目 次
衰え知らずの「購買意欲」
2018年。
幾度かの入退去を経験しながらも、なんとかほぼ満室経営を続けていた私は融資その他を含めた「不動産投資業界」に慣れてきたこともあって「一年に二物件」ペースでの拡大を目標にしつつ物件を探す日々を送っていました。
しかしスルガ銀行やシェアハウス「かぼちゃの馬車」問題はじめレオパレスなどの施工不良問題もあり、金融機関や国の機関の不動産業界を見る目が変わってきて融資を受けにくくなってきたとのニュースも流れ始めていました。
そのような世の中の動きもあって2018年もひとつでも多く買っておきたいという焦りも出てきました。
一方収益物件の購入には現金が有る程度、必要なのですが手持ち資金が少なく今までのように8戸以上の物件は買えない予感もしていました。
フルローンやオーバーローンで融資を受けられたとしても一時的に手付金として100万円は必要になります。
買えるか?! 4戸アパート
なかなか良さそうな物件が現れない中、夏のある日ネット上に二棟ものの軽量鉄骨造アパートが売りに出されているのを見つけて、まずは現地確認に行きました。
大規模修繕も近年にしたみたいで外観はキレイでした。
空室もなさそうです。(注:冒頭の画像の物件ではありません。)
2DK×4戸、2LDK×2戸で駐車場も6台分あります。
ただ私としては軽量鉄骨造であることと浄化槽がネックでした。
表面利回り8.8%で、売り出し価格は4280万円。
「高い買い物だな」という印象です。
この物件に供給しているプロパンガス会社を知っていたので、それとなく聞いてみると滞納者はなく入居者は特に問題なさそうでした。
現地から仲介業者に資料請求の電話をしました。
「ナカシマさんの自宅に比較的近いところに売りに出ている小ぶりの物件がありますよ」と話のついでに言われたので一応その資料もメールで送ってくれるように依頼しました。
こっちの方がいい?
次の日にその”話ついで”の物件に行ってみますと築29年にしては2DK×4戸木造の意外にキレイな物件でした。
立地(=客付け)に少し難がありそうですがJRの駅まで徒歩10分ですしバス停は近くにあり駐車場も敷地内に5台分あります。
入居しているのは1戸のみです。
オーナーも高齢で病に倒れ、管理会社もやる気がないらしく空室が長いとのことです。
表面利回り15%、売り出し価格は1380万円。
後日、空室3戸とも内見させてもらいました。
クロスは張り替えるべきかどうか微妙なところですがシステムキッチンだったり、シャンプードレッサーを導入していたりしてリノベーションされており好感が持てました。
前面道路が私道で町内会の持ち物であること、境界杭が一部無いこと、地目が雑種地であることなど若干気になる点もありますが、後々揉めないよう仲介業者さんが動いてくれて覚書等も作成してくれたので買い付けを入れました。
購入希望価格は1200万円。180万円の指し値です。
外壁、屋根、鉄部の塗装工事等で150~180万円、みさせてもらいました。
しかしさすがに売主様に押し戻されて1230万円で落ち着きました。
いつもより急げ!!
さて、ここからは例によって早いのですが今回の案件は特に急がねばならない事情がありました。
長期入院されていて重篤(じゅうとく)な売主様の”死期”が迫っているのです。
万一売買契約までに息絶えた場合は御子息への相続が絡んできて、一旦契約は白紙に戻るとのことでした。
その後、いつ買えるかわからないし相続の進展次第では「売り止(ど)め」(売るのをやめること)になる事態もあり得ます。
△△信用組合の融資審査および金銭消費貸借契約、仲介業者の重要事項説明書および売買契約、工事工務店への事情の説明と段取り依頼などスムーズにことが運ぶように私の今までの経験と英知を結集しました。
そして売買契約も決済も無事に終わり、2018年9月に私の会社の所有になりました。
リノベ工事、開始!
決済の翌日、工務店が早速リノベ工事に取り掛かってくれました。
まずは自転車置き場の傷んだサイクルポート(屋根)を撤去処分して駐車スペースを一台分増やす工事からです。ちなみにこの工事費は15000円です。
その後足場を組んで外壁、屋根、共用鉄部の塗装、アパート名看板の新設などおよそ3週間~一カ月の工事です。
あと、今回もかなり無理を聞いてもらってしまいました。
1戸、室内掃き出し窓のサッシに接する木枠が傷んだ箇所2部屋分塗装サービス。
1階の1戸、ベランダに雨水が貯まるので排水口を低い位置に付け替え工事サービス。
この物件はぐるりを比較的高い山に囲まれているのでテレビの地上波が入りにくく、近隣住宅含めて皆ケーブルテレビを家に引き込んでいます。
毎月1戸あたり540円、4戸で2160円の固定経費です。やむをえません。
ですので、このリノベ工事を機に無用の長物のテレビアンテナを撤去処分してくれないか工務店の社長に相談したところ「しゃあないなあ。社長だけやで、ここまで無理聞いたげるのは」と言いながら無償でやって頂けました。
テレビアンテナって近くで見ると結構大きいですね。高さが3mくらいありますから足場があるうちに2人掛かりで下ろして処分してくれました。
見積もり価格(今回は150万円)通りで工事を終えてくれて無償サービスを何点かやってくれたときは、最後の支払い時に”寸志”を渡すようにしています。
今回は1万円渡しました。こういうのが今後の良い関係につながると思います。
冒頭の画像がリノベーション工事完成後です。
売主様のその後は聞いていませんが、いずれにしましてもこの物件は満室にして末永く大事にしたいと思っております。
初めての経験、「サブリース」
実はこの物件の管理は日本管理センター(JPMC)というサブリース業者が請け負っており、そこが岡山の業者を使って行っていました。
そして売買が完了するまでは解約手続きに移ることができず決済後に解約手続きして、そこから3カ月後に晴れて解約という流れになるのです。
私は自分の所有物件でサブリース業者を使う気はさらさら無いので早く解約したかったのですが契約上のことなのでやむを得ません。
サブリース業者と言ってもレオパレスや大東建託のようにアパート建築で儲ける会社ではなく、建築はやらずに「家賃保証を伴う管理」に特化した業者で全国展開しています。
なにかの時に「サブリースと言っても、あそこはいいよ」と聞いたことがあったので一応は安心していました。
うわさ通り業者の対応はすこぶる良く3カ月の短い間でしたが気持ち良く「家賃保証」を体験することができました。
入居一戸のみなので普通の管理形態なら44000円しか入らないところでしたが、家賃保証制度のおかげで3カ月は95000円ほどの月額賃料収入がありました。
私は元気なうちは自分主体で一般的な管理会社を使って不動産賃貸事業をしていくつもりですが、年老いて体や頭が言うことをきかなくなったら日本管理センターにお願いするのも一案かなと思います。
満室へ
三つめの物件の時と同じく元金は半年後から返済開始にしてもらったので2019年3月までに満室にすれば良いのですが、いかんせんこの立地でどの程度の家賃設定なら入居者が付くのかわかりづらい土地柄でした。
自分なりに手を入れたので少し強気の値付けにして近隣の賃貸仲介業者をあいさつがてら回りましたが、おおむね”いいんじゃないですか?”という反応だったので1月末に2戸空いているようなら値下げする作戦でいくことにしました。
11月、12月と反応がなく、やきもきしていましたがなんと年末になって急に空室の3戸とも申し込みが入りました!
神がかっています!!
おかげで気持ち安らかに年を越すことができました。
すべり込み、セーフ!
実は2018年10月末に、もう一つ買いたい物件がありました。
金融機関(△△信用組合)と仲介業者と工務店と私の4者でかなり話が進んでいたにもかかわらず金融機関から融資不可の連絡が来て御破算になったのです。
支店はやる気満々だったのですが本部でストップが掛かったそうです。
ついに不動産投資家が愛用していた地方の金融機関にもスルガ問題の波紋が広がってきてしまったようです。
そう考えると五つ目の物件を買えたのは本当にラッキーでした。
これからしばらくは融資を使っての収益物件購入は難しいでしょう。
でも、このような世の中の流れを今までも繰り返してきたのだと思います。
また不動産投資業界が活況を呈する時がくるはずなので、その時までは今持っている物件を満室経営することに注力したいと思います。
AKB48プロデューサーの秋元康さんが自身の著書”秋元康の仕事学(NHK出版)”の中で「僕は98%の運と、1%の才能と、1%の努力でここまでやってこられた」とおっしゃっています。
私はこの言葉に同感ですが「運も実力のうち」という言葉も好きです。
みなさんも目の前にいつ流れてくるかもしれない”良い運”を逃さず捕まえるための準備を、”常にしておく”ことをオススメします。
終わり
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