5.迷惑をかけたり、かけられたり

不動産業界は未知の世界

二物件で回しながら三物件目を取得すべくネット検索や不動産屋さんへの問い合わせも継続していました。

とにかくスタートダッシュが良かったのでこの勢いで融資が引けるのであればガンガン買い進めていきたい一心で活動していました。

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ネットのポータルサイトなどで気になる物件(私の場合は利回り12%以上の一棟もの中古アパート)があれば問い合わせすると同時に法務局へ行って土地と建物の登記簿謄本を取得します。

問い合わせ先の不動産屋さんによっては翌日や翌々日にメールで送ってくれたりしますが大体、レスポンスが遅いです。

ポータルサイトのブログ記事や書籍でもたまに目にすることですが、私が不動産業界に関わりだして一番初めに感じたのが、この”レスポンスの遅さ”です。

私は今まで、大小の工業系製造業サラリーマンを経験してきたわけですが業界による違いなのか、年代による違いなのか、その他の要因があるのかわかりませんが、とにかく対応の遅い人が多いと感じます。

私でも電話やメールに出られないこともあります。

そんな場合でもその日のうち、夜遅い場合などは翌朝には折り返し連絡します。

ところが不動産会社によっては3日経っても折り返しがないこともあります。

よくこれで商売が成り立っているなあ、と不思議に思います。

“報告、連絡、相談”などの対応の遅さが気になる方は要注意です。

話を戻します。

そんな感じなので気になる土地と建物の情報をいち早く欲しい私は、千円や二千円かかってもそれらの謄本や公図は自分で法務局に出向いて取得するようにしています。

その物件を無事に取得できた場合は金融機関への提出資料としてそのまま使えますし、買えなかった場合は無駄になるのですが、法人で買い進めている私は”物件調査費”として経費で落とせます。

そうこうしていると2017年夏、2D K×6戸 軽量鉄骨造の築30年弱の物件が2000万円で売りに出されているのをポータルサイトで見つけました。

前日に掲載されたようです。

2年目にして、はや3棟目をゲットか?!

岡山市内ではなく郊外なので、そこがネックでしたが草むしりしていた近隣住民に探りをいれると、怪しいところは無さそうです。

満室です。下水道ではありません。浄化槽です。

地形は”旗竿(はたざお)地”で今ひとつです。

駐車場は6台分以上あります。

外壁と屋根を近年、塗装したようで外観はテカテカ光っています。

洗濯機を外の共用廊下に置いて使うタイプのアパートです。

居室は和室が2部屋のようです。

退去が発生した後に洋室にリノベーションする必要があるかもしれません。

“軽量鉄骨造”は華奢な感じがしてあまり好きではありません。

重量鉄骨はガッシリして良いですが、軽量鉄骨なら私は木造のほうが好きです。

早速問い合わせたところ、引き合いはあるものの買い付けはまだ入ってないとのこと。

指し値は受け付けないとのこと。一応、買付証明書を書きますということになり、その足で仲介不動産屋さんの事務所に行きました。

資料らしきものは、まだほとんど入手できていないとのことで概要書と簡単な図面をもらって帰りました。

帰宅して、さっそく収支計算のシミュレーションです。

エクセル他パソコンソフトを使って実施すると懸案事項はあるものの、まあ何とか回せる物件であろうことを確認し、数日後それら必要資料を持参して金融機関に融資の申し込みをしました。

シミュレーションはエクセル任せ

ここで一点、お断りしておきますが私は”数字”が得意ではありません。

一応、理系の学校を出ていますが自分では”文系の人間”だと思っています。

ですので、投資用語の”利回り”とか”シミュレーション”は苦手な分野です。

ピンピンと跳ねるようには計算ができません。

シミュレーションは書籍の付録に付いていたエクセルソフトや先輩大家さんから頂いたオリジナルのエクセルソフト、自分なりに書籍の内容から作った支出とローン返済と各種指標の絡みを見るためのエクセルソフトの三種類を使っているだけです。

つまり私の場合は”マイクロソフトエクセルがなければ不動産投資ができない”ということになります。

売主側がまさかのドタキャン!!

金融機関(この時は日本政策金融公庫)が融資検討している間に驚くべき情報が仲介不動産屋から入ってきました。

なんと対象物件の売主が”3000万円以下では売らない”と言いだしたとのこと!!

「えっ!? なんですって?」

思わず聞きなおしました。

2000万円でも高いと思っていた物件です。

残念ですが、縁が無かったと諦めることにしました。

買付証明書を提出して、融資審査も開始されているのにこんなことがあるのかと”怒り”よりも”呆(あき)れ”のほうが強かったのですが、売主にもいろんな人がいるということなのでしょう。

私は買うのをやめたことがある

実はそういう私も買主側として、仲介不動産屋さんに迷惑をかけたことが二回あります。

皆さん大体お分かりの通り、収益物件の購入は早い者勝ちです。

(ここ二、三年は仲介業者によっては、買付証明書を入れた順番よりも”満額を現金買いできる、後から参入してきた買主”が買えたりするケースもあったようですが。)

ですから、ち密にシミュレーションしたり誰かに相談したりする前に内見したその場で買付証明書を書いて提出することが多々あります。

というか、私の場合はほとんどがそうです。

ところが、”やっぱり買うのをやめときます”と言って取り下げたことが二回だけあります。

融資が通らなかった時の為の”融資特約”でもなく、いわゆる”ドタキャン”です。

一回は温厚な仲介業者さんで”そうですか、いいですよ。またご縁があればその時はよろしくお願いいたします”と快く応じて下さったのですが、もう一回の時の業者さんはかなりムッとしていましたね。

たぶん、その担当者さんはもう二度と私と取り引きしてくれないと思います。

ドタキャンしてまで断る理由は下記の三つです。

1.同業の知人に”あの物件買うつもりだけどどう?”と聞いたら”あれは悪いこと言わんからやめといたほうがいい。理由は……”と言われ、その理由が納得できたからキャンセル。

2.物件の目の前に墓地があった。満室だったので、客付けはできるのだなと思って買い付けを入れたが、レントロールをよく調べると近隣相場より妙に家賃が安く属性の悪い低所得者ばかりが入っていた。

大規模修繕(屋根、外壁)を1年前に実施したばかりでキレイだったのと”満室”というところに目が奪われ”買いたい病”にかかっていたのでした。

3.買い付けを入れた夜、妻に状況を話すと「墓地が目の前にある物件なんか買わないで!」と激しく怒られました。

言われてみればその通りです。

妻は私の不動産賃貸事業にはノータッチ・エースを決め込んでいますが、融資を受ける際に連帯保証人になってくれたりしているので一応、意見を聞いたり報告したりはしているのです。

この時は本当に助かりました。

不動産投資家に必要な要素と資質

高い買い物ですから、気をつけないといけません。

このように不動産投資家には、行動や判断のスピードが大事、注意深さや繊細さも大事、勝負強さ、度胸、胆力(たんりょく)も大事です。

このあたりは個人の性分(しょうぶん)やそれまでの仕事での経験や体験が生きてくるのだと思います。

あとは、よく言われることですが目の前に現れた時に素早く捕捉できるよう常にアンテナを張って虎視眈々と獲物(良い物件)を狙っていることですね。

ちなみに、私の四物件目はこれでゲットできました。

本当に運が良かったのです。

こうして色々と書いていると”不動産投資は大変そうだな”と思われるかもしれませんが、大変な時期や事柄を切り抜けると本当に毎月家賃収入が自分の口座に振り込まれる仕組みを作ることができます。

“苦労”のあとには”ご褒美”が、本当に待っているのです。

つづく

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