不動産投資は「ラク」な商売か?

不動産投資は不労所得?

不動産投資(不動産賃貸業)は“不労所得“とか”ラクな商売“とか言われますね。

おおむね当たっていると思います。全職種の中で言えば「”比較的”、ラクな部類」に入ると思います。

始めてから軌道に乗せるまでは業界の慣習、用語、仕組み等を理解するのに苦労しますが、数年して慣れてしまえば、そして大きく失敗していなければ“自動運転”という言葉が当てはまります。所有物件の空室が少なく「今後もほぼ満室経営が見込める」、もしくは「より良い物件に入れ替えていく自信と行動力がある」のであれば、気分を害する方がいらっしゃるかもしれませんが“ヒマを持て余しすぎて何をしてよいかわからない”という状態も現実にあります。

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飲食業にチャレンジした過去

私は20代後半の時に、大好きだった「喫茶レストラン」の経営に興味を抱(いだ)き、実際に新卒から8年ほど勤めた東証一部上場企業を退職してトライしました。

喫茶学校に半年通ったあと、都合2店舗の喫茶レストランで修行しました。

計5年ほど飲食業に携わりましたが、「これは失敗する確率が高すぎる」と自分自身で結論付けて、元の工業系サラリーマンに戻りました。

高額な初期費用が必須なうえに、つぶれる店舗の多さを目の当たりにした結果です。

衣・食・住の商売を比較すると…

一般的に考えて、息長く商売を続けることができる業界は何でしょうか?

まず思い浮かぶのは、人が生きていくうえで必要不可欠な「衣・食・住」に関するモノやサービスではないでしょうか?

その中でも、「食」は先ほど述べたように私は脱落しました。「衣」も、私はもともと無頓着なほうですし、自分が商売にできるとはとても思えません。そして、「食」も「衣」も多様性と変遷が激しく、人が望む好みも千差万別で不安定要素が多すぎます。

対して「住」ですが、リノベーションなど若干の新規性は有るものの、間取り、必要な設備等”普遍性”があります。その中でも事務所や飲食店等の、いわゆる“商用テナント”は世情に翻弄されるので、残るはレジデンス(=住居専用収益物件の俗称。略して“レジ”とも言う)ということになります。

もちろん“衣”、“食”で成功している方もいらっしゃるのですが、「市井の民(しせいのひと)が“ゼロから始めて、成功する確率が比較的高い分野“という観点での話」であることを御承知おきください。

成功した後のことまで考えられない

大家さんのブログ等で、脱サラして不動産投資を始める際に考えておくこととして「FIRE(ファイア=若くして勤め人を卒業し、隠居生活を送ること)したあとの毎日をどのようにして過ごすのかをよく考えておく」とか「趣味をいくつか作っておく」とかが挙げられています。私も少し前までこの意見に同意していましたが、今は少し違います。

ハッキリ言って無理なのです。まず、成功するかどうかも分からない段階で、また成功するために必死に勉強したり行動したりしないといけない段階で「成功後の生活を心配する」のはナンセンスと言えます。

次に、軌道に乗り始めた状態、あるいは完全に軌道に乗った状態になって「不労所得」状態になっても心身は、じつは“不安定”です。大きな融資を受けた人は、当然、返済し続ける“大きな借金”があるわけですし、世の中の政財界の情勢変化にも金利変動にも影響を受けます。また、借金が無い大家さんでも入退去、突発的な事故、クレーム等が突然起こります。大家業が「年間365日休みで365日仕事」と言われる所以(ゆえん)です。

まとめ

不動産賃貸業は気楽な商売か?と問われれば、端的に言えば「そうです」と答えます。

ただ、そう言えるようになるまでが山あり谷ありで、その苦労の度合いが大きいか小さいかの違いはあります(「不動産投資家」として始めた中で、業界に生き残る投資家の確率は数パーセントですが)

著名大家さんのコラムやブログを拝見していると、はじめから「ラクをしたい」と思って不動産投資を始めた方は少ない気がします。「勤め人に向いていない気がする」とか「自営業で挫折して、別の道を模索したら不動産しかなかった」とか「著名大家さんの書籍に感動して始めた」など動機はさまざまですが、「“不労”所得が欲しくて始めた」という方は居ない気がします。私も、転職がままならなくなった50才のとき、「この先どうしよう?」と必死に考えた結果の”最後の頼みの綱”が「不動産投資」だったのです。

つまり、「勤労」の観点から言うと、不動産投資は「がんばった結果、ラクに商売できるようになった」というモノではないでしょうか?

逆に言えば、「不労所得が欲しい」という動機で不動産投資を始めると、高い確率で「失敗→退場」という将来が待っていると思います。

終わり

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