ザ・繁忙期!!
新入学や新卒入社、人事異動等で引越しシーズン真っただ中ですね!
毎年、この時期になると“春の訪れ”と“初々(ういうい)しさ”を感じずにはいられません。
さて、そんなさわやかなシーズンに起こった、とある事件を記事にしたいと思います。
自動ドアを無効にする
私(の法人)が所有している10階建て55世帯の鉄筋コンクリート造マンション。
オートロックシステムを備えた「風防室」の前後に両扉スライド開閉式の自動ドアがあります。
入居や退去の際に、住人が手配した引越し業者は自動ドアがいちいち開閉しないよう、人やモノが常に有るようセンサーに勘違いさせるため、透過型センサーの左右の”目”の部分にガムテープ等を貼って目隠しします。そして、作業が終わるとそのテープを剥がして自動ドアが通常通り開閉するように戻してから次の現場に向かいます。
ところが、このテープを剥がし忘れたまま現場を離れる引越し業者が稀(まれ)にいます。たいてい、複数人数で作業しているので誰かが気付きそうなものですが、全員、失念する場合があります。今回、それが発生しました。
以前にもあった「剥がし忘れ」
目隠しのテープを剥がし忘れた場合、何が起こるでしょうか?
まず、“オートロックシステムを備えたマンション”では無くなります。すなわち、そのマンションのウリのひとつである“防犯性能”が無くなります。誰でも自由に建物内に侵入できてしまいます。治安のあまりよくないエリアですと、夜中にエントランスのドアが開きっぱなしというのは入居者、オーナー、管理会社にとって「不安」以外の何物でもありません。
幸い、コトが起こったマンションの立地は治安が比較的良いエリアですが、それでも医大に通う子女を持つ属性の高い親御さんの気持ちを察すると心配でなりません。
このマンションでは以前にもテープ剥がし忘れがあり、防犯カメラ映像でたまたま見つけた私が管理会社に電話して、現場近くにいるスタッフに剥がしに行ってもらって事なきを得ました。ところが、今回は水曜日で管理会社は定休日。念のため、何人かに電話してみましたが誰にもつながりませんでした。
自分で剥がしに行った
防犯カメラ映像で発見した時間帯は夕方6時半頃。夕食を食べる際にビールを飲んでいた私は車で現場に向かうわけにはいきません。意を決してJRでテープを剥がしに行くことにしました。私の自宅からそのマンションまで車なら40分、電車なら1時間ほど掛かります。自宅から最寄り駅まで徒歩10分、最寄り駅から岡山駅まで30分、岡山駅からマンションまで徒歩で20分。
マンションのエントランスに着くと風防室前後の自動ドアが大きく開口したままで、正面にエレベーターが丸見えです。ちなみに、入居者が気を利かせて目隠しテープを剥がしてくれることは、まずありません。ガス会社か管理会社、または何かの業者が作業している途中かもしれないと思うでしょう。
左右のセンサー部分に貼られていたガムテープ、計4枚を剥がすと自動ドアは本来の機能を取り戻しました。往復で“2時間半の仕事”でした。
引越し業者を訪問した
行き帰りの電車の中で引越し業者に、コトの顛末(てんまつ)を伝えるべきか迷いました。
オーナーによっては「このくらいのことは一般的なミスの範疇(はんちゅう)。なにも問題は起らなかったのだから、いちいちクレームするほどのコトではない」と言う方もおられるでしょう。しかし、私の考えは違います。
・再発防止の意識を持ってもらうために、起きた事実を伝える。
・引越し業者も「横のつながり」があるかもしれないので、“あのマンションのオーナーはキッチリしている(別の言い方をすると、細かい、神経質)”という認識が広まることを”あえて”期待する。
・できれば、実損(電車賃)を回収したい。
上記の理由で、翌朝、当該引越し業者(防犯カメラ映像に映っているトラックのペイントで一目瞭然)の岡山支店を訪問し、すべてを“穏やかな口調”で話しました。
相手をしてくれた女性の支店長代理が謝罪してくれました。電車賃も千円ほどですが領収証があったので、上席に電話確認した後、支払ってくれました。
工夫が必要では?
帰り際に「運転席から見えるダッシュボードにこのテープを貼るようにルール化したらどうでしょう?運転手か助手席の誰かが忘れに気付きやすいように」と、テープ剥がし忘れ防止の改善提案をしておきました。
青色で、電話番号のようなキャッチフレーズで有名な引越し業者は、テープではなく大きな発泡ウレタン(?)のシートを緩衝材兼ねて自動ドアに巻く方式を採っています。このような大きな部材なら、さすがに回収を忘れることはないでしょう。
何事も「知恵を出して」「工夫をこらす」ことが肝要かと思います。
まとめ
まず、今回の事例で引っ越し業者は「繁忙期で忙しかったから」は言い訳になりません。人命に関わる重大事故につながる可能性があったわけですから。
そして今回のような「オーナーによって対応の仕方が違う」事例は、不動産賃貸業を営んでいればままあります。管理会社や大家仲間などにアドバイスをもらえる場面もありますが、タイミングなどにより孤軍奮闘せざるを得ない時もあります。
「自分ならこうする」と、できるだけ早く判断→決断→実行することが大家(=不動産賃貸業の経営者)には求められます。
そのためには、自分なりの「物事を判断する上での方針」が必要ですし、臨機応変に起こった事象に対処する経験を積むことも大事です。
終わり
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