8.四つ目の物件

読み物シリーズ第二弾、開幕!

三つめの物件でかなり疲弊しましたが「規模拡大」の四文字を脳裏に焼き付けていた私は歩みを止めませんでした。

冒頭のアイキャッチ画像が私の四つ目に買えた物件です。

二つ目や三つめの物件と違って”優良児”です(笑)。

一見ラブホ風ですが、れっきとした普通の単身者向け木造アパートです。

比較的スムーズに買えたのですが、それなりにドラマがあったので本記事で書いていきたいと思います。

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悩ましい物件

三つめの物件の無償提供設備の工事をやってくれているガス会社のフォローをしつつ管理会社に入居者付けをしてもらっていましたが、そんな中でもネットで良さそうな物件があれば問い合わせをしたり見に行ったりしていました。

三つめの物件の比較的近いところで気になった物件があったので写真を撮ったり、何回か外回りをチェックしていました。

築27年ほどの木造、1K×8戸、空室1戸。

表面利回り11%弱で3200万円。(注:これは画像の物件ではないです。)

外周りは若干、修繕が必要な箇所があるのと外壁と屋根の防水塗装つまり”大規模修繕”がそろそろ必要な感じでした。

内見を仲介不動産屋さんに依頼して日取りを決めました。

その時の電話で「大規模修繕はしなくてもまだ当分いけますよ。今ならナカシマさんが一番手ですよ」と言われたので「あっ、この業者さんはこの売値で早く売りたいんだな」と直感しました。

三つめの物件を修繕してもらった工務店の社長に見てもらって必要工事の見積もりを出してもらったところ、私の見立てとほぼ同じ200万円でした。(屋根・外壁ともシリコン3度塗りの大規模修繕費用込み)

「ババ」を引く?!

一年に2棟ペースで買い進めたかった私は、秋になっていたので若干あせっていました。

「四物件目が欲しい」

しかし、その後の仲介不動産屋さんの調査でペット(小型犬)を飼っている部屋が2戸あることがわかり、また空室を内見させてもらったところゴキブリの死骸が大量にあって極端に汚かったので「これは買うべきではないかな」と思いました。

思いましたが、これ以上良い物件が今年現れるか不安だったので内見後、仲介不動産屋さんの事務所で買い付け証明書を書きました。

購入希望価格は修繕工事費その他を引いて2900万円です。

手付金は現金で100万円を支払う予定。

300万円の指し値を聞いて仲介業者は「ムリだと思いますが売主には一応、伝えます」とウンザリした様子でした。

3%+6万円の仲介手数料が大幅ダウンしますからね。

その後、早速日本政策金融公庫に行きましたが「ナカシマさんは二回目の御利用になりますので融資期間は10年が上限になります」と言われ融資受け候補から外れました。(初回は特別融資ということで20年返済にしてくれたそうです。)

次に一つめと三つめの物件でお世話になった△△信用組合に打診すると「さすがに前回の二カ月後は厳しいですね。半年は空けてもらわないと」と、あっさり却下されました。

こうなると新規開拓しかありません。

対象物件に比較的近い、県外第一地銀の支店に資料持参で飛び込みました。

「融資のご相談に参りました」というと融資担当者らしき30代半ばの”イケメン”バンカーが席から飛んできてくれました。

この動きの機敏さで「この人はたぶん私とウマが合うな」と察したとおり、少しの面談と資料説明を終えると融資を検討してくれることになりました。

物件検索をやめてはいけない

三つめの物件の工事フォロー、法事、家事なども重なり、また11月になり寒くもなってきたので風邪気味でしたが、癖になっていたのかネットでの物件検索は毎日続けていました。

岡山県南のエリア限定なのでチェックする物件数も100以下と少ないですし、なにより習慣化していましたね。(オンラインゲーマーの方々ってこんな感じなのでしょうか。)

ある夜、いつものように物件検索していると新着物件の中にひときわ気になるスペックのものが出ていました。

日付を見ると前日、掲載されたようです。

築28年、木造、ロフト付き1K×8戸、下水道接続済み。

4年前に大規模修繕実施済み。

インターネット無料物件!(オーナー負担は月に17000円弱)

立地も悪くなく、満室!!

そして、利回りは12.7%!!!

売り出し価格は2600万円!!!!

これは買いです!!!!!

(冒頭の画像の物件です。)

すぐに仲介不動産屋に電話しましたが、あいにく担当者は不在だったのでメールでとりあえず資料を請求しました。

翌日は私のほうが1日別件で用事だったので担当者と話ができたのは売り出してから4日後でした。

「もう二番手か三番手だろうな」と半ばあきらめて仲介業者の事務所に行ったのですがなんと問い合わせはたくさんあるものの、まだ誰も買付証明書を出していないとのこと!

私が”一番手”です。即、その場で書いて提出しました。

指し値は受け付けてくれませんでしたから満額での買付証明書です。(この物件は2900万円でも、すぐに売れたと思います。)

その後、飛び込みで審査をお願いした県外第一地銀の支店に資料一式を持って行って「この物件に差し換えて、審査をお願いします!!こっちのほうが断然良いですから!!!」と言いました。

快く差し替えを引き受けてくれました。

間一髪セーフ!

あとになって売買仲介担当者から聞いたのですが、私が買い付けを入れた直後から二番手、三番手と続々と買い付けが入りストップを掛ける事態になったそうです。

しかも、二番手の方は現金を潤沢に持っている投資家で満額の現金一括払いで買いたいと言ってきたそうです。

こういうとき仲介業者によっては順位が低くても現金一括で買う人を優先することもあるのですが、幸いこの業者はそうではありませんでした。

金融機関の審査がかなりもたついたのですが、グッと我慢して一番手の私の審査結果を待ち続けてくれたのです。

飛び込みで来た私を信用して融資してくれた銀行担当者、待ち続けてくれた仲介業者の担当者には、いくら感謝してもしきれません。

そして無事に融資審査も通り、2017年12月25日に決済できました。

オーバーローンの2700万円を返済期間20年、変動金利2%、元”金”均等返済で。

同じ年式でも手のかかる3200万円の8戸木造ではなく、キレイな2600万円の8戸木造が買えたのです。

しかも、こちらは優良入居者で満室です。

所有してから1年ちょっと経ち、一度退去がありましたが管理会社の努力もあって比較的早く次の入居者が決まりました。

それも家賃を以前より上げて!(家電三点セットを付けたのも奏功したかもしれません。)

この物件の管理会社は前オーナーからそのまま引き継いだ会社で私は初めてのお付き合いとなるのですが、管理についてはもとより売買、仲介など不動産に関することを多岐にわたりアドバイスを頂けてとてもありがたい存在になっています。

供給しているプロパンガス会社も初めてですが担当者とは以前、設備提供の相見積もり時に電話では話したことのある方でした。狭い世界です(笑)。

このガス会社の無償設備提供の内容は、給湯器、エアコン、テレビドアホン、ウオッシュレット(電源引込線工事含む)の4点です。

ガス会社の事務所に出向いて契約書を新たに巻きました。

これで私の所有物件に関わる業者さん(=ビジネスパートナー)は、管理会社:3社、プロパンガス会社:3社、金融機関:3行となりました。

切磋琢磨していただける、いい感じの構成です。

まとめ

今回買えた物件が現れなかったら、本記事の冒頭に紹介した手のかかる少し気乗りしない物件を3200万円で買って、いわゆる「ババ」を引くことになっていたと思います。

今、振り返るとゾッとします。ですから、風邪をひいていようが物件をすでに審査中だろうが物件探しはやめないほうがいいです。

休んだ途端に誰かが良い物件をさらっていってしまいますので。

所有している全戸が満室になるとイヤでも休むことになりますので、それまでは走り続けたほうがいいです。

つづく

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