宅配ボックス増設物語3

昨日の記事、

宅配ボックス増設物語2

の続きです。

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ブツの運送賃はどっちが負担するべき?!

幸いF社とはリース契約でしたので、設置工事が実施されなかったことで契約は”白紙撤回”となりました。ただ、現場に届いている宅配ボックスの現物を送り返す、また、その往復運賃負担の問題がありました。

案の定、F社の営業レディからお願いの電話が来ました。

営業「ナカシマさん、申し訳ありませんが現物の往復の運送代を御負担いただけないでしょうか?」

片道3万円、往復で約6万円とのこと。人の好(よ)いオーナーなら、わかりましたとか折半(せっぱん)とか譲歩するところでしょうけど、私は全面的に突っぱねました。

これは隣近所の付き合いでも親戚付き合いでもなく、あくまで「ビジネス上の交渉ごと」です。

ナカシマ「私が工事直前にたまたま気になって建築会社に確認していなければ、今ごろ岡山市の中心部で大変なことになっていたかもしれないのですよ? 今回の件は現地調査の時、弊社にエントランス床工事の可否確認を依頼しなかった御社の落ち度です」

一旦、電話を切って社内で検討した結果の電話が掛かってきました。

営業「わかりました。往復の運送費は弊社負担とさせていただきます。ですが、ひとつだけお願いがあります。返送するための業者が明日○○時に現場に行きますので、積み込みの立会いだけお願いできないでしょうか?」

ナカシマ「了解しました」

これで、F社との取引は終了しました。

「キープ」の情勢にも変化があった

配達員による空いているボックスの「キープ」から始まった今回の事案ですが、数か月の間に事態の変化がありました。ダメ元で、管理会社にキープしないよう注意文書を既存の宅配ボックス表面に貼ってもらっていたのですが、これが功を奏したのか「キープ」が見られなくなっていたのです。当然、入居者からも他の宅配業者からもクレームはありません。

現在、弊社所有の収益物件世帯数は1Kばかり97世帯です。入居者入れ替わりの時期の今、退去立ち合いの際に管理会社が退去していく方に住んで良かった点、悪かった点、改善点等をインタビューしてくれるのですが、このAマンションに関しては良い評価を頂いていて、宅配ボックスの数が少ないという声も皆無です。

すなわち、この2、3か月の間に「宅配ボックスを増設する必要は無くなっていた」のです。

まとめ

今後、F社と取引があるかどうかはわかりません。一切、F社は取り合ってくれない可能性もあり得ます。

それでも、私は下記理由で運送賃の負担を拒否しました。

・現地調査の際に、本当にアンカーボルトを打つ工事をエントランス床に行っても良いのか確認してほしい旨の打診があってほしかった。

・上記を含めて、担当者およびF社の社風に「仕事」や「ビジネス」を”軽く”考えているフシが時折、垣間見えた。

・「支払う価値が無いと判断した支出は断固拒否する。振込手数料さえも」という弊社のポリシーに則(のっと)った。

今後の付き合い含め、常に利害関係を天秤にかけて決断するのが経営者ですし、経営の醍醐味でもあります。

今回は、結果的に何事もなかったかのように取引自体は消滅しましたが、宅配ボックスとその業界動向を肌身に感じることができたのと、弊社にとって余分な出費を抑えることができ、さらに大事故が起きていた可能性の芽を、まさに直前で摘むことができたのが大きな収穫となりました。けっして大げさではなく、2,3日胸を撫で下ろしていました。

またF社にとっては100万円単位の“大きな魚(リース契約)”を逃したのと、往復の運送費および設置工事費、営業諸経費の計20万円ほどが“勉強代”となりました。

今後、私が電気式宅配ボックスを必要になってF社に打診しても取り合ってくれないかもしれません。が、それも承知の上で終盤の厳しい姿勢を貫きました。

おまけ

今回、「宅配ボックス」というモノと向き合って、いちばん感じたのは「”宅配”の概念が変わってきている」ということです。

今までは、

・「インターホンを鳴らす→住人が応答する→荷物を渡す」

もしくは、

・「インターホンを鳴らす→不在→不在票を作成して投函→住人から連絡アリ→再配達」

でしたが、これからの宅配は「非対面」が主流のようです。つまり、インターホンを鳴らすことはなく、

・「はじめから電気式宅配ボックスに荷物を入れて宅配業者は去る→住人は、荷物が来ていることはスマホ等にアナウンスされているので、都合の良い時に荷物を取り出す」

というルーチンです。受け取りのハンコも不要のようですし。

時代は変化していますね。では、また別の記事でお会いしましょう!

終わり

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