売買での特殊な例
大家業でのお金にまつわる話、パート2です。
先日、私の(法人の)所有物件の売却が完了したのですが、”完全に、無事に終わった”とは言い難い結果となっています。
・売主、買主の日割り計算による清算も終わり、司法書士事務所による抵当権抹消登記、所有権移転登記も行われました。
・売買仲介業者に、売主側、買主側双方から手数料も支払われました。
では、何が不完全なのでしょうか?
滞納が発生した!
売買対象物件の一室で、家賃の滞納が発生したのです。
「当初の予定では年12月末に決済予定でしたが、訳あって年を越しての1月に延期となったので、延期がなければ万事オーケーだった」と言っても始まりません。
決済の日割り計算書は、入ってくるであろう家賃収入の合計額をもとに計算しています。
安アパートなので、一部屋の家賃額(共益費と水道代込み)が21000円と安いですが、それでも計算が狂います。
発覚したのは毎月中旬に管理会社の担当者がメールで前もって送ってくれる月次清算書を見たことによります。
それにしても、初めての売却で、こんなことになったので気が動転してしまいました。
このアパートは失踪事件もあったので、最後の最後で、また「泣き寝入り」の文字がちらつきました。
管理会社に確認の電話
仲介業者や買主の問題ではないだろうと思い、管理会社の担当者に電話しましたが、あいにく休みで、清算書に印があった事務担当者に事情を説明しました。
ナカシマ「このようなケースで、御社が立替払いしてもらうことなどは可能でしょうか?」
事務担当者「私では判断付きかねますので、わかる者に代わります」
そして登場したのが、この会社のスタッフの中では、ソリが合わない中間管理職のN氏。
N氏「弊社は誰に対しても立替払いはやりません。1月分の家賃収入はまるまるナカシマさんに入るから、問題ないんじゃないですか?」
ナカシマ「”まるまる”になっていないから、こうして電話してるんじゃないですか!」
こんな感じで双方、例によってバトル気味の電話になったのですが、よくよく話を聞いていると、後日、滞納者から入金があると21000円をナカシマの口座に振り込んでくれるとのこと。
はじめからそう言ってくれれば、余分な熱量を発散させずに済んだのに・・・。
前科アリ!
この滞納者は以前にも一度、滞納がありました。
四か月ごとにまとめて支払うタイプの入居者で、管理会社が毎月に分割して私のほうに入金してくれているのです。
以前の滞納の時は、管理会社への振り込みを単に入居者が失念していただけで、翌月に二か月分が入金されました。
今回も同様に、すぐ四か月分を入居者が管理会社に入金してくれれば、事なきを得ますが万一、入金がずっと無ければ「泣き寝入り」になる可能性はあります。
もう一つ、「泣き寝入りかも」事案
実はもう一つ、別件で”泣き寝入り”っぽい事案を抱えています。
昨年11月末に退去した男子学生。
親の事業失敗かなにかで滞納が始まり、お母さんのパート収入と奨学金でなんとか粘って私立大学に通っていたものの、半年滞納で家賃保証会社が裁判案件にしてしまい、実質”強制退去”となったのです。
家賃保証会社を使った入居は、大家としては滞納リスク防止になるのですが、管理会社から「現在、こういった状況です」という報告でもない限り、そんなひどい状態になっていると気づかない点がデメリットです。
数千戸の管理を数人でまかなう管理会社も、いちいちそんな報告してきませんしね。
そして、その家賃保証会社は半年分の滞納家賃と、二か月分の原状回復工事費用は看(み)てくれますが、短期解約違約金までは看てくれません。
二年未満での退去なので、この部屋の一か月分家賃26000円の違約金が「未回収」になる可能性”大”です。
まとめ
このように、大家業というのは、何かにつけて「泣き寝入り」となる場面が襲ってくるので、決して「不労所得」とは言えないのです。
むしろ、どちらかと言えば精神的にも、肉体的にも「”有”労所得」です。
ですから、不動産投資(中でも、不動産賃貸事業寄りの)をしたい、これから始めようと思っている人は、「自分は本当に”不動産が好き”なのか?」を、ぜひ今一度、自問自答してみてください。
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終わり
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