大家(おおや)になる、収益物件のオーナーになるということは、当然入居者の情報を知ることになります。
しかし、その書類を実際に目(ま)の当たりにしないと実感が湧かないと思います。
複数の物件を取得していく(=買い進める)うちに慣れてきますが、最初は個人情報が網羅された書類を受け取った時、かなりビックリしました。
他のオーナーはどうかわかりませんが、私には衝撃的なコトだったので記事にしたいと思います。
レントロール(賃借条件一覧表)
まず、購入したいと思った物件をネットで見つけるなり紹介されるなりすると、初めにとる行動は資料請求でしょう。
概要書、登記簿謄本、公図、課税証明書など物件に関わる資料を売買仲介業者から取り寄せたり、自分で法務局に出向いて取得したりして、購入するに値(あたい)するかどうかを綿密に検討します。
それらの資料の中に「レントロール」というものも含まれます。
現在入居している人の家賃、共益費、駐車場利用の有無と利用料金、入居年月日などを一覧表にした書類です。
入居していない部屋の欄は”空室”と記されていたり、空欄だったりします。また、近々退去予定がある部屋は備考欄に”○月□日に退去予定”などと記されています。
もっと詳しいレントロールだと性別や学生・社会人等の属性、水道代、契約者氏名などが書かれている場合もあります。
これらの情報は、その収益物件の潜在価値(収益力、立地の良し悪しなど)の判断に大いに役立ちます。
逆に言えば、それらの情報が載っていない簡単なレントロールしか提出できないような物件は買わないほうが良いでしょうし、その程度の対応しかしてくれない売買仲介業者とはその後付き合わないほうがよいということになります。
決済と引き継ぎ
さまざまな角度から自分で検討して、値段交渉もして、融資付けもできそうとなれば売買契約を交わしてから、いよいよ「決済」の日を迎えます。
決済当日(←”大安”に設定することが多い)、関係者全員の金銭授受が無事に終わると晴れて「収益物件のオーナー」となるわけですが、すぐ後に引継ぎ作業が控えています。
管理会社が決済の場に同席していれば、その場でオーナーに渡すべき書類を説明されながら引き取ります。
同席していない場合は挨拶がてら管理会社の事務所に出向いて担当者から説明を受けたり、書類を受け取ったります。
プロパンガス会社も承継する場合は、プロパンガス会社に行って新オーナーとして設備貸与契約を巻いたりもします。
このように決済日はなにかと忙しいのですが、重なる場合は2~3物件を一日で決済する場合もあるようです。
賃貸借契約書
さて前オーナーから引く継ぐ書類の中に、現入居者の「建物賃貸借契約書」なるものがあります。
賃貸物件を借りて住んだ経験がある方ならおわかりかと思いますが、そこを間借りするにあたっての注意事項や家賃など金銭面の条件が網羅された書類です。
私が35年以上前にアパートや借家を借りたときはペラペラの紙一枚だったように思いますが、近年は特約条項も増える一方でちょっとした冊子になっているものもあります。
そんな賃貸借契約書ですが、上で書いたレントロールどころの情報量ではありません。
現住所、勤務先(学生の場合は学校)の名称と住所、勤続年数、転職回数、携帯電話番号、生年月日、性別、年齢まで入居者のありとあらゆる情報が載っています。
そして、連帯保証人についても入居者と同じ情報が記載されています。
連帯保証人はたいてい身内がなってくれるので、住所は入居者の御実家であることが多いです。つまり、どこで生まれ育ったのかがわかってしまうのです!
もっと言えば、連帯保証人が母親だったら「もしかしてシングルマザーかな」などと推察できてしまいます。
まとめ
いかがですか?私は最初の物件を買った時は10戸が満室でしたから、10人分の賃貸借契約書をドサッと渡されて驚いたのです。
「不動産投資家は”個人情報の塊(かたまり)”のような書類を、こんなに簡単に渡したり受け取ったりしているのか」と。
どこかのブロガーさんも書かれていましたが、ストーカーになろうと思えばすぐになってしまいます(苦笑)。
「人格に難アリ」と自覚している方は、「収益物件のオーナー」は目指さないほうがよいかもしれませんね。
終わり
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