昨日の記事、
の続きです。
相見積もりの結果、F社に決定!
後日、F社から頂いた見積もり内容を精査して検討したり、再度、F社の見積もり内容をT社に伝えて再見積もりを促したりした結果、F社と成約することにしました。
主な理由は下記の通りです。
・先に知り合ったT社が「基本的に現金一括(全額前払い)での買い取り、リース契約も可能」なのに対して、F社は「基本的にはリース契約だが、現金一括買い取りも不可能ではない」
・T社はメンテナンスや修理に要した部材や工賃が都度徴収されるが、F社はリース料(月額12,650円)にすべて内包されている(フルメンテナンス契約)。
・T社の納期が3か月なのに対して、F社は2週間。
・T社は買い取り金額の105万円を、現金一括で前払いしないといけない。
・F社の製品は、インテックス大阪のブースで実際に実物を使ってみてユーザーインターフェースの良さや仕組みを熟知できている。
いざ納品!!
何でもそうですが“モノ”を購入した時、納品される時がいちばんワクワクしますよね!
その“モノ”が高額であればあるほど、なおさら気持ちは高まります。それは個人であろうと、自社の備品であろうと同じこと。
ましてや、今回の品物はサラリーマン時代に“エンジニアの端くれ”であった私が大好きな「電子機器モノ」です。
まるで、欲しかったオモチャを買ってもらった子供のような心境です。
気になることアリ
一月中旬の工事日も決まり、あとは設置してもらうだけの状態。ところが、一点だけ「気になること」があり、念のため確認することにしました。設置工事日の前日のことです。
「まさかエントランスの床にアンカーボルトを打ってはいけないなんてことは、ないよな?」
このマンションのエントランスは結構、広くて西の壁面は自転車置き場になっており、それ以外のスペースには30cm四方の陶器製タイルが敷き詰められています。建築当時の図面には、「エントランス」ではなく「ピロティ」と表記されていました。
このマンションを建設した工務店の担当者に電話しました。今まで何度かコンタクトをとったことのある聡明な課長さんです。
コトの顛末(てんまつ)を説明すると、驚愕の回答が飛び出しました!
課長「エントランスにアンカーボルトを打ち込むのは、やめておいてほしいです」
ナカシマ「えっ!なぜですか?」
課長「エントランス北端に大きな電源ボックスがありますよね?そこに出入りしている電線がエントランス床の表面から10cm足らず、下手すると7cmくらい下のところを通っています。また床のどこを、どう通っているかは現場仕事だったので正確なルートはわかりません」
ここまで聞いて私は事態を飲み込みました。これはマズイです。新規設置の宅配ボックスは、AC100Vのコンセントが必要なので電源ボックスのすぐ隣に設置予定でした。
ナカシマ「ドリルの先端で埋設されている電線、それも強電を傷付ける可能性があるわけですね?」
課長「おっしゃる通りです。感電どころか爆発しますよ」
頭から血の気が引きました。
まさに“大ごと”になる可能性があるのです。エレベーターや給水ポンプ等の動力機器が使えなくなり、55世帯の入居者に多大な迷惑をかけることになる。そして、オーナーである私は修繕のために経済的にも多大な損失を生むことになります。また、悪影響はそのあとの賃貸募集にも及ぶことは想像に難(かた)くありません。
工務店の課長に御礼を言って終話したあと、すぐにF社の担当者携帯に電話しました。が、出ません。F社の会社に電話して、出た方に用件を伝えました。緊急事態です!と。
しばらくして営業担当の女性から折り返し電話があり、今回の契約のキャンセルを申し伝えました。担当女性も驚いていましたが、さすがにこれはやむを得ません。
代替え案検討も名案浮かばず
それからはF社の中はハチの巣をつついたような騒ぎです。モノは発送していて、翌日の午前中に現場に到着します。私が受け取りをすることになっています。
F社としては、アンカー打ち以外の固定方法を再度提案したいようでしたが、昨今の南海トラフ地震の発生確率上昇でアンカー打ちでないと保証が効かないなど、良い案がなさそうです。
事態を理解し始めた営業担当の女性は社内会議でキャンセルを受け入れた様子で、事後の話をし始めました。
営業「ナカシマさん、もう少し早く確認してくださればよかったのに」
ナカシマ「○○さんこそ、正月明けの現地確認の時に“床にアンカーボルトを施工しても問題ないか、建築した会社に確認しておいてください”とひとこと言ってくれていればこういうコトにはならなかったですよね?そういうことは商談の際には言わないのですか?」
営業「飲食業などの商用テナントでは確認を依頼することはありますが、レジデンス案件では基本的にしません。今まで数百件のレジ案件で納品してきましたが、このような事態は初めてです」
そうは言っても、「直前に大惨事が起こったかもしれない可能性を食い止めたのはナカシマ」だという自負はあります。仮に、最悪の事態が発生した場合でもF社は責任を負わないでしょう。こういうコトは、所有物件のオーナーの自己責任であることは重々承知しています。
つづく
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