優先順位はつけない

優先順位は必要?

勤め人をしている方がよく上司や先輩に言われる言葉に「優先順位を考えろ!」があると思います。

私はこのセリフに若い頃から違和感を抱いています。

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仕事にまだ慣れていない新入社員や経験年数の浅い会社員では優先順位を考慮する必要があるとは思いますが、2~3年、ある程度のビジネス経験を積んだ社会人なら「優先順位をつける必要はない」とあえて断言させていただきます。

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優先順位を考える時間がもはや無駄

これです。

熟慮した優先順位どおりに業務をこなしていきますが途中で思わぬアクシデントに遭遇したり、その対処に時間をとられたりもします。

そういうイレギュラーな事態が片付いてやれやれと思ったら、まだまだ優先順位下位の仕事がわんさか残っていてしこたまサービス残業、なんて”あるある”じゃないですか?

よほど大きなプロジェクトなどはもちろん優先順位が組織的に決められてその順序で進めていかねばなりませんが、本記事で対象にしているのは日常の小さな範囲での業務についてです。

ある程度の業務経験を積んだ社会人であれば、いちいち優先順位を考える時間があったら、片っ端(ぱし)から仕事を片づけていけばよいのです。

これを訓練することによって業務遂行能力は向上しますし、プライベートでも作業効率が上がります。

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飲食業での例

私は喫茶レストランを経営する夢を描いて、修行を兼ねて4年ほど飲食店で勤務した経験があります。2店で働きました。

どちらの店でも厨房やカウンター内がメインでしたが、仕込みはもちろんホールや食材・備品の在庫管理および発注など仕事は多岐にわたっていました。

それら多くの業務の中で優先順位に関する面白い発見をしたのでその事例を御紹介したいと思います。

昼食時や夕食時のいわゆるピーク時間帯は中小規模の喫茶レストランであれば通常、2人の厨房スタッフで調理を担当します。

場合によっては一人でさばかないといけない時もあり、その場合の厨房は”地獄絵”と化します。

フライパンを3つ振りながら、盛り付けもしますし、ハンバーグやドリアをオーブンで焼きます。まるで阿修羅(あしゅら)か千手観音(せんてかんのん)です(笑)。

ホールのウエイトレスの女の子がご飯やみそ汁をついでくれたり、パーラーコーナーを手伝ってくれたりしましたね。

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フライパンを洗うタイミングはいつ?

使用したフライパンは当然洗ってから次の調理に使います。

中華料理店では簓(ささら)を使いますが私が勤めたのは洋食屋ですので金たわしです。

さて、ここからが本題です。

フライパンは5個ほど備えていますが、ピーク時にすべてのフライパンを使う調理人と、できるだけ少ない数(できれば同じものを1個)だけを使い続ける調理人の二種類に分かれます。

昼や夜の飲食店のピーク時間帯。

このケースでの優先順位第一位は、当然のことながら注文された料理を早く調理してお客様に提供することです。

ところが、ある事象をマクロで見るかミクロで見るかによって結果が違ってくるのです。

ある調理人は、いち早く料理を提供するために厨房にあるフライパンをフルに使って調理して使い終わったフライパンをシンクに放り投げていきます。

フライパンを使う料理が5品で終われば問題ないのですが、もしそれ以上にフライパンを使用する料理が注文されていたら、シンクに投げ込まれているフライパンを自ら洗って使うことになります。

とりあえず1個だけ洗う場合もあれば、5個のフライパンを急いで全部洗って準備することもあります。いずれにしてもタイムロスの発生です。

一方、少ないフライパンしか使わない調理人は1品、調理を終えるたびにフライパンを洗い、コンロの上に置いてすぐに次の調理にかかります。

“洗う”と言ってもフライパンの油分を飛ばしてはいけないので洗剤は使いません。水を流しながら金たわしでゴシゴシゴシとこすって終わりです。

その間、1~2秒です。

この二者の違いがおわかりでしょうか?

前者は”フライパンを洗う”という行為を調理ルーチンの中に含めていません。

片や、後者はその行為を調理ルーチンの中に含めています。

これだけの違いです。

どちらが正しい、正しくないというのはありません。

それぞれの調理人の方針、主義、やり方であり、その調理人の性分(しょうぶん)や性格が決めているだけです。

私はちなみに後者でした。

1~2秒の作業をルーチンに含めるだけで次の調理に落ち着いて取り組めますし、どれだけ延々とフライパンを使う料理の注文が入ってきても慌てることはありません。

それと、シンクの中にフライパンやその他の調理器具がうず高く積み上げられていて、他のスタッフが水道を使えないということにもなりません。

シンクの中は常にスッキリしています。

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まとめ

今、上で挙げたフライパンの例は”優先順位”を議論する上で適切な例かどうかわかりません。どちらかといえば”損して得取れ”の例かもしれませんね。

要は、マクロで俯瞰(ふかん)して見て「優先順位を決めることがその場面で有効な手段なのか」を考えて行動する必要があるということです。

優先順位を見誤ることも、あるにはありました。

しかし、今まで優先順位をあまり気にせずに「片っ端から素早く物事を処理していくやり方」でおおむね間違っていなかったと自負しております。

「ふと気が付けばやるべきことがすべて終わっていた」というのが好きなんです。

もしその方針でいくならば、周りから突っ込まれない程度のスキル向上や物心両面の準備が常日頃から必要ではありますけどね。

終わり

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