新規取得なるか?
先月のとある土曜日、いつものように良い一棟もの物件を探すべく収益物件サイトを眺めていたところ、売りに出たばかりの一つの物件に目が留まりました。
・築28年、重量鉄骨造陸屋根三階建て
・9戸中、1戸空き(10月末にもう1戸空く)
・間取りは2 D K(1 L D K に改造した部屋が4戸ある)
・接道は私道(←これはネック)
・満室利回り:12.73%
・売り出し価格:4500万円
前面道路が「私道」だから安いのかな?と思った以外は、良い物件に思えました。
立地は、弊社所有物件が複数建っているエリアなので悪くないことが自明です。
これは良い物件!
早速、現地を見に行きました。車で30分くらいの、閑静な住宅地。
30年ほど前に大手ハウスメーカーが開発した住宅地のため、私道のままになっているようです。
「市街化調整区域」ではなく「市街化区域」ですし、弊社は前面道路が私道の物件も所有しており、特に問題なく運営できているのでそんなに気にしません。
購入を検討するためにレントロール(賃貸借条件一覧表)等の資料を取り寄せようと、サイトから問い合わせすると同時に仲介業者に電話をかけました。が、つながりません。土日が休日の会社です。
こうなると「二番手、三番手になるかもしれない」という強迫観念に駆られるもので、買いたい気持ちが昂(たかぶ)ります!書類ケースにしまってある、どんな物件にも使えるA4サイズの買付証明書に物件概要を記入し、社印などを押しました。最後に購入希望金額欄。
一瞬、いくらか指値しようかとも思いましたが満額で記入し、ファックスしました。
連絡アリ!
ウチは、インターネット回線を引くためと、ファックス機能を使うためだけに固定電話を置いています。(もちろん、これらに関わる費用はすべて法人の経費扱いです。)
ですので、知らない電話番号から着信があっても100%スルー(無視)です。
ところが、虫の知らせでしょうか、夕方に掛かってきたその電話だけ、ふと着信の電話番号を見たのです。
「086か・・・」
固定電話にかかってくる番号は、県外か携帯電話がほとんどです。岡山市の市外局番は少数派です。
なにげなく、子機で出るとなんと、この物件を問い合わせした業者の担当者でした!!
ナカシマ「お休みではないのですか?!」
担当者「買付証明書を頂けたのが嬉しくて、つい電話させていただきました!!」
私が買付一番手であること、問い合わせが殺到しており、募集を締め切った
こと、二番手、三番手の買付が入っていることを教えてくれました。
予想通りの展開です。
内見もして買う気満々!
月曜日に資料をメールで頂き、いつものようにシミュレーションしてみました。
さらに、一戸ある空室も内見させてもらいましたがキレイにリフォームされています。
陸屋根の屋上も見せてもらいました。防水シートはキレイな状態でしたが、一部、鉄板製の笠木が飛んで無くなっていた(下の写真の左下方の部分)ので、そこは修理してから引き渡してもらうように売主様にお願いしてもらいました。(修理に100万円ほど掛かるようですが、売主様は了承してくれました。)
浄化槽、貯水槽ありなので、メンテンスに若干費用が掛かりますが悪い買い物にはならないと総合的に判断し、金融機関にも融資申し込みをしました。(仮ではOKをもらっていました。)
こんなことがあるのか?
あとは金融機関の本審査が通れば売買契約を巻いて手付金を払い、金融機関で金銭消費貸借契約を巻く、という段取りに進む・・・ハズでした。
ところが、ある日驚愕の事実が発覚したのです!
203号室の賃料だけ、63000円とやけに高いのが私も仲介業者も気になっていたので、念のため確認してもらっていたのですが、なんと「間違い」だったそうです!!
それどころか、駐車場料金やその他の部屋の家賃もいくつか間違いがあったとのこと。
↓こちらが最初に提出されたレントロール
↓こちらが、あとから出てきたレントロール
最初にもらったレントロールの中の〇印が高く表記されており、△印が安く表記されています。
また、駐車場料金も102号室と203号室の分が間違っています。
なぜ、こんなことになったのか、要領を得た回答は頂けませんでした。仲介業者と売主様も管理運営会社に怒り心頭です。
当初の利回りになるように4290万円に値下げすると言われましたが、この一件で完全に購入意欲をそがれたのと、その他の懸案事項も頭をもたげてきたので転進することを仲介業者に伝えました。利回りを合わせてもらっても、実際の実入りが当初の計画から減ることになってしまっていますしね(苦笑)。
値下げした価格で二番手、三番手に話を持っていくのでしょう。
まとめ
それにしても、不動産投資の中でも物件の仕入れの、そのまた立地に次ぐ中枢とも言うべき「レントロール」間違い。初めての経験でしたが、あってはならない事象だと思います。
仲介業者の担当者も言ってましたが、「おとり広告」と言っても過言ではないケースでしょう。
ちなみにこの担当者とはウマが合うので、今後もビジネスでのお付き合いはすることを約束して別れました。
売買契約も巻いておらず、手付金も支払っておらず、金銭消費貸借契約も巻いていなかったのが、せめてもの救いでした(正直、冷や汗ものです)。
間違ったレントロールが提出されることも有り得る、という事例の紹介記事でした。
終わり
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