ひとつ、「インターネット無料」の物件にしてみることにします。

一つ目の物件の改革

今から、およそ四年前。

サラリーマン(=勤め人)に限界を感じて、不動産賃貸業の世界に飛び込んだきっかけになった”一つ目の物件”。

現在、築30年の木造アパート。

木造ならば、いわゆる”築古(ちくふる)”の部類に十分、足を踏み入れていますが、躯体自体はしっかりしていますし、立地も極端に悪いわけではありませんから、まだまだ稼いでほしい物件です。

しかし、近隣には新築アパートも毎年のように建ち、競争力が衰えているのは否めません。

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“騙し騙し”も限界か?

購入する前年に、外壁と屋根を塗っているのも魅力だったのですが、三度塗りをしていなかったのか、はたまた塗料の質が悪すぎたのかわかりませんが、去年あたりから塗装の劣化が気になり始めました。

私の見立てでは、おそらく二~三年の内に大規模修繕工事を実施しないといけないレベルになってきていると感じています。

それに加えて、下記のジレンマ事項があります。

・温水洗浄便座を設置するためには、電源コンセントを新設する必要あり。

・学生のみならず、単身社会人でも退去リスクは付きまとい、その後の入居者付けに苦労する。

・広告料は「三か月分」が当たり前。

・「家電サービスキャンペーン」や、「一か月フリーレント」などのキャンペーンも必要。

インターネットは嫌いなのだが

これからも頑張ってほしい物件だけに、なにか付加価値を付けたいと思って、私が出した結論が”「インターネット無料」物件化”です。

私個人は、過去の記事にも書いてありますが、「インターネット」の過剰な普及には反対なのです。

関連記事「携帯端末

しかし、そんな悠長(ゆうちょう)なことは言っていられない御時世です。

なにか”魅力ある付加価値”が付いていないと、その物件を選んで「入居」してくれないのです。

インターネット無料に適しているかも

意を決して、当該物件の管理会社担当者に、相談してみました。

ナカシマ「お世話になります。実は、御社に管理を委託している○○アパートの魅力向上のためにインターネット無料化をしたいと考えています。もし、御社が懇意にしている業者さんがあれば見積もりを取っていただければと思います。こちらはケーブルテレビで一社、付き合いがあるので”そこ”との相見積もりになりますが」

担当者「了解しました。見積もりを取って連絡します」

その電話のあと、ケーブルテレビ会社の担当者に連絡して見積もり依頼しました。

ケーブルテレビ会社は「インターネット」がメインではなく、あくまでもケーブルテレビの視聴を提供するのがメインで、”その付帯設備として「インターネット」も比較的、高品質で提供できますよ”というスタンスです。

空室の案内に立ち会って見積もりを出してもらうことにしました。

その翌日、管理会社の担当者から一社、見積もりが出てきたとのこと。

早いです!

しかもその会社は、なんと私が三つ目の物件を買うときに仲介してくれた業者のグループ会社でした!管理会社からメールで送られてきた見積書の社名の下の住所をグーグルマップで見てわかったのです。世間、狭いです!

そして、その見積もりが結構安い!!

何と言ってもオーナーとして気になるのは、月々のランニングコスト(=固定費)です。

この物件は10戸前ですから通常、一戸あたり1500~2000円掛かるので、月あたりの維持管理費が15000~20000円は掛かることになります。

ところが、この会社さんは11330円(消費税込み)でよいとのこと!

ちなみに、一律”500円/戸”ではないそうです。

10戸だから、この単価なのであって、一棟あたり最低でも4000円は欲しいそうです。つまり、4戸前のアパートなら、1000円/戸ということになります。

初期工事費用は税込みで、33万円ですが、既存のLANケーブルが居室壁まで通じている場合は一戸あたり、25000円減額になるとのこと。

この物件は、旧レオパレスの物件なので、25年ほど前に「レオ・ネット」というインターネット・サービスを展開しており、その頃の元機器のステンレス製の大きな自立式ボックスや各戸へのLANケーブルが残されていて、使えるものは使って頂けるとのこと。

その説明を管理会社の担当者から聞いて、私の気持ちはほぼこの業者に決まりました。

迅速な調査と、その結果報告、見積もり作業の速さと、既存の資源を有効活用してくれるところが気に入りました。

管理会社がもう一社、見積もってくれていましたが、そこは対象エリアがまだカバーできていないとのことでした。

そして、残る一社、私が見積もり依頼していたケーブルテレビ会社。

先の見積もり回答の内容を伝えると、とても太刀打ちできないとのことで白旗が上がり、決定です。

効果のほどはわからないが・・・

現在、このアパートは3戸空き、7戸入居中です。

入居してくれている7戸の中にはすでに、各個人でインターネットを引いて契約を交わしている方もいるかもしれませんし、「ポケットWi-Fi(ワイ・ファイ)」を持っているかもしれません。

あるいは、”インターネットはいいから、温水洗浄便座を付けてほしい”と思う入居者様もいらっしゃるかもしれません。

しかし、そこは”オーナー側と入居者側の、思惑のせめぎ合い”の部分です。

本来ならば、”既存入居者7名の希望を聞いて、「インターネット無料」の希望者が多ければ導入する”という決断を下すべきところかもしれませんが、私は今後の入退去が多いことと、単身者物件であることを見据えて、先走って契約することにしました。

Maxで約33万円かかる、初期工事費用を法人のキャッシュで払えるのも即断できた理由の一つです。

まとめ

実は後日談がありまして、直後に”この判断”が奏功した出来事がありました。

そのことについては過日、記事にさせていただきます。

関連記事「一瞬の差が明暗を分ける

終わり

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