久しぶりに反応した物件
昨年のクリスマス(と言っても、ほんの十日ほど前)に、なにげなく収益不動産のポータルサイトを見ていると、ひとつの物件情報に目が留まりました。
・重量鉄骨造、築26年
・1K×9戸(風呂・トイレ別、室内洗濯機置き場)
・1Fが駐車場で、2~4Fが住居
・JRの駅は近くに無いが、主要道路やバイパスのランプが近く、車での移動は便利
・岡山市の中では、そこそこ土地の価値がある場所
その物件は住所を見てすぐにイメージできました。と言いますのも、岡山バイパスのすぐ近くなので、近年、外壁塗装をしてキレイにしていたのを見知っていた物件だったからです。
売り出し価格は4600万円と、若干高めに感じましたが、表面利回りが10.8パーセントで現況満室とのことなので、とりあえず資料を取り寄せてみることにしました。
いつものように問い合わせ
お世話になります。早速ですが、本物件の購入を検討したいので下記資料を御送付頂きたくよろしくお願いいたします。
・概要書
・レントロール
・課税証明書
・図面類
・登記簿謄本(土地と建物)
ポータルサイトから前夜に、上記の問い合わせコメントを送信しておき、営業時間と曜日を確認して、翌朝一番に売買仲介業者(以下R社)に電話しました。
ナカシマ「お世話になります。昨夜、ポータルサイトの○○から問い合わせさせてもらいました、ナカシマと申します。本物件について二、三伺いたいことがあるのですが」
受付嬢「少々、お待ちください」
担当者を呼びに行ったようです。数十秒で男性スタッフが電話に出ました。
男性スタッフ「はい」
ナカシマ「ポータルサイトからの問い合わせは見て頂けましたでしょうか?」
男性スタッフ「まず、現地を見てきて」
えっ!?
電話での問い合わせで、いきなり「現地を見ろ」とか、こんなにぶっきらぼうに言われたことはありません。若干、狼狽しましたが、努めて冷静に返答しました。
ナカシマ「よく通る道路沿いにある物件ですし、前から気になっていたので現地は何度も見ています」
男性スタッフ「あっそう。じゃあ資料、送っときます」
そう言って、ガチャっと切られました。
いくつか聞きたいこともあったので言いかけたのですが、相手が切るほうが早かったです(苦笑)。
いつもこのような対応なのか、たまたま虫の居所が悪かったのか、はたまた、過去に何度も検討すると言っては肩透かしを食らって嫌気が差していたのかわかりませんが、いずれにしても”客商売”をしているとは思えない対応です。
ありえない反応1
このままメールで資料を送って来なければ、そのまま立ち消えになってもいいと思っていましたが、その日の昼前にメールが来ました。
ナカシマ様
お問合せを頂きました案件の資料をお送り致します。
ご検討の程どうぞ宜しくお願い致します。
短い本文と不完全な資料。登記簿謄本と課税証明書がありません。
通常、このような場合、「不足している資料は早急に準備してお送りいたします」等の文面が記載されているものですが、それもありません。電話での補足説明もありません。
しかたがないので、登記簿謄本は自分の足で、地番を法務局で調べてから「登記情報提供サービス」のサイトで取得しました。(家屋番号では取得できない。また、このサイトで取得すれば法務局の約半額で済む)
法務局に行く前に物件に立ち寄り、写真を撮ったり、外壁の状況を見たり、その他いろいろと調査しました。
なお、課税証明書(最新年度の固定資産税通知書でも可)は、もう少し話が進んでからでも構いません。金融機関への融資打診時に必要なものです。
ありえない反応2
そして、帰宅してからR社の男性スタッフあてにメールを打ちました。
R社 ○○様
お世話になります。本件について下記、教えてください。
1.今回、売主様が売りに出した理由
2.ペット可物件のようですが、すでに動物を飼っている部屋があれば教えてください。
3.本日も現地を見に行ったところ、301号室が空室のようでしたがレントロールが正しいですか?
4.大規模修繕工事を実施した年月。また、屋根も塗ったのかどうか。
以上、よろしくお願いいたします。
ナカシマ
これに対する、返答メールが翌朝、届きました。
ナカシマ様
ご質問は承りました。
物件を買受ける為の原資は?自己資金か調達先(ファイナンス)などの目途などを教えて頂けるでしょうか。
なんと、こちらの質問に対する回答が無いどころか、逆質問してきました。
この業者は相手に出来ないと思い、下記のお断りメールを送りました。値段もさることながら、いくつか不具合点もあったので、こんな対応なら買う気は失(う)せます。
R社 ○○様
お世話になります。
検討した結果、本件は下記理由により見合わせます。
1.各戸用水道メーターが無い
2.貯水タンクおよび給水ポンプの維持修繕費が掛かる
3.外部駐車場借り上げ費用が掛かる
4.ペット可にしないと入居が決まらない
5.売り出し価格が高すぎる(利回りが悪い)
お手数をおかけしました。
ナカシマ
このメールを送ったあとは、なにも音沙汰がありません。
今後、どこで何があるかわからないので、業者に対する意見等は書きませんでした。
まとめ
今回のことは、私がこの業界で約5年やってきて初めての体験だったのですが、もしこれが開始早々に起こっていたら、おそらく不動産投資を始めることはできていなかったような気がします。
それくらい、インパクトのある応対模様でした。ちなみに、R社は岡山県の業者ではありません。
そう考えると、やはり、各人が持っている”運”や”タイミング”というものはあるような気がします。
5年の実務経験により度胸が付き、知識が付き、業界の風情(ふぜい)もわかっていたからこそ、「ああ、こんな業者もあるんだな」と軽く流すことができました。
投資を始めた頃に、こんなことが起きたら「なんて怖い業界なんだ!」と尻込みしていたことでしょう。
さて、本日新たに気になる物件をネット上で見つけたので、さっそく現地調査から開始しようと思います!
終わり
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