「オール電化」のアパートやマンションはオーナー泣かせ!!

決済の翌日に気になる物件アリ!

先月下旬に六つ目の物件を買えたばかりですが、その決済翌日にネットのポータルサイトに気になる物件が売りに出ていました。

築22年の重量鉄骨造。表面利回り10パーセント。現況、満室。

2L D K×8戸、1K×4戸、計12戸。他に倉庫×1戸を11000円にて貸し出し中。

それと、屋根には5年前に現オーナーが太陽光発電システムを載せています。98枚。

1kWhあたり36円で、あと15年、地元の大手電力会社が買い取ってくれます。

ひと月平均に均(なら)すと78000円なので、これから15年は1Kが2戸、余分にくっ付いているようなものです。

立地は岡山市内ではまずまず賃貸需要がある場所。学区も悪くない。

路線価もここ8年ほど47000円/平方メートルで安定しています。

1階が駐車場になっていて、15台分あります。アスファルト舗装済み。

接道は西と南の二方で、土地形状はほぼ正方形。

スポンサーリンク

金融機関の内部基準にも合致する

この案件の売買仲介業者は、成約に至ったことはありませんが、以前から問い合わせさせて頂いている方ですから、電話してすぐにメールでPDF化した資料を送ってもらいました。

下水道に接続済み。敷地内の駐車場は15台中、空きは3台のみ。

共用部電気代10000円以外のオーナー支出は、年一回の貯水槽清掃費用66000円くらいです。

ここまでのスペックを見ると、まさに私の理想とする中古アパートです。

前回決済の二三日後にどうかと思ったのですが、資料一式に融資依頼書も添えて△△信用組合の担当者に話を持っていきました。

拒否することなく、席を外して調べてくれて、すぐに戻ってきました。

「融資基準に適合しますねえ・・・。ただ、少し高いような気がしますが」

“適合する”というのは、「9500万円ほどの売値そのままでもフルローンが可能」という意味です。

金利は暫定で2.1パーセント。融資期間は23年。

例によって、諸費用(500万円超)は自分で用意すること。

土地と建物の積算評価があるのと、立地がある程度良いからでしょう。

しかし、融資が出るからと言って、売り出し価格で買うつもりは毛頭ありません。

値段交渉の成り行き次第で、融資をお願いするかもしれない旨を伝えて、その場はお開きにしました。

気になる一点、アリ!!

売買仲介業者に電話でヒアリングしました。

まず、売主は今回、なぜこの物件を売るのか?

収益物件をいくつか持っている個人で、「資産整理」との回答でした。

相続で手放したい等ではないので、大幅な指値は難しそうです。

大規模修繕工事は22年間やってなさそうだったので、その見積もりを取って、その分をディスカウントしてもらう作戦でいくことにします。

懇意にしている工務店に事情を説明して見積もり依頼しました。

結構な規模なので、回答には一週間ほどかかるとのこと。

今まで買ったことのない金額のアパートなので、値段が高い以外は非の打ちどころのない感じの収益物件に思えるのですが、一点、気になる点があります。

この物件は、各戸の玄関横のユーティリティ・スペースに300リットルの電気温水器を備え付けている「オール電化」物件なのです。(冒頭画像を参照してください。1Kの部屋は200リットル用。)

物件オーナーにとって「オール電化」のメリット、ある?

以前、長女の地方大学受験に付き添った時に、物件探しもついでにしましたが、その時に初めて「オール電化」の賃貸アパートを目(ま)の当たりにしました。

その時は、ガス料金を気にしなくていいし、安全面でも良いかなと思いました。家賃も、オール電化ではない物件と変わりません。

ところが、今回は所有する「オーナー」側の立場ですから、気持ちが複雑です。

ガス会社の無償提供が受けられない

まず、もっとも気になるのが「プロパンガス会社からの”設備無償提供の恩恵”に預かることができない」です。

給湯器はもちろん、エアコン、台所のシングルレバー混合水栓、風呂のサーモカラン、テレビドアホン、温水洗浄便座などの無償提供や、修理・交換などのサービスが受けられず、すべてオーナー持ち出しになります。

全設備の修理や更新費用が「持ち出し」

次に、”電気温水器の修理や交換”のリスクが付いて回ります。

物件備え付けの電気温水器を見て回ると、12台のうち半数ほどはここ二、三年で更新されていました。

売買仲介業者に過去の更新履歴を調べてもらったところ、一台あたり40~50万円(税込)はするようです。(古い電気温水器の撤去・処分費、設置工事費込みの金額です。)

以上の二点だけで、「オール電化賃貸アパートの運用が困難を極める」ことは容易に想像がつきます。

仲の良い、不動産業者や水道業者などに「オール電化」の賃貸物件について聞いてみたところ、やり方はいくつかあるとのこと。

まずは、やはり「オール電化」をやめて、「プロパンガス方式」に切り替えるということ。

そのためには、ガスボンベ庫の新規設置や外部ガス配管の引き回しなど、結構な工事となります。

また、物件によっては「切り替え自体が不可能なケース」もあるので、プロパンガス会社に現地を見てもらう必要があります。

次に、プロパンガスへの切り替えが不可能であった場合は、「オール電化」状態はキープしつつ、電気温水器を”電力会社の「リース契約」にする”というやり方です。

戸あたり数千円の、月々のリース料は必要ですが修理・交換等のメンテナンスをすべて電力会社が請け負ってくれるので、オーナー持ち出しは格段に安く済みます。

ただし、この場合はエアコンその他の設備はオーナー負担で対応が必要です。

三つ目は、現行通り、リース契約もせず、すべてオーナー負担で行うというもの。

お金が有り余って困っている不動産投資家ならば上記二番目、三番目の選択肢もあるかもしれませんが、結構、シビアな運営をしている私からすれば一番目以外の選択肢は有り得ません。

早速、懇意にしているプロパンガス会社に事情を説明して現地を見てもらいました。

二日後に、現地視察の結果報告の電話が掛かってきました。

結論は、「工事自体は可能だが工事費用が結構、膨大(数百万円規模)なので、給湯器以外の設備無償提供が一切できない」ということでした。

もう一社、別のプロパンガス会社にも見積もってもらいましたが、同じ回答でした。

買ってはいけない!!!

現時点で、工務店による大規模修繕工事の見積もりは出てきていませんが、「この案件には、弊社は乗ってはいけない」という結論が導き出されました。

「融資が付くから買っても良い」のではありません。

「買った後、リスクがより少ない状態で運営が可能かどうか」が購入の判断基準になります。

現在、将棋界で快進撃を続ける藤井聡太 七段(17才)も、ただ闇雲(やみくも)に攻めてはいません。

守るべきタイミングでは、しっかりと守っています。

「オール電化」物件でなければ良かったのだが、と言っても仕方がありません。

現在の持ち主が、この物件を今回売りに出した本当の理由が、なんとなくわかったような気がします。

入居者付けにはそれほど苦労しないけれども、アパートに備え付けの設備対応に金銭的、精神的に疲弊していた可能性があるのではないでしょうか。

そして、なかなか良さそうな物件だからと飛びついたら、新しいオーナーはより古くなっている建物や設備類に、一層苦しめられることになりそうです。

まとめ

まだ小規模な収益物件オーナー(不動産投資家)にとって、”「オール電化」の賃貸物件を所有するメリットは皆無である”と言ってよいでしょう。

太陽光発電にしろ、エレベーターにしろ、エコキュートや電気温水器にしろ、大きめの設備を備えた物件は、それだけ”故障および修理箇所が多い”ということに他なりません。

良さそうな物件がなかなか売りに出てこない時世なので、仕入れをしたい投資家はこのような物件が出てきたら、つい手を挙げてしまいます。

今回も、私の前に「8500万円」や「8800万円」で指値してきた先客が居たそうですが、売主様は却下したそうです。

今の売りにくい御時世で、「8800万円の御客さん」を逃したのは失敗だったかもしれませんね。

終わり

スポンサーリンク














コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください