目 次
悩ましい問題
以前は当たり前のように地震保険を付保(ふほ)していなかったオーナーの中にも、昨今の地震の多さに「やはり加入するべきか?」と悩まれる方もいらっしゃると思います。
事例:私の所有物件の場合
水災オプションのみ、付けないこともありましたがすべての物件で付けることにしました。
理由は下記によります。
・岡山でも夏場の「ゲリラ豪雨」が増えている
・近年の川の氾濫具合がひどい。岡山は河川が多い上、低地も多い。
・生命・医療・ガンの保険は一切加入しない代わりに損害保険(自動車・火災)を手厚くする”方針”である。
一例として、私の木造スレート葺き二階建て4戸アパートの、火災保険の内訳を記します。
「基本保険料」32000円
新価・実損払(評価済)、保険金額:2000万円
・火災、落雷、破裂・爆発
・風采、ひょう災、雪災
・外部からの物体の落下・飛来、水ぬれ、騒じょう、盗難
・破損・汚損等、上記以外の不測かつ突発的な事故
・施設賠償責任特約:保険金額1億円、自己負担額ゼロ円。
最後の「施設賠償責任特約」は、対象物件が原因で他人にケガを負わせたり、他人の物を壊したりした結果、法律上の損害賠償責任を負担した場合に適用されます。
収益物件オーナーは、ぜひとも付けておくべきオプションです。
「水災」8300円
・台風、暴風雨、豪雨等による洪水、融雪洪水、高潮、土砂崩れ、落石等による水災
岡山県は地震は少ない兼ですが、近年は水害が多いです。
「地震」10300円
・地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失によって保険の対象に損害が生じた場合に、損害の程度に応じて支払われる。
損害の程度は全損、大半損、小半損、一部損の4段階で、それぞれ保険金額の「半額」の100%、60%、30%、5%。
注意しないといけないのは、「全損」でも保険金額の「半額」しか支払われません。
例えばこの事例の保険は2000万円の保険金額の火災保険ですが、地震で保険対象の建物が「全損」でも1000万円しか支払われません。
このことが、地震保険に加入しないオーナーが多い原因の一つとも考えられます。
「津波」は地震保険
そして勘違いされやすいのが「津波」による被害です。

地震で発生する津波による災害は「水災」ではありません。「地震保険」の範ちゅうです。地震保険を付保していないと補償されません。
私は「付保」します
結局、私は基本プランに加えて水災オプションと地震保険を付保しますので、フルオプションで火災保険に加入しています。
この木造アパートの場合ですと、50600円(年払)です。
他の物件も年間保険料は、4~5万円程度に納まっています。
この中に占める地震保険の保険料は約2割。たしかに高いですね!
ここで付保するかどうかの判断材料のひとつになるのが、物件を「現金買いしている」のか「融資で購入している」のかです。
現金買いの場合は不要
現金で購入している方は、地震で建物が全壊しても更地にして売るなり貸すなりすることが可能です。
一方、融資で購入している方は残債務の「返済義務」が残ります。地震保険で支払われた金額では足らないかもしれません。
ここでどう考えるかが、各オーナーによりけりの部分なのですが、私は足らないにしても何らかの”足(た)し”になるほうを選びます。
これがなければ、地震後、建物のがれきが積み上がった焼け野原に、生き残った場合の自分が途方にくれるからです。自分に残されるのが「残債務」だけになるからです。
あとは、融資してくれている金融機関に「危機管理をしています」アピールですね。地震保険を付保していないよりは印象が良いと思います。
特に私の中でのメインバンクである某信用組合は、融資対象建物の火災保険証券を必ず「質権設定」しますからね。
まとめ
以上、私の「地震保険」に関する考えを述べさせていただきました。
火災保険に加入しないと、「地震保険」単独では加入できません。そして、不動産賃貸事業における「火災保険」の重要性については以前の記事に書きました。
いろんな情報を収集して、最終的には各オーナーが判断して実行するだけです。これらの記事が、その一助になればと思います。
私の場合は、やはり「損害保険以外の保険は無視!」と徹底している部分が大きく判断に影響しています。
「収益物件を所有していること」を「生命保険の代わり」と考えており、そのことを家族にも説明して、了解してもらっています。
「団信」はどうしてる?(おまけ)
ちなみに融資時に選択できる「団体信用生命保険(団信)」にも一切、入っておりません。
「生命保険」という名の”お守り札”は「投資行動」には邪魔です!
現在、所有している5物件は木造と鉄骨造の小ぶりなアパートばかりなので、RCなど大きな物件のオーナーには参考にならないかもしれません。
私もこの先RC造の大型マンションなどを取得できることがあれば、地震保険を付保するかどうかはわかりません。
懇意にしている代理店と相談しながら、その時の状況で判断することになるでしょう。
終わり
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