六つ目の物件、売買物語(ストーリー)

一年九か月ぶりの仕入れ

昨日、「六つ目の物件」の”仕入れ”(=決済=所有権移転)が無事に終わりました。

前仕入れ物件である五つ目の物件を購入(決済)したのが、二年前の九月ですから、一年九か月ぶりに新たに収益物件を購入できたことになります。

私は、中古の一棟ものアパート狙いですから、これくらいのペースが本来の姿なのかもしれません。二年前、三年前の”年二棟ペース”が異常だったのでしょう(苦笑)。

三つ目の物件を今年の一月に売却したので、今回の仕入れによって「五物件36戸所有のオーナー」ということになりました。

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“出会い”から約一か月での決済

本ブログ、5/22の記事「リアル・対面「面談」の効用」の5項「会ってみると良い人」で書いた通り、頭の切れる売買仲介業者さん。

実際に会って話すと、私のことを”この人は信用できる”と踏んでくれたようで、すすんで有意義な情報を提供してくれました。

半面、この道13年、大〇建〇勤務時代も入れると不動産業界に30年近く身を置いている百戦錬磨の人ですから、調子に乗ることはなく慎重な姿勢も崩しません。

外見は「温厚そう」ながら、気の強い一面も持ち合わせており、同じく気の強い私と小競り合いも何度かありました。

しかし、そういう場面を踏みながら徐々に信頼関係も築けてきて、初めて出会ってからおよそ一か月で売買成立および決済終了という、最高の結末を迎えることができました。

「先入観」は要注意!

最初のメールでの塩対応(←相手はそんな対応をしたつもりはなく、あくまでも自分がそう感じただけかもしれません)から始まって、ことあるごとに「それなら、この取引はやめておきますか?」とか「どうします?見合わせますか?」と言われたので、(この業者さん、本当にこの物件を売る気あるのかな?)と、かなりカチンときた時もありました。

収益物件にしろ、実需にしろ、売主・買主・仲介業者の三者の誰か一人でも爆発したら、その取引は成り立ちません。”それだけの御縁だった”ということで試合終了です。

ですから、よほどのことが無い限り、粘り強く取引・交渉を続けることが大事になってきます。

今回も、カチンとくることが何度かありながら、そして”この取引は成立しないかもしれないな”と感じることもありながら、反面、仲介業者さんが売主に交渉して、買主(=私)に有利な条件を取得してくれたりもして、前に進んで行きました。

二番手、三番手を振り切った!!

本物件のスペック(仕様)

ここで、この物件の主なスペックを復習しておきます。

・重量鉄骨造、二階建て。2D K(40平方メートル)×6戸。現況、一戸空き。

・インターネット無料化工事済み(オーナー負担:月額約八千円)

・排水:単独浄化槽(21人槽)

・駐車場:11台分敷地内に有り。

・土地:170坪。宅地。

・接道:南、公道、幅3.3メートル。舗装済み。

・都市計画:市街化区域

・用途地域:準工業

本物件の”マイナス要素”

そして、”マイナス要素”としては下記があります。

・忌避施設があり、地名のイメージがあまり良くない。

・西日本豪雨時に一階が床上浸水(10センチ)した。(←当時、一階三戸は全退去後、完全修復およびシロアリ防除実施済み。)

・小学校まで約4キロ、中学校まで約8キロなので、小中学生の子を持つ世帯は狙えない。

気になるお値段は?!

売り出し価格は、2500万円でした。

それを2200万円で買うことができました。12パーセント引きです。

これは、こちら(=買主側)が激しい値段交渉をしたわけではありません。

仲介不動産屋さんの事務所を最初に訪れた際に、話をし始めた時点で”2200か2300くらいにはなります”と、仲介業者さんのほうからおっしゃったのです。

なぜ、そんな指値が可能だったのか?

売主さんは、相続で親からこの物件を数年前に引き継いだものの、不動産賃貸経営に興味が無く、固定資産税や修繕費用その他にお金を取られるのを負担に感じていました。

そこに、隣地の境界確定で呼び出された仲介業者に相談すると売るお手伝いをしましょうか?という話になり、残債と諸経費、譲渡税を賄える金額で売って欲しいという運びになったそうです。

不確定要素が残っているものの、2200万円での売却も可能とのことでした。

それを聞いて、私はがぜん、この案件に乗り気になりました。

もちろん、ここで”前のめり”になって、収支計算や物件の属性調査をおろそかにする気はありません。

とは言っても、実際に仲介業者に会うだけでこんな話が聞けるのですから、こういうところでも”リアル面談”が物件売買取引に、いかに有効かお分かり頂けるかと思います。

買付証明書を一度、書き直した!

本ブログ、5/27の記事「金融機関への融資依頼書」の2項で書いた通り、空室内見希望者が二名現れて、俄然、慌ただしさが増しました。私は、購入希望の物件の内見予約電話で、必ず買付証明書を持ってきてくれるように依頼します。

今回は、最初の仲介業者訪問時に買付証明書をその場で作ってもらっていたので、その原紙を三枚ほどコピーして、内見時に持参しました。

内見して買いたい気持ちが固まった私は、いつものように空室の室内に座り、持っていた買付証明書に法人のゴム印と実印を押印して、最後に買い付け希望金額を書く場面になりました。

「やっぱり、2300万円じゃないとダメですか?」

横に立っている仲介業者の社長をチラチラと見上げながら、2300万円という数字を書き込みました。

すると、仲介業者の社長が天井を見上げて思案しながら、独り言のように「2200でもいけるかな・・・」と呟いているではありませんか!

私は補聴器をしていても耳の聴こえが悪いのですが、こんな時は聞き逃しません(笑)。

「2200万円でいけますか?!」思わず大声で詰め寄りました。

もう少し、現管理会社や、インターネット無料化工事業者から情報を得ないと、正確なことは言えないが、いけるかもしれないとのことでした。

私は一旦記入した買付証明書を破り捨て、車に戻り予備の買付証明書に書き直して、それを渡しました。

「本物件を2200万円で買います」と!

ほんの数分の出来事。

A4用紙一枚に書き込む数字一つで、購入金額が100万円、違ってくるのです!!

購入後、大規模修繕工事(屋根・外壁塗装工事)が必要なので、その二百万円を含めて2400万円の融資を受ける予定でしたが、空室が一戸ある関係で融資は2300万円に落ち着きました。

諸経費および、修繕工事200万円のうち足らない百万円は自腹です。修繕工事は本物件のサブリース契約が切れる9月に入ってからの実施になるので、それまでにもう少し安くできないか工務店に交渉してみるつもりです。

とにかく、本案件では忍び寄る二番手、三番手の買付希望者を振り切ることができました。

満額買付希望者に勝てた理由とは?

三番手の買付希望額は、満額の2500万円だったそうです。

手を挙げた順ではなく、満額の希望者のほうに売る売買仲介は今でも存在すると思いますが、今回は次の理由によるものです。

三番手の買い希望者は、買主側の仲介業者経由でした。

つまり、元付業者(=私と話をしている売買仲介業者)の仲介手数料(「売買金額×3パーセント」+6万円および消費税)が両手取りではなく、片手取りになってしまうのです。

いくら2500万円の満額買付希望(手数料:90万円弱)でも、2200万円両手取引(手数料:160万円弱)には敵(かな)わないというものです。

「インターバル」に対する見解の違い

昨日の決済終了後、金融機関の担当者に雑談の中で聞いてみました。

ナカシマ「このあと、すぐに良い収益物件が現れても間を空けないと融資してもらえないのでしょうか?」

担当者「翌月とか二か月後とかは無理ですけど、良い物件ならそんなに間を設けなくてもいけますよ」

よく、売買仲介業者などからは「次の融資は半年くらい空けないと取り組んでくれない」とか、まことしやかに言われていますが、そんなことはないですね。

要は、借りたい人の属性次第の部分もあるということです。

まとめ

既存の所有物件で、長らく空いていた空室二戸が最近、立て続けに申し込みが入りました。

どちらも社会人で、一つは法人契約です。

コロナ禍が落ち着いてきて、動きが少しずつ出てきたのかもしれません。

もっとも「常日頃から物件にマメに通い掃除したり空気の入れ替えをしたり、気付いたところを直したりしているから」という自負も、もちろんあります。

専業大家ですから、それくらいして当たり前ですけどね(苦笑)。

物件売買にしても、賃貸付けにしても、不動産賃貸経営は情報に心が揺らぐことも多いですが、結局は「”自分が信じるやり方で、自分を信じて行動する”ことが最も重要」な気がします。

関連記事「今後、収益物件の「買い時」は、待っていても来ない

終わり

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