とある記事に対するコメント
ネット上で、ある著名人が寄せた記事に対する読者のコメントを拝見していると、面白いものがあったので御紹介したいと思います。
一流の人と凡人の違いの一つは、極端な考えをするかどうかだと思います。
極端な考えができるほうが凡人。それだと可能性を捨てるばかりになるから。
凡人は「こうなるからこうしない」というのが当たり前で、一流は「ここまでならこうだからできる」と”さじ加減”を絶妙にできる。
そして、バランスをとりながら思い切ったことをしたりして、利益を上げていくことが可能。
凡人には怖くてそれができない・・・
昨今の融資が締まった不動産投資界隈にも適用できる考え方だな、と思った次第です。
長かった今年一年
年末になると、どのブログにも「あっという間に過ぎ去った一年だった」とか「もう年末だなんて早いものですね」といった枕詞(まくらことば)が目に付きますが、私は「やっと一年経ったのか」という気持ちです。
なぜかと言いますと、下記の二つが主な理由です。
・専業大家なのに今年は収益物件をひとつも購入することができなかったので、比較的”ヒマ”な状態が多かったから。
・所有物件の融資返済が進んで、早く完済したいから。(年月が早く過ぎ去って欲しいと思っていると、時が経つのが遅く感じる)
様々な角度から見る目が必要
気になる物件を見つけては、現地を見に行ったり、謄本を取得して所有者の裏事情を推察したり、金融機関に融資打診したり、良い物件を購入するべく、それなりに今年も活動はしていましたが昨年やそれ以前に比べてかなり難しい状況だと肌感覚で感じました。
金融機関の融資が締まった(数年前の正常な融資体制に戻った)のも、もちろんありますがそれ以外にも一、二年前までの”不動産投資バブル”とも言うべき時代よりも一層、購入志望者はアンテナを高くしないといけないですし、もっと突っ込んだ知識や情報を得る努力が必要になってきている気がします。
例えば、先日から目を付けている物件。
関連記事「地銀の融資・情勢が厳しいワケ」
築22年RC造三階建のエレベーター無し12戸。
浄化槽を下水道に変換済み、広めの2LDKで南向き、駐車場も世帯分アリ。
乗車数の多い最寄りのJR駅から徒歩7分の平坦地。
市街化区域で、路線価は44000円でここ十年ほど変化なし。
静かな住宅街の中で、学区も良く、現状「満室」で入居者付けにも苦労しないと近隣の賃貸仲介業者も口をそろえる立地・・・。
メインバンクからも口頭で融資付けOKの言質(げんち)ももらい、あとは売主との価格交渉だけと私は完全に”前のめり”モードなのですが、先輩大家に相談すると違う面が見えてきます。
先輩大家のアドバイス
まず、一人目の先輩大家が指摘したのは、やはり売り出し価格が高すぎる点。
いくら良い物件でも「満室利回り7パーセントは危険」との見立てです。
最低でも12パーセントは欲しいと。
「利回りがあまりにも低いと、この三年半でナカシマさんが地道に築き上げてきた築古アパート投資の実績がすべて吹っ飛ぶ可能性がありますよ」と忠告されました。たしかに、その恐怖はあります。
もう一人の先輩大家からも、利回りについて同じように言われた以外に外壁について指摘がありました。
私は、タイル貼りの物件を持ったことがないので、塗らなくて済むタイル外壁も良い点と思っていたのですが、その方は「25~30年経ってくるとタイルが浮いてきます。そうすると、浮いたタイルは合成樹脂を注入して接着してやる補修工事が必要になってきます。モルタルなどの塗って済む大規模修繕よりも費用がかかりますよ」と脅されました。
来年も厳しい一年になる
先輩大家さんや工務店は、いじわるで脅しているわけではありません。
失敗してほしくないから忠告してくれているのです。
そうなのですが、これらの忠告を聞き入れて「そうですよね。リスキーですよね。やっぱり、この物件はやめておきます」とするのは、”凡人”だと思うのです。
いろんな人の意見や忠告を参考にして、考慮しながら、それでも物質的、金銭的、管理面、現入居者属性など総合的なリスクを許容できるなら買いたいと思います。
これは単なる”買いたい病”とは違うと思います。
もう一つ、ある売買仲介業者からの情報です。
民間の金融機関だけでなく、日本政策金融公庫も融資事情が昨年までとは様変わりしているそうです。
諸費用を賄うために日本政策金融公庫の「事業資金融資」をあてにしていたのですが、自宅でもいいので「担保」を差し出さないといけないそうです。
私の自宅はすでに一物件目の共同担保としてメインバンクに差し出していますから無理です。
やはり、諸費用くらいの自己資金は現金で貯めなければならないようです。
一億円の物件なら700~800万円ほど必要ですね。
まとめ
先輩大家や収益物件専門の売買仲介業者の話を聞くと、あと一、二年は融資の締まった状態は続くだろうとのことです。
当分は、昨年までのような融資ジャブジャブの時代は来ないと思ったほうが良さそうです。
取引先地方銀行の融資担当者も「今は、40年ほど付き合いのある上得意の不動産投資家でさえ融資が引けない」と言っていました。
つまり、購入希望者の属性(法人なら決算書の内容)が良く、自己資金がある程度有ることは最低限の条件として必須項目で、その上で対象物件が築浅(=残耐用年数が多い=返済年数を長く取れる)で立地の良い、適正な価格の物件でないと融資を引けないということです。
さらに、値段交渉して”安く仕入れる”ことができたら、不動産投資家としては成功ですね。
年明け一月には、手持ち物件を一つ手放すので、来年は一件でもいいので”優良な”物件をゲットすることを目標にしたいと思います。
関連記事「誰の意見を聞くかではなく、誰の意見も参考程度」
終わり
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