コロナ以外での退去が二件発生
新型コロナウイルスによる企業の業績急悪化からのリストラも多いと思いますが、今月に入って弊社所有物件で、それ以外の理由で退去が二件ありました。
一件は、結婚して手狭になったので広い部屋に引っ越すとのこと。
もう一件は、若い男子学生二人入居の上階の物音がうるさくて不眠症になるとの理由です。
騒音問題はよほど酷くない限り、個人差があるのでオーナーや管理会社としてものらりくらりとかわすしか手が無いケースが多く、本件もそのケースに入ります。
もし、その学生が夜中に騒いで我慢できないくらいうるさいなら、隣や斜め下の部屋からも苦情が入るはずですがそれは無いわけですから。
次に借りたのは、比較的近い鉄筋コンクリート造四階建ての最上階とのこと。それがいいです。
思ったよりはマシだった
上階がうるさいから退去すると言って出て行ったのは若い女性で、以前記事に書いた方です。(関連記事「善管注意義務違反が多い!」)
梅雨の時期や湿気が溜まりやすい冬場も生活感がなく、一年ほど留守にしていたと思われる使い方をしていた方です。
実際、管理会社に「畳にカビが生えたから何とかして!」とクレームを入れてきましたが、私も管理会社も「お宅の善管注意義務違反でしょ」と突っぱねたのです。
そんな部屋ですから、二年と三ヶ月で一体どうなっているんだろうと怖いもの見たさで退去立会いの場に同席しました。
相手は若い女性入居者一人のみで、最初から最後まで穏便に済みました。
玄関から入った瞬間にカビ臭はしましたが、部屋自体の使われ方は思ったより酷くはなかったのです。退去に当たっての掃除もそこそこキレイにしてくれていて、残置物も皆無。優秀な部類です。
ただ、和室のテレビを置いていたであろう箇所がかなり湿気ていたようで、畳表面はカビを拭き掃除した跡があります。
翌日、畳屋さんに表替えのために6枚とも持って帰ってもらいましたが、やはりテレビが置いてあったであろう箇所の床板と巾木に黒カビが付いていて、かたく絞った濡れ雑巾で拭いたくらいでは落ちません。
↑左奥がテレビを置いてあったと思われる場所。
退去立会いのテクニック
管理会社の担当者は私と同じく四年ほど前にこの業界に入ってきて、お互いに勉強し合って知識や経験を身に付けてきた、いわば”同志”のようなものです。彼も場数を踏んで、かなり退去立会いや管理業務に精通してきた様子。頼もしい限りです。
自信を持って、「善管注意義務違反による不注意でダメになった分の畳は表替えのみならず、中の本体も交換することになる可能性があります。その場合の費用は請求させて頂きますが、よろしいですね」と、事務的に淡々と、しかし毅然とした口調で相手を見ながらわかりやすく説明します。相手の女性は「はい」と頷いていました。
私が相手の女性に聞きました。
「なぜ、半年以上も窓を閉め切って生活感が無かったのですか?」
「体調を崩して入院していたのです」
あれ?以前この件で管理会社から聞いた理由は、たしか仕事で長期出張だったはずだけど・・・。
「ご親族が比較的近くに住んでいらっしゃるのだから、たまにでも窓を開けて空気を入れ替えてくれていればここまでならなかったと思います」
「すみません・・・」
カギも三本返却され、書類にサインして、その女性は原付バイクで去っていきました。
その後、管理会社の担当者と打ち合わせましたが、退去者から頂けるのは、ルームクリーニング費三万円とエアコン分解洗浄代八千円、それと畳関係の回復費用くらいとのこと。
二年と三ヶ月ですから、設備関係はほぼ傷んでおらず、クリーニング実施のみで次の入居者に貸せそうです。
畳屋さん、さっそく乾燥中!
退去立会いの翌々日、畳屋さんの自宅兼工場に寄ってみると、引き上げた畳を6枚とも天日に晒していました。
連日の、「酷暑の残暑」なのでよく乾きそうです。
ちなみに、本記事冒頭のアイキャッチ画像は少しでもカビ臭を消そうと購入して設置した消臭剤です。税込み1300円ほどしますが、強力そうなビッグサイズです。
ホームセンターの店員さんが言うには、浴室とか水で洗い流せる場所で無いなら塩素系のカビ取り剤は使わないほうがよいとのこと。キツイ匂いが残るので。ましてや木材など浸透する材質にはもってのほか、とのことです。
まとめ
この際、和室から洋室に変換する手もありますが、資金繰りが苦しくてその費用が捻出できないのと、コロナの影響で人の動きが極端に少ない御時世ですから、費用を掛けてリノベするよりもいつも通り表替えして搬入して、家賃安めで賃貸に出そうと思います。
弊社は、今は攻め時ではなく「我慢の時」です。
関連記事「畳(たたみ)」
終わり
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