心強い支店長
内見が終わってから、倉敷まで帰る仲介業者をJR岡山駅まで送りました。
その後、通帳記入のために△△信用組合の岡山支店へ。支店長、担当者が居て、応接室に通されしばし雑談。支店長はがっしりした体格で、太く低い声で豪快にしゃべるので「豪快・豪傑」という言葉がピッタリ!私より年下なのにタメ口でしゃべることがあるけどイヤミは無いです。
「ナカシマさん、いやあ、良い物件でしたね!」
「支店長もお忙しいところ、わざわざ来てくれてありがとうございました!」
「物件も良いけど、仲介さんから聞いてビックリしたよ!売主さんのこと、オレ知ってるよ」
「ホントですか?!」
「娘さんが小中学校の同級生だよ」
これまたスゴイ偶然!仲介業者も売主と同じ倉敷市西方だし、私も小中学校時代は倉敷市で過ごしました。売主、買主、売買仲介業者、金融機関の支店長、四者が皆、同郷なのです!縁を感じます。
「ナカシマさん。あの売主さんなら間違いないですよ。オレ近所で、昔からよく知ってるから」
「そうなんですか!それは心強い!!」
「それにしてもスゴイ物件を見つけましたね。ナカシマさんは、ああいう大きい物件にいく(取り組む)イメージ無かったけどねえ・・・」
「私も、まさかこんなに早くああいう物件に出会えるとは思っていませんでしたよ」
「買うんですよね?」
「ぜひ、買いたいと思います!!」
「わかった!役員会で熱弁をふるうよ!!」
「よろしくお願いします!」
あとになって聞いたのですが、支店長は私が内見時にヘルメットをかぶって屋上に上がる姿を見て「ああ、この人は本気なんだな」と思ったそうです。私にとってはごく普通の行動なのですが、もしかすると内見時にそこまでする人は少ないのでしょうか。
相談したのは二名のみ
ここまで、すべて私一人で情報収集→判断→決断→実行、という流れで来ているように見受けられると思います。基本的に私は”一匹狼”的な不動産投資家なので、今までのような小ぶりな物件を買う時は、ごく初期の頃を除いてほとんど他者に相談することはありませんでした。が、今回は自分にとって初めてのケタ違いの巨大プロジェクトなので、収益物件に関して的確な助言をいただける、信頼できる二名に意見を求めています。要するに、「突き進むのか?転進するべきか?」の判断です。(自分の中では99%「突き進む」で決まっていましたが)
まず一人目は、「もし融資が付くなら、これは買うべき案件」と即答。「あの立地なら出口戦略もまったく不安はない。価値が上がることはあっても下がることはない。また、賃貸需要も鉄壁。融資条件2%、35年ローンなら利回り6.5%で十分回せる」とのこと。
もう一人は慎重な意見でした。「6億という金額が大きすぎる。ナカシマさんが、この6年間で築いてきたものが一瞬で吹き飛んでしまう恐れがあります」とのこと。それはわかるのですが、逆に言えば、この一世一代のチャンスを見過ごして、言葉は悪いが今まで通りチマチマと小ぶりな物件を買って回していくのか?という話です。私もそんなに若くありません。今年の12月で58才になります。スタートが遅かっただけに残された人生はそんなに多くはないのです(金融機関は、法人名義で買うから35年ローンを組ませてくれるのでしょう)。私はこの二人とは信頼関係が出来ていると思っているので、お互いにいつも歯に衣着せぬ物言いをします。
もう一人いました
妻は私の不動産賃貸経営に直接はタッチしていないですが、夕食時などに近況を簡単に報告することはあります。
「今度、○○アパートの○○○号室が空室になっちゃうんだ」
「あら、それは残念ねえ」とか、
「□□アパートの空室、□□□号室に入居申し込みが入ったよ!!」
「良かったわね!」といった感じです。
妻はアパマン経営に特に興味は無いのですが、始めた当初から融資の連帯保証人になってくれたり(現在は、彼女が連帯保証人だった物件はすべて売却・精算済み)、家のお金を私の法人に短期貸付けたりすることに対して何も言わないなど、陰に陽に協力してくれています。
今回、そんな妻に怒られました。融資も付くことがほぼ確定し、私も買えることを喜んではいたのですが、やはり6億超という負債を抱えることにはどうしても不安がよぎるのでした。
ある夜、夕食時にふと弱音を吐きました。
「もし、南海トラフ地震が起こったらAマンションはひとたまりもないだろうなあ・・・」
すると普段は温厚な妻が声を荒げました。
「南海トラフなんか起こったらAマンションだけじゃなく他のマンションもみんな潰れるでしょ! そんなにクヨクヨ言うんなら買いなさんな!!」と。
これには返す言葉がありませんでした。
買おうとしている本人がしっかりしていないと、周囲の人間に不安を抱かせてしまうんだなと反省した次第です。
以上、三人の意見を聞いたうえで、今回はやはり思い切って買うことにしました。
不動産投資界隈でよく言われる、「万一失敗しても、誰かに命を取られるわけではない」の気持ちを持って、清水(きよみず)の舞台から飛び降りるつもりでこのプロジェクトを進めることにしたのでした。
つづく
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