なんとか売れました!
売り時到来ということで、思い入れのある初期取得三物件を売却しようと決めたのが2021年10月。持ち続けて、将来的に更地(さらち)にして売り抜けるか、もしくはアパートを建て直すのも一つの手ではありますが、私はいくばくかのキャピタルゲインを得て、それを元手に新しい物件を仕入れる道を選択しました。
売りに出した三物件の中で一番キャピタルゲインを期待できるのは、最初に3150万円で買った10戸の木造二階建てアパートです。郊外の立地ですが、学生と社会人両方の需要がそこそこあり、ほぼ満室経営が出来ていた物件です。最初の物件ということで愛着もひとしおですが嫁に出すことにしました。
3300万円(満室利回り:11.9%、空室一戸)と強気の値付けをしていたのですが、融資が厳しい情勢にもかかわらず問い合わせは多かったです。そして、11月に最初の買付が入りました。法人で、初めての収益物件とのことでしたが、本業で実績を残してきている法人なので融資も大丈夫だろうと仲介業者。しかし、金融機関担当者のビッグマウスもあったようで融資付けに苦戦します。
そうこうしていると、12月に入ってから二番手の買い付けが別の仲介業者から入りました。なんと、こちらは3300万円を現金一括で支払うとのこと!!なんでも戸建ての収益物件はいくつか持っているものの「一棟もの」は初めての個人投資家なのですが、キレイに手入れされている対象物件を見て一目ぼれしたそうです。ありがたい話です。
ところが一番手のほうもなんとかして買いたいようで、仲介業者がもう少しだけ待ってくださいと懇願してきました。そこで「あと一週間だけ待ちましょう」と期限を切りました。
そしてついに期限までに融資が付かず(投入できる自己資金で金融機関と折り合いがつかなかった)一番手が諦めました。こうして、12月下旬に仲介業者の店頭で二番手の方と売買契約を締結しました。決済日は年が明けて1/24に設定されました。ちなみに、この物件の保有期間収支は冒頭のアイキャッチ画像のとおりです。1200万円ほどのプラスで、現金としては手元に約600万円が残りました。一棟目の築古木造アパートとしては優秀な成績だと思います。
決済は欠席した
年が明けて決済日が近付いてきました。売買契約時にお会いした際、誠実そうな買主さんだったので決済も順調に終わるだろうと思っていたのと、二つめ、三つめの物件の売却活動もしていたため決済の席には同席しない旨を仲介業者や金融機関に伝えていました。以前から収益物件の決済や売契では買主、売主双方が同席することのほうが少なかったですが、コロナ禍になってからは余計に拍車が掛かったような気がします。契約書は仲介業者が持ちまわってサインをもらい、決済は当事者それぞれが着金確認して電話で連絡を取り合えば済みますからね。
そんなわけで2022年1月24日月曜日は自宅でいつものように起きて、朝食を摂り、飼い犬の散歩をして・・・、とルーチンをこなしていました。9時になると収益物件のポータルサイト検索。健美家、楽待、アットホーム・・・。あいかわらず、岡山では良さそうな物件はありません。この日は、たまにしか見ないローカルなポータルサイトも見てみることにしました。「公益社団法人 岡山県宅地建物取引業協会」と「一般社団法人 岡山県不動産協会」が運営している「住まいる岡山」というサイトで、岡山県内の不動産情報が紹介されています。近県の広島県福山市や香川県の物件も少しですが載っています。たいていは先ほど挙げたメジャーなサイトに載っている物件がダブって載っているだけなのですが、たまにレアな物件が載っていることがあるのです。
なんじゃ、これは!!
そして、まさにその日がレアな日でした!「Aマンション」が掲載されていたのです!!
売り出し価格はなんと「6億円」!!!満室ですが、利回りは6.45%。
不動産投資を始めてから丸5年が経過していたとは言え”まだまだRC造の高層賃貸マンションなんか持てる身分ではない”と思っていましたし、ましてや「6億円」なんて融資してもらえるはずがないと思い、その掲載ページを一旦は読み飛ばしました。でも、気になってしかたありません。
その物件のある場所は、岡山市民なら誰でも知っているような街中(まちなか)。JR岡山駅から徒歩18分ほどです。官公庁や医大付属病院がある、いわゆる”高属性”のエリア。資産性も賃貸需要も間違いないことは誰の目にも明らかです。私は居ても立っても居られなくなり、仲介業者に電話しました。呼び出し音が10回鳴っても出てくれません。12回目くらいでやっと出てくれて話が出来ました。(あとで知りましたが、携帯電話に転送するために呼び出しが長いとのこと。短気な人なら待てないでしょうね)
「お世話になります。早速ですが、この物件って、すごく良くないですか?」
「良いですよ。」
「ですよね!築10年と新しいですし。売主様は、なぜこの物件を売るのですか?」
聞けば、売主夫妻は御高齢で娘三人が跡を継ぐ気がないので今のうちに現金化したいとのこと。
私の大好きな「相続イヤ!物件」です。ただし、築古のアパートなら安く買うことができますが、このような好条件の物件は事情が変わります。収益物件の売買情勢が売り時というのもあるのか、若干強気な値付けと感じました。
買い付け一番手ゲット!!
「この物件情報は、いつから掲載されているのですか?」
「昨日登録したから、公開されたのは今朝からだと思います」
「反響が多いのではないですか?」
「多いですねえ」
「買付証明書はもう、いくつか入ってるのですか?」
「いや、買い付けはまだ来ていません」
これはイクしかない!
「この電話のあと、買い付けをファックスで入れさせて頂きますのでよろしくお願いします!」
そう言って電話を切りました。
手持ちの一般的な買付証明書のひな型A4用紙を取り出して必要事項をボールペンで記入します。末尾の「その他条件」の欄には「融資特約あり」とだけ記しました。
最後に残った、買い付け金額の欄。
一瞬、5億5000万円と書こうとしました。
が、これは値切ってはいけない案件だ!と直感して「六億円」「手付金五百万円」「決済金:五億九千五百万円」と書き、仲介業者にすぐファックスしました。
直後たしかに届いたか、確認の電話も入れて、晴れて買付一番手になりました。その後のやり取りの中で、私がファックスした後に6人ほど買付が入ったそうです。あまりの反響の多さに、その日の午前中にこの物件の掲載はサイトから取り下げられました。まさに、「激動の1月24日(月)午前中」でした。
運をつかむのも実力のうち
私の座右の銘「運をつかむのも実力のうち」を地で行く日になりました。その後の展開で買えるかどうかはわかりませんが、買い付け一番手になれなければ何も始まりません。また、買付証明書に満額の「6億円」と記載したのも良かった。二番手以降も皆、満額回答とのことでしたから。
指値をしていたら落選していました。まずは第一関門突破です。
売却物件の決済も無事に滞りなく終わったのですが、この衝撃的な「Aマンション」の突然の登場により、そちらのほうは上の空です。結果的にAマンションはとても良い物件で、買うこともできたわけですが、ゴールまでにはさまざまなことが起こりました。
つづく
コメントを残す