移り住んできてからずっと気になる
今の自宅を23年前に、土地を購入して注文住宅を建てて引っ越してきてから気になっていることがあります。
我が家の裏に巾7メートルほどの立派な用水路があるのですが、その川面(かわも)に所々(ところどころ)、樹脂製のオレンジ色のボールが浮かんでいます。(冒頭画像を参照してください。)
丈夫そうなロープに固定された直径15cmほどのオレンジ色の浮き球が4列。川幅に渡したロープに等間隔で固定されて、ゆらゆらと揺れています。
「一体、何のために設置してあるのだろう? ゴミや草を引っ掛かけて、それらを回収しやすくするためだろうか?」
誰に聞いても不明
この地に住み始めてから二十余年。
災害も少なく、地(じ)の人も近所の人も良い人ばかりで住みよい場所です。
が、どうしても気になる用水路の浮き球(だま)。
ことあるごとに、年配の方に聞いたりしたのですが皆さん「わからない」「知らない」「農業している人に聞いてみたら」など要領を得ません。
下水道工事に来られた役場の人に聞いても、農家のおじさんおばさんに聞いても知らぬ存ぜぬ。
そうそう、数年前に一人だけ自信満々に回答してくれたおじさんがいました。
「ああ、あれはな、あの山のてっぺんからセンサーでボールを監視しとるんよ」
と、北側の標高500メートルの山を指差して言いました。
「はあ、そうなんですか・・・」
どうも腑に落ちません。
何のために?何のセンサー?5W1Hが私の頭の中をかけ巡っただけでした。
一体、何なんだ?この物体は。
ついに知っている人、現れる!
ウチが檀家になっているお寺の、地域の総代さん(70才代のおじさん。Kさんとします。)がお寺からの通知を持って訪ねてきました。
いつものように玄関先でひとしきり立ち話をして別れ間際。ふと、浮き球が頭に浮かびました。
ナカシマ「ところでKさん、ウチの裏の用水路に樹脂製のボールが浮いとんですけど、何のためのモノか御存知ですか?」
Kさん「ああ、知っとるよ」
ぬわに?!こんな身近に知っている人が!!
ナカシマ「何ですか、あれは!」
Kさん「子供でも大人でも、溺(おぼ)れた人が捕まるためのロープじゃ」
ロープ? ボールのことを聞いているのに・・・。
「?!」
なるほど、です!納得です!!
たしかに、溺れた時の助けになります。この用水で実際に溺れた人を見たことは無いのですが、下記のような理由でかなり危険だろうなとは思っていました。
・水流が早い(秒速1メートルくらい)。
・深い(水深:最大1.8メートルくらい)。
・幅が約7メートルと広い。また両岸がコンクリートで固められているので捕まるものが無い。
なんと、とても身近で重要なモノだった!
真夏の暑い時には、”思わず飛び込みたくなる”と半分冗談で近所の人と話す裏の用水路ですが、このような「救命設備」があると知ると少し怖くなってしまいます。
大事なのは「ロープ」であって、”樹脂製のボール”はロープを常に水面に出しておくための”補助具”だったのですね。
ちなみに、この「救命ロープ」は1~2kmごとに設置されています。
そして、「用水、浮き球」などで検索すると、ネット上でもいくつかこの設備に関する記事が出てきました。
まとめ
わからなかったことがわかって、長年、のどに刺さっていた魚の小骨がやっと取れたような清々(すがすが)しい気分です。
それにしても、そんなに大事なモノなら関係者も「これは救命用のロープです」と、簡単でいいからフェンスに看板を付けておくべきではないでしょうか?
近所の人や溺れた人が誰も意味を知らない、使用方法の看板も無いではまさに「宝の持ち腐れ」です。
終わり
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