「こまかいことをいちいち気にするな」「くよくよするな」
落ち込んだ人を慰める、あるいは再起や奮起を促すために用いられる言葉です。
今回の記事のテーマは、これらの用法とは別の意味での「こまかい」です。
ビジネス、業務上での”注意度合い”のことです。
決算書での間違い
顧問税理士事務所の決算書作成業務には7万円プラス消費税を、毎月の顧問料1万7千円とは別に毎年支払っています。
税理士事務所にもよると思いますが、数字は間違わないけど文字を間違う傾向にあります。
昨年も一カ所ありましたが、今年は二か所ありました。
・金融機関の支店名が抜けていた
・未収入金があった物件名称を間違えていた
そして間違いは人間なら誰にでも起こることは理解していますが、「その後の対応のしかた」が昔のビジネスマンと違ってきていると感じます。
・間違いを指摘されたらすぐに直す
・直した書面をクライアントに「すみませんでした、これと差し替えて下さい」と持参する
・すでにクライアントが金融機関に決算書を提出している場合は、それらすべての金融機関に当該書面の差し替えに出向く
ここまでするのが当たり前だと思います。
ミスしたあとの”ケツの拭き方”です。
「間違いを指摘されたらすぐに直す」が出来ない場合は、私は別の税理士事務所を探すでしょうね。今の税理士事務所は出来ています。
しかし、二番目以降がどうも不十分。
「すぐに直して郵送するか持って来るかしていただけますか?」と言って行動してくれます。
「こちらのデータはもう直したから、来年の分からは間違いは起こりませんよ」というニュアンスなのです。
経営上のアドバイスを頂いたり、顧問料も優遇してくれたりと、良い面も多いのでお付き合いしたいですが、あまり頻繁にこのようなことがあるとモヤモヤした気分になってしまいます。
姿勢の問題
「金融機関はそこまで気にしませんよ」
“数字しか気にしない”という意味でしょうか。
笑いながら言った税理士事務所担当者の言葉を私は「ヨシ」としません。
仮に金融機関が良くても、決算手続き料を支払っているクライアントである私が納得できません。
当ブログでよく登場する「逆ギレ管理会社」もそうです。
「ミスしたら素直に謝り、すぐに事後処理を迅速に行い最優先で対処する」
昔のビジネスシーンでは当たり前だったこの行動ができないところに、日本経済の衰退の一因があるのでは、とすら思ってしまいます。
なおざり、おざなり
なおざり【等閑】ナホザリ
あまり注意を払わないさま。いい加減にするさま。かりそめ。おろそか。ゆるがせ。源氏物語[若菜下]「―のすさびと初めより心をとどめぬ人だに」。「規則を―にする」「―な態度」
おざ‐なり【御座なり】
当座をつくろうこと。その場のがれにいいかげんに物事をするさま。「―の計画」「―にする」「―を言う」
以上、広辞苑第六版より引用
似たような語句ですが、どちらも今の日本のビジネスシーンに蔓延しているのではないでしょうか。
親や祖父母、先生、上司が言いにくいことを言わない弊害が、ビジネスの現場でも徐々に「日本の良かった点」を蝕(むしば)んでいるのではないでしょうか。
資源の無い日本
昔からよく言われていたことに「日本という島国は広大な土地をはじめ、石油や穀物などの資源が少ない。じゃあ、他の大国に何で勝負するかと言えば技術力・勤勉さだ」があります。
「勤勉さ」とは「進んでサービス残業をすること」ではありません。
仕事を溜(た)めないように迅速に、業務を処理していくことです。
さらにミスを繰り返さないようにするにはどうすればよいか考え、工夫することです。どうすれば相手(クライアントや職場の同僚)が助かるか想像することです。
改善提案活動やQCサークル活動、QA活動などがいつの頃からか無くなっていきましたね。
それらの活動を継続することは大変でしたが、それなりに日本の技術力向上に役立っていたと思います。
まとめ
私もミスを犯します。犯しますが、すぐに自分のミスを認めて相手に謝り、事後処理は何を差し置いても最優先に善処するように心がけています。
仕事でもプライベートでもです。
大変、僭越(せんえつ)ながら、日本国民みんながこの心がけで行動すれば、日本経済は今より、もう少し上向(うわむ)くのではと感じています。
終わり
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