不動産投資家と売買仲介業者との双方向通信

情報は錯綜する

我々、不動産投資家は日々ネット上やリアル不動産店舗、不動産関連業界の人々との話の中で、少しでも条件の良い物件を求めて、情報を収集しています。

大家仲間が大勢いる人は、それだけ集められる情報が多いとは思いますが、反面、付き合う人数が多くて煩わしい場面に出くわす確率が高いという負の側面があります。

私には”大家仲間”というものは皆無なので、その煩わしさはありませんが、情報収集能力は低いと言えるでしょう。

主な情報収集元は、健美家(けんびや)、楽待(らくまち)、アットホームなどのポータルサイトですが、近年は売買仲介してもらったことのある業者や、ポータルサイトから問い合わせして話は何度かしたけど成約に至らなかった業者とも少しずつリアル・ネットワークが構築されてきて、いわゆる”川上情報”もちらほら電話やメールで頂けるようになってきました。

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業者にも情報を与える

とかく投資家は情報を頂く側と考えがちですが、実は投資家側から業者に情報を与えることもあります。

売りたい物件を所有している投資家が”一般”や”専任”の媒介契約を結ぶ場合は、もちろん対象物件の情報を提供しますが、そうではなくて一般にすでに流通している物件情報を売買仲介業者に提供するという経験をしました。

その物件は、とあるポータルサイトの会員限定物件でした。

現在、RC造の築年数が比較的浅い物件を探している私は、会員限定と銘打たれた物件情報を見つけました。ネット上に出たのは今年の一月のようです。

気になる物件はすぐに現地に見に行く癖が付いている私は、いつものように飛んでいきました。

一階は商用テナントと1DKのレジ。二階は2DK×3戸レジ。三階は3LDK×2戸レジ。計7戸。RC造で築年数は30年。

実物を見ると、10年ほど前に外壁を塗っているようですが、粉をふきかけている(チョーキング現象)ので大規模修繕は必要です。

満室利回り10パーセント、現況1DKの一戸のみ空きです。

一階の商用テナントは整骨院で、口コミを見ても評判は良いようです。

看板からの話の展開

賃貸物件には、その物件の管理会社やFC店の入居者募集看板が掲げられています。

階段の手すりとか、敷地周囲のフェンスとかに。

その看板がこの物件にも設置されていて、そのチェーン店の売買営業担当者が最近、よく収益物件の情報を私に提供してくれていて、先日事務所に挨拶にも出向いて名刺交換した関係で電話してみました。

ナカシマ「○○さん、お世話になっております、ナカシマです!」

営業マン「ああ、ナカシマさん。お世話になっております。どうされました?」

ナカシマ「いやね、北区の△△の収益物件、御社が管理している物件で他県の業者が売りに出しているみたいだけど、御社では売ってないのですか?」

営業マン「うーん、その物件の売り情報は知らないですねえ。管理のほうに聞いてみてわかり次第、御連絡差し上げます」

しばらくして、件(くだん)の営業マンから着信アリ。

営業マン「わかりましたよ、ナカシマさん。その物件の所有者とウチの常務は知り合いなのですが、特に売り情報は来てなかったみたいです。現在、売りに出されている業者は一般媒介契約なのでウチでも売り出すことは可能です。レントロール等の資料を入手でき次第、メールでお送りしますね!」

ナカシマ「ありがとうございます。よろしくお願いします」

翌日の夕方、メールで資料が送られてきました。こうして、また新しい案件の購入検討が開始できます。

シミュレーションする上で足らない資料を請求したり、売主に聞いてほしい事項をメールに列挙して送ったり・・・。

この物件は築年数が30年経っていて融資年数が15年しか見てもらえませんから、キャッシュフローが出ないので、おそらく弊社では買わない(買えない)と思います。

しかし、売買仲介担当の営業マンにとっては、決して無駄足にはなっていないと思います。

顧客から、自分たちが知らないところで売買活動が始まっていた収益物件の存在を教えてもらい、自分たちでも売ることができるようになったのですから。

まとめ

人脈が出来てきたり、情報の出入り口などがわかったりしてくると、一方的にこちらが受け取るばかりではなく、こちらから売買業者に情報を提供する側になりうることもある、という事例の御紹介でした。

収益物件を売買する業界で狙っているエリアを、私のように住んでいる県の県庁所在地にほぼ特化している場合は、二三年活動すればそのエリア内の大手不動産屋の物件売買担当営業マンともある程度顔見知りになり、情報の双方向でのやり取りが可能になります。

そうすることで、”お互いに持ちつ持たれつの関係性”が構築されていき、それぞれの商売発展につながるのではと感じた次第です。

終わり

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