今の時代でも良い物件を買える!

厳しい時代

「全国的に不動産価格の高止まり」「融資ハードルの高止まり」「金利上昇」等、不動産投資家にとっては昨年来、ネガティブなワードが界隈を覆っています。

が、しかし、著名な投資家のブログ等を拝見しておりますと、そんな風潮どこ吹く風と言わんばかりに新築したり、中古物件を購入したりしている方も多いようです。

羨ましく思いながら記事を拝見していた日々でしたが、なんと私も約一年半ぶりに小ぶりですが「良い物件」を買うことができました!今回はこのことを記事にしたいと思います。

スポンサーリンク

悪夢の損切り物件

私が不動産投資を開始したのは2016年4月ですから、かれこれ9年経ちます。はじめから法人で運営しているので、今月末で「第9期 決算」となります。

この間、売買と所有物件の運営を経験してきて、一度だけ大失敗をしました。

二年前(2023年2月)の、小ぶりな学生専用8戸1Rアパートの購入です。キレイにリフォームしても繁忙期でさえ借り手が付かない、あきらめて売ろうとしても買い手が付かない。

結局、購入金額1200万円とリフォーム費用200万円、合わせて1400万円の投資に対して、売却額750万円。差し引き650万円の“損切り”で終了しました。買い手が見つかったこの時点を逃すと、半永久的に血(赤字)を垂れ流す「最悪物件」を保持し続けることになる恐怖感があったので、650万円の”損切り”で終える覚悟を決めて実行したのでした。

この案件の敗因は一言でいうと、それまでの経験で「なんとかできるだろう」という“己の慢心、おごり”です。買うのは8物件めでしたから、あえて“勝敗”で言うと7勝1敗です。

この案件は“高い勉強代”を支払うことになったわけですが、「所有権移転登記と抵当権設定登記を司法書士使わずに自分自身ですべて行うことができた」のが良かった点です。

今回の「良い物件購入」でも自分で所有権移転登記をしたので、その時の経験が生きています。自分でやると司法書士報酬の5~8万円を節約できます。

「良い物件」とは?

前項で書いた通り、「悪い収益物件」とは第一に「空室が埋まらない物件」です。これはすなわち「立地が悪い物件=賃貸需要が無い(少ない)エリアにある物件」ということです。

駅近ではなく、駐車場が無く、築古の物件だとしても、空室期間が短い(退去が発生してからの空室期間が一か月前後で済む)のが「良い物件」です。(今回買えたのがまさにこれです。駐車場はありますが)

逆に、駅近で駐車場もあり、新築または築浅で、設備も充実しているのに、適正家賃で募集していて3か月経っても決まらないのは「悪い物件」です。

数年保有して運営することを考慮すると、物件を買いたがっている投資家が「気に入るかどうか」も少しは必要かもしれませんが数年経験を積んでいると、ある程度“目利き”ができるようになっており「良い物件」≒「自分の“気に入る”物件」になっているはずです。

ルーチンの物件検索

2025年2月中旬、朝9時。いつものように四つのポータルサイトをチェックしていると、ローカルな岡山限定のサイトに「おやっ?!」と気になる物件が掲載されていました。

JR駅から徒歩10分。木造スレート葺二階建て、1K6戸。築34年。満室。学生も社会人も狙えそう…。売値2000万円。表面利回り12.8%。

この八年間、さんざんウロウロしている岡山市の物件ですから、いわゆる”土地柄”もわかっています。グーグルマップで見て「ほう、コレか。悪くないのでは?」と独り言をつぶやきました。

さっそくサイトから資料請求のメールを打ったのち、仲介不動産屋に電話しましたが「担当者は出ているので折り返し電話させます」と事務員の女性。しかし、その日(土曜日)は折り返し電話が掛かってきませんでした。

翌、日曜日も営業時間になるのを待ってから電話しましたが「担当者がその物件の問い合わせの対応に追われているので折り返させます」とのこと。「資料だけでもメールで送ってくれませんか?」とお願いしましたが、担当者じゃないとできないとのことでした。結局、その日も物件担当者とは話もできず、資料もゲットできませんでした。

「良い物件だし、売値も手ごろだから、これは“瞬間蒸発”かもしれないな」と、半ばあきらめの境地に陥っていました。

まだ買付がはいっていない?!

月曜日の午前10時頃、着信アリ。携帯電話の表示は、あらかじめ登録しておいた例の物件の売買仲介業者(以下“N社”)でした。

N社「御連絡が遅くなり、誠に申し訳ございません。先ほど資料をメールで送らせていただきました」

ひととおりの挨拶を済ませたあと、目の前のノートパソコンで送られてきていた資料を開きながら、あきらめの境地で問いかけました。

ナカシマ「もう売れたのでしょうね?」

N社「いいえ」

ナカシマ「買付はたくさん入っているのでしょう?」

N社「いいえ、まだ一通も頂いておりません」

ナカシマ「ええーーーーーっ!! 本当ですか?」

レントロールを見ると近隣の有名私立大学生が3戸、社会人が3戸。10年以上住んでいる人もいます。経費も共用部電気代1,600円/月、浄化槽関連費用3,000円/月、管理会社報酬12,000円/月、固定資産税が約6万円/年のみ。月のキャッシュフローは18~19万円を見込めます。

聞くところによると、不動産投資初心者らしき方からの問い合わせが多く、本当に買う気があるのかわからないような質問が多い、それの対応にここ二、三日忙殺されていたとのこと。

あとは不動産業者からだったり、大幅な指値を打診する個人だったりで買い付けに至る話まで行かなかったらしいです。

そして、売主様が手放す経緯を聞いてみると、物件を持っていた御主人が数年前に亡くなられ残された奥様が慣れないながらも頑張って運営していたが、ついに無理と判断して手放す決心をしたとのこと。残債は無いから6年前に買ったときと同じ値段で売れればOKとのことで安めの値付けになっているとのこと。なるほど、今の御時世にしては確かに安すぎます。

つまり、売主様とN社としては指値無しで一発回答を頂く値付けとしているわけです。そこに指値(さしね)を商談中に言われると、もうその時点で取引終了となるのでした。

ナカシマ「今から満額で買付証明書をメールで送ります。日本政策金融公庫に融資打診しますが、ダメだった場合は現金で買うので“融資特約”はナシでいきます」

諸費用入れて2100万円ほどの取引ですが、法人の現預金が900万円あり、あとは家庭内の現預金をかき集めれば1200万円あることも把握していました。これを社長からの短期借入金とすれば現金で物件を買うことができます(もちろん、奥さんにも了承を得ています!)

日本政策金融公庫に融資申し込みをしましたが、担保評価が少なければ金利が高い(最大2.8%!)とのことだったのでお断りしました。9年前は築37年の木造アパートに20年1.5%で融資してくれたのに。今回は現金で買うことにしました。

時代が変わった

なぜ、そこまでしてこの物件を買いたいのか?おわかりでしょうか。

ひとつは、昨今の金利情勢です。ここ2年ほど、半年ごとに変動金利の利率が0.15%ずつ上がっています(融資の際に締結する金銭消費貸借契約書に謳(うた)われている)。

私(の法人)は、ここ2、3年で億単位のRC物件を融資で2棟買っていて借り入れ額が大きいので支払い利息の額も上がり方が大きいのです。当初2.0%だったのが今や2.6%! 月額で7~8万円、上がっています。

購入して年月が経っていないので残債がほとんど減っておらず、仮に売却できたとしても“キャピタルゲイン”を得られないどころか、むしろ赤字になります。

そしてペナルティ額がべらぼうに大きくなるので、金利の安い他行への“借り替え”も現実的ではありません。であれば、もし買えるのなら利回りの良い中古アパートでも買って、すこしでも金利上昇分を増えた家賃収入で手当てしたほうが良いのでは?と考えました。

もうひとつは、家計の貯金1200万円を金融機関に預けていてもしょうがない、ということです。定期預金の金利も上がってきたとは言え、せいぜい0.4%。そんなのだったら、無利息にはなりますが、自分の会社に貸し付けて法人の家賃収入が毎月19万円増えるほうが良い。自分の会社をつぶさない限り、貸した1200万円は戻ってきます。

実は、これらの預金は近い将来、融資して頂けることを期待して今まで取引の無かった信用金庫等に預けていたものです。しかし、昨今の融資ハードルの高さによって、いくら案件を持ち込んでも融資してくれる気配を感じ取れませんでした。そんなこともあって、ならば少しでも”我が家にとって役に立つお金の使い方”をしようと思いました。昨今、よく耳にする「経営資源の選択と集中」です。

まとめ

物件購入10案件めにして、初めて満額を”現金”にて購入しました。ちょっと前までなら「不動産投資は他人のお金(=金融機関の融資)を使ってするもの」が常識でしたし、私もそれを実行してここまで来れたわけですが、時代の変化に応じて考え方を変えることも必要と感じた今回の取引でした。

終わり

 

スポンサーリンク












コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.