目 次
リフォームといっても色々あります。
不動産賃貸事業にリフォームは付き物です。
一口に”リフォーム”と言っても多岐にわたります。
・退去に伴う”原状回復工事”。
・壁が崩れ落ちたので大工、左官など”中規模修繕工事”。
・約10年周期で行う、屋根と外壁、共用部の”大規模修繕工事”。
(実際には10年周期で行うオーナー様は意外に少ないです。30年以上、なにもしないオーナー様もいらっしゃいます。このような物件は、空室が多くてボロいところから通称”ガラボロ物件”と呼ばれます。)
・和式トイレを洋式に更新する、追い炊き機能付ユニットバスに入れ替えるなど物件価値を向上させ家賃アップまで狙ういわゆる”リノベーション工事”。
私はどちらかと言えばリフォームに過剰にお金をかけてしまうほうなのですが、不動産賃貸事業を経営している”経営者”という観点から言えばよくありません。
自宅なら自分の気に入るようにお金を掛ければよいですが、”収益をあげる”という使命と目的がある限り、経営者は経費削減に努めなければなりません。
私の”リフォーム姿勢”
はじめに、必須項目を挙げておきます。
まず、改正消防法で2006年6月から設置が義務付けられたのと入居者を守る意味で、「家庭用火災警報器」が付いていない部屋には必ず購入して取り付けるようにしています。
ホームセンターで2000~3000円で売っていてプラスドライバーがあれば簡単に取り付けできます。
ではここから、例によって”私の場合”のリフォーム項目を紹介していきたいと思います。
まず”照明”。
共用部、居室、問わず必ずLEDのタイプに更新します。
理由は下記です。
・単純に”明るい”。
・寿命が長いので交換する手間が省ける。
・共用部は”球切れを起こしてしばらく放置”ということがなくなる。
・白熱電球や蛍光灯に比べて虫が寄り付きにくい。
・安くなってきた。
行きつけのホームセンターでは6畳用調光機能付LEDシーリング照明が税込み4千円で買えます。
昔は、居室の照明は入居者持参が普通だったようですが今は単身者向けなら備え付けてあるのが普通です。
1LDKと2DKの間取りを”夫婦用”とか”ファミリー物件”と呼ぶ人もいるようですが、通常は2LDK以上を”ファミリー物件”と呼ぶようです。
ですから、私の所有物件(1K、1LDK、2DK)では照明器具を入居者が持参する必要はありません。
キッチンやトイレ、風呂、脱衣所、洗面台などすべて白熱電球からLED電球に替えています。
二個入り商品だと、なお安く買えます。
次に”壁紙”。
クロスと言ったほうがわかりやすいですね。
セルフリフォームを得意とするオーナー様の中にはクロス張り替えをご自身でされる方がいらっしゃるようですが、私は”プロに任せる派”です。
物件内外の塗装と合わせて、私の苦手分野です。
まれに裏にノリがあらかじめ付いている壁紙で、自分でやったりすることがありますがいつもドキドキものです。
数千円がパーになるかもしれませんからね。
クロスではないですが、15cmくらいの巾で裏に接着剤が付いていてビニール素材のかわいい模様や絵柄が描かれた”ボーダーシート”というものが丈夫で貼りやすいので気に入っていてよく使います。
(本記事のアイキャッチ画像にも見えています。)
壁やキッチン扉などで汚れ、キズが少し目立つ場合にオシャレに見えるように貼ります。
網戸など
網戸もよく張り替えますが、本音を言えば”やりたくない”です。
道具や材料は百円均一ショップで安く手に入るし、できることはできるのですが、仕上がり具合はお世辞にも上手とは言えません。
必ず、”しわ”が寄ります。
“破れているよりはマシ”というレベルです。
しかし業者に頼むと一枚あたり4000~5000円は掛かるので、今のところ自分でしています。
あと業者もやりたがらないです。面倒くさい割に稼げないから。
電気系と水回り
セルフ作業でよくあるのが、電気系と水回りの配管系です。
これらは工業系のサラリーマンを長くやっていた私の得意分野です。
バイクに乗っていたので工具もひととおり持っています。
電気系
電気系では壁のスイッチ、コンセントの交換がポピュラーです。
“前入居者の気配を消す”ことが原状回復工事の基本ですから、汚れの度合いによって交換します。
物件によっては照明の引っ掛けシーリングの取り付け、ブレーカー端子部分の増し締め、エアコン用ブレーカーの新設などを行うこともあります。
電圧を確認する”テスター”は必需品です。
水回り
水回りも比較的簡単なことは自分でやることが多いです。
ポピュラーなのは、トイレのロータンクへの給水配管更新。
経年劣化で漏れが発生した時ホームセンターでジャバラタイプの配管材を買って交換します。
あとは、キッチンや風呂の2バルブ混合栓の水と湯のツマミ部の更新。
これもスイッチ、コンセントと同じ理由で、汚れ具合に応じて交換します。
少し値段が張るのですが、内見していただいた時の印象が全然違います。
水道吐出口やナットもそうですが、”光っているべきところがキレイに光っている”ことが空室を埋めるための大前提です。
風呂の鏡がくすんでいて掃除で取りきれない場合も新品と交換です。
7千円くらいです。
風呂場で言えば湯船のゴム栓や、シャワーも劣化具合によっては新品に交換します。
水回りの部品や商品は、意外に値段が高いのですが早く入居者付けをして家賃収入を得たいのなら、ここは投資と割り切って粛々と投資するべきです。
成果は必ずあります。
逆にこれらのリフォームで手を抜くと、お客様は正直で何カ月も空室のままになります。
その空室の期間中に部屋の掃除にいくと、蜘蛛が巣を張り虫の死骸が落ちていたりします。
こうならないためにも、次の”優良”入居者を早くつかむために掛かる費用とのバランスを考えながら、できることは極力やるのです。
苦労のあとに・・・
手弁当で毎日物件に通ってセルフリフォーム、あるいは工務店に頼んで大工仕事してもらう、その時は飲み物の差し入れもする・・・。
満室になってしばらくすると、これらの日々が懐かしく思い出されます。
優良入居者で満室になると、言葉は少々悪いですがまさに”自動運転”の日々となります。
セルフリフォームや、さまざまな経験を積んでいけば管理会社から急に退去連絡があっても動じません。
「久しぶりに体を動かす日々がやってくるなあ」とむしろ楽しみなくらいです。
自分の裁量で”どこまでお金を掛けるか”とか”こんなことをしたら申し込みが入るかなあ”とか知恵を絞り、また管理会社に相談するなどして悩み、苦労して、リフォームが比較的安価に済んだ部屋に優良入居者が入ってくれた時は喜びもひとしおです。
大規模修繕についての所見
あと外壁と屋根の防水塗装などの”大規模修繕”ですが、長期保有でインカムゲイン狙いのオーナー様は特に重要なリフォームです。
小さな一棟アパートでも150~200万円はみておかないといけません。
そのために毎月のキャッシュフローの中からできる範囲の積立貯金をすることも一案です。
私は金融機関に協力する意味合いも兼ねてこれをやっています。
中古収益物件を探す際に私が気をつけていることのひとつに”大規模修繕が最近なされた物件である”というものがあります。
購入直後に大金が入(い)り用になるのは困るからです。
もし、どうしてもその物件が欲しくて購入直後に大規模修繕する必要がある場合は、見積もった修繕工事費用の分を仲介業者通して指し値交渉(減額交渉)します。
それが受け入れられなかった場合、もしくは金額が折り合わなかった場合は
対象物件の購入を断念します。
「損をする買い物は絶対にしないこと!!」
これが不動産投資(=不動産賃貸事業)の”鉄則”です。
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