の売買仲介業者が、二年半ほど前から弊社所有の物件の管理委託をしているA社でした。

この見つけた物件を自分なりに精査した結果、買うことにして買い付けを入れると見事に一番手になりました。早速、メインバンクに融資を申し込み、二三日で支店審査は通過し、本部審査も一週間ほどで通る見込みでした。諸費用は自分で用意するものの、今の御時世ではめずらしく5400万円をフルローン付く予定でした。利回りは10パーセント越えです。

売買する上での条件の一つに”管理会社はそのまま承継すること”がありました。

この条件自体は、ごく普通にあるものです。すでにお付き合いのある会社さんですし問題なかったのです。

ところが、買付証明書を提出した翌日、驚くべき言葉がA社売買仲介の担当者の口から発せられました。

「ナカシマさんは御自身でリフォームされたり、大規模修繕工事を手配されたりするようですが、今後の管理委託契約からはそれができなくなりますが了承して頂けますか?」

これにはビックリしました。

メインバンクの応接室での融資申し込みの席上だったのですが、一旦散会して、金融機関の駐車場に停めてある私の車の中で売買仲介の営業マンと話しました。

なぜ、そんなことを言うのか問い質したところ、今年からの方針として、社として決まったことだそうです。リフォームスピードを上げて、空室率低減に寄与するためだとか。

現在、管理を委託している物件に関しては従前通り、工事はオーナー自身でやっていいし、定期清掃は新規案件もオーナー側でやっていいそうです。

しかし、原状回復工事や大規模修繕工事を管理会社に丸投げするのはどうなんだろうと。

この時は、金融機関の担当者を待たせることになるのと、私もその物件が欲しかったのとで応接室に戻り、予定通り融資申し込みをしました。

悶々とした一週間

火災保険や司法書士関連の見積もりを取ったり、売買の営業マンと連絡を取ったり粛々と売買事務は進んでいきます。

が、日々私は悩んでいました。先日の条件を弊社は呑んでよいのだろうか?

対象物件を懇意にしている工務店の親方と一緒に見に行きました。

外壁もまだチョーキングしていない(粉をふいていない)し、もう一、二年は大規模修繕不要かなと私は思っていたのですが、ところどころ大きなクラックもあるし、屋上防水が切れているのか軒天部分の塗装が剥がれている箇所もあり、できれば購入直後に修繕および防水塗装工事したほうがよいことがわかりました。

この工務店なら400~500万円くらいで収まりそうな工事ですが、管理会社経由だと600~700万円になります。

ナカシマ「この物件は、買えたとしても親方のところで工事してもらえないんですよ」

親方「そうなんですか・・・」

たいそう、がっかりした様子でした。

二三日考えた末、私は勝負に出ることにしました。

セルフリフォームできない、工務店も使えない、いわゆる”丸投げ大家”は管理会社経由でやってもらうしかないが、自分で段取りや作業したい私のような大家は特約として除外してもらうよう提案する。

そして、”それが受け入れてもらえない場合は、お付き合いをお断りする”ことにしました。

譲歩案は受け入れられず

直接、当事者同士がこんな入り組んだ話をすると感情的になるので、話をしたことがある相手方のグループ会社社長に譲歩案の伝言をお願いしたところ、快く引き受けてくれて即、実行してくれました。

すると、すぐに譲歩案却下の連絡が対象物件の売買担当者から私に入りました。

会社の今年からの方針として決まったことだし、特例は一切認められないとのことです。

これで決まりました。

対象売買物件は買うのをやめて二番手に譲り、ついでに現在管理委託している二物件の管理委託契約の解約申込書を記入して帰りました。

融資審査してくれていた金融機関にも頭を下げて融資申し込みを取り下げました。途中辞めにしたことで、多少なりとも弊社に対する心象は悪くなったでしょう。

しかたがありません。火災保険の代理店、司法書士事務所にも破談になった旨、お詫びしました。

個人事業主時代と似通った雰囲気

私は一度、機械設計の請負仕事で個人事業主をしていた時期があります。

四十代後半で転職もままならなくなってきた頃に、それまでサラリーマン時代に培ってきた産業機械の設計、電気、配管等の知識と実務経験を生かしてやっていこうとしました。

が、わずか四か月後に店をたたむことになりました。(”店”と言っても自宅ですが。)

はじめは順調な滑り出しだったのですが、唯一、仕事を供給してくれていた以前、同じ会社の先輩で独立していた親方が、無理難題を言い始めたのです。

こちらは仕事を切らされては困るので、どんなに理不尽な要求でも呑んでやっていたのですが、ブラック企業よりもひどいブラックぶりで、これでは身が持たないと判断して半ば喧嘩別れになりました。

それ以来、自分で事業をする場合は、個人事業主ではなくてきちんと法人を設立することと、”請負”仕事はやらないと決めました。自分が仕事をはじめとしてプライベートまでコントロールできなくなるからです。

そして、不動産賃貸事業を経営している今、ビジネスパートナーとして協力してくれている工務店やガス会社、水道業者、損害保険の代理店などに対しては、以前、私が受けた屈辱的な振る舞いだけはしないように注意しています。

今回、A社に受けた振る舞いは、以前の個人事業主時代に親方から受けた屈辱的な振る舞いに、雰囲気が似通っていると感じていました。

まとめ

仕事上のお付き合いをさせていただいている、管理会社にしても工務店にしても、”ナカシマさんは自分でできることを積極的にしてくれるから助かる”と言ってくれます。だから、必要以上に高い見積もりにならないし、私も含めて関係者全員がいつも気持ちよく仕事できます。

この記事を読んで心当たりがある業者さんは一度、自分の胸に手を当てて熟考されてみてはいかがでしょうか。

終わり

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