サブリース案件
今年の6月下旬に購入できた六つ目の物件。
(関連記事「六つ目の物件、売買物語(ストーリー)」)
この物件は大手アパートメーカー「 D K 社」のサブリースで運営されています。
“されていました”と過去形で書かないのは、今もまだ D K 社の管理が継続しているからです。
そして、そのサブリース契約が終了する今月末まで、基本的に新オーナーである弊社は“物件に手を触れることが出来ない”のです。
手を加えたいタイプの人は要注意!
不動産投資をする人を大まかに分けると、低価格・高利回り物件を取得して自分で、あるいは業者を使って再生し満室にしていく「再生型大家」と、管理会社に丸投げで「自分がするのは家賃収入が間違いなく入金されているか確認する通帳記入くらい」という「投資家型大家」の2タイプに分かれます。
私は前者のタイプで、購入したいと思う「気になる物件」の視察時でさえ、敷地内に生えている雑草を引き抜いてキレイにしたいくらいなのですが、これもしてはいけないことです。
ましてや、決済が終わると同時に物件に直行し、敷地内にあるゴミや壊れた傘、雑草を撤去してキレイにしたい人間です。
購入と同時に大規模修繕工事が必要な案件なら、売買契約を締結してから決済日までに工務店とやり取りして見積もり~工事請負契約まで済ませ、決済日の翌日から工事に掛かってもらう段取りにします。
数か月我慢できるか?
ところが、購入する収益物件がサブリース契約の場合、それらの段取りが2~3カ月後スタートになります。
なぜかと言うと、決済が済んでから前所有者が管理会社に「サブリース契約の解約手続きをする」からです。
逆算して、「2~3カ月前に解約手続きをしてもらえばいいじゃないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それは出来ません。
決済が完了する前に、自然災害等の不可抗力や買主の一方的な都合で、その売買契約が破談(=白紙撤回)する可能性があるからです。
もし、そんな事態に陥った際に、すでにサブリース契約を解約手続きしていたら売主が困ってしまいます。新しく管理会社に委託するか、自主管理するしかなくなります。それまで丸投げしていた運営全般をいきなり自分で舵取りするには相当な無理が掛かるでしょう。
そんなわけで「決済後に解約申し込みして、数か月後に管理切り替え」という流れになるのです。
そして、その2~3カ月の期間中、物件はサブリース会社の管理下に置かれ新オーナーは手出し・口出しができません。所有権が移転したにもかかわらず、物件の管理は前オーナーと彼(彼女)に委託された管理会社に委ねられている、というなんとももどかしい状態になります。
できなかったこと
・放置自転車が一台あるので、警告プレートを付けて二カ月くらい様子を見た後、処分してほしい旨、売買仲介業者を通して伝えてもらいましたが、先方が「今はそれをする時期ではない」そうで一蹴されました。
・駐車場の白線を引き直したい→ダメ!大規模修繕工事と共に9月から開始して下さい。
・自動販売機を敷地内に置きたい→ダメ。現管理会社は自販機を置かない主義。9月以降にやって下さい。
大規模修繕工事の段取りは進めていますが、とにかく気になることはほぼすべてできません。
あれこれやりたがる私のようなタイプの大家さんは、かなりフラストレーションが溜まります。
この数か月の間は、物件に近寄らないほうが良いでしょう(苦笑)。
まだ自分のものではない
余談ですが、融資を受けて物件を買った人は、決済が終わっても厳密に言えば完全に自分の所有にはなっていません。
融資残債をキレイに返済し終えるまで、その物件は”融資を実行して担保設定した金融機関のもの”です。
現金買いの人は決済後、即”自分のもの”になります。
まとめ
空室があっても家賃保証が効いていたり、数カ月の間の家賃収入を前倒しで決済時に頂けたり、物件にハード面、ソフト面でなにかあっても前オーナー責任で対処してくれたりと良い面もあるのですが、とにかく自分が買った物件を自分なりに手を加えたい私のようなタイプの方は、サブリース物件の購入を検討する場合は御注意下さい、というお話でした。
関連記事「放置自転車の処分方法」
あ、そうそう、購入後もそのままサブリース管理を引き継ぐ買主さんの場合は、今回の記事は関係ないですね。
サブリース契約承継手続きをすれば良いだけですから。売買仲介業者さんもラクですね。
終わり
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