入居日の不具合
一年ほど前、築30年の空き物件に入居が決まり喜んでいました。
過去に一度、洗濯機給水栓から水漏れするらしいと管理会社から入居当日の夕方に通報があった以外は入居に際して私は呼び出しをくらったことはありません。
いろいろと細かいことが実は起こっていてその都度、管理会社やガス会社が対応してくれているのかもしれません。
ちなみに上記の時は私が駆けつけて現場の状況を確認し、ホームセンターに部品を買いに行って簡単な修理で済みました。
費用が発生しそうなトラブルがあった場合には、とりあえず私に連絡をくれるように各管理会社には通達しています。
話を聞いて自分でできそうなら私が対応したいからです。
年を取ってヨボヨボの体になったらすべて管理会社に対応をお願いすると思います。
ただし、その場合は修理費用が高くつくことを覚悟しなければなりません。(管理会社と修理業者、双方のマージンが乗るので)
さて一年ほど前の入居が決まった物件ですが、入居当日に管理会社の担当者から電話がきました。
テレビのアンテナが刺さらない?
管理会社「テレビアンテナを差し込むことができないそうです」
ナカシマ「???あの、アンテナを壁のコンセントみたいな丸い端子に差し込めないのですか?」
管理会社「だそうです」
ナカシマ「私が行ってみます。あとで結果を報告します」
とりあえず工具類一式を持って現場に行くことにしました。
私が極力自分で対応するのは経費節減が一番の理由ですが、「なにごとも経験」というのも大きな理由です。
ナカシマ「こんばんはー。大家(おおや)ですー」
部屋に入ると入居者本人とお母様がいらっしゃいました。
お母様は40才前後のチャキチャキした美人で、入居する息子もイケメンです。
明日から通学に使うらしいスポーティな自転車を部屋の中で、母子のタッグで組み立てているところでした。
さっそく問題の状況を見てみると、たしかにアンテナプラグが刺さりません。
よく見ると、銀色に光り輝いているはずの壁コンセントのテレビ用ソケット端子に緑色のものがこびり付いて硬くなっています。
緑青(ろくしょう)です。
内部のアンテナ線から伝搬してきて端子表面に現れた可能性があります。
これはソケット自体を交換するしかないですが、夜の6時半で早くしないと店が閉まります。
近くの電気屋さんに飛び込むも置いていないとのこと。
少し遠いけどホームセンターに行くことにしました。
テレビソケットの交換はしたことがなかったのですが、自分の技量でなんとかなると踏んでいました。
ホームセンターに部品はありましたが、交換方法を売り場にいた年配男性の店員さんを捕まえて聞きました。
忙しかったのか、面倒くさそうに説明されましたがわからないところはわかるまで聞きました。こっちも必死ですから。
大体わかったところで御礼を言いレジに行くと意外に高い!!
2~3個の部品で2000円以上したと思います。
それを持って現場に帰り修理開始。
冷や汗タラタラ
“これでやりかた合ってるかなあ・・・”
若干あせりましたが入居者の手前、平静を装います。口にも出しません。
母子は無邪気に言い争いをしています。
母「自転車はできたけど空箱が大きすぎて邪魔ね」
息子「四年後持って帰る時に使うから置いとくよ」
母「こんな狭い部屋で邪魔なだけじゃないの! 捨てなさいよ!!」
ナカシマ(心の中)『ロフトもあるし、1Kにしてはマシだと思うけど・・・』
なんとか終わりテレビの電源を差し込み、アンテナを新ソケットにつなぐと・・・映りました!!内心、超ガッツポーズです!!!
ナカシマ「ご迷惑おかけしてすみませんでした」
美人・イケメン母子「わざわざ来て頂いてありがとうございました」
ナカシマ「また、なにかありましたら遠慮なく管理会社に電話してくださいね。失礼します」
バタンと戸を閉めると緊張が解けました。
まとめ
この一件以来、空室の原状回復工事では必ずテレビアンテナのソケットに緑青が生えていないか確認するようになりました。
20型テレビとテレビアンテナを自宅から持ってきて、全部の空室でキチンと映るかどうかも必ず確認するようにしています。
何事も経験です!
後日談
ある日、定期清掃にいくと件(くだん)の息子が裏で洗濯していました。
ナカシマ「こんにちは。その後、テレビは調子いい?」
息子「はい、いいです。先日はありがとうございました」
ナカシマ「あの、自転車の空き段ボール箱よかったら処分してあげるけど」
息子「本当ですか?助かります!」
いい子なので、つい”サービス精神”が出てしまいました。
終わり
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