勘違い

繁忙期、到来!

2月と言えば収益物件オーナーにとっては「退去」があるかもしれないイヤな月です。

大学を卒業して地元に就職が決まった、単身赴任が解除されるので地元に戻るなどなど。

逆に、入居される方も多いということですから不動産業界では2月~3月の二カ月間を特に「繁忙期(はんぼうき)」と呼びます。

管理会社と物件オーナーにとってはこの繁忙期に、いかに優良入居者で空室を埋めることができるか、というのが一大関心ごとになります。

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実際、私の所有物件でも4件、退去連絡が管理会社からありました。

42戸中の4戸が空くのでまだなんとか入居率は90%を超えていますが、やはり「退去」「空室」という言葉を聞くのはうれしくありません。

早期に埋める努力を、管理会社と二人三脚でやっていくだけです。

そんな「二人三脚」のプレーヤーであり、大事なパートナーと仲たがいすることもあります。

「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」程度ならいいのですが、まれにかなり感情むき出しになり、大事に至りそうな喧嘩もあります。

つい最近それが起こりましたので参考までに記事にしたいと思います。

月次(げつじ)報告書

月次”精算”書と呼ぶ管理会社さんもありますが、要するに「月ごとの家賃収入明細書」です。

当該月の家賃収入と支出関連費の差し引きした額を指定の金融機関の口座に指定の日に振込みます、という報告書です。

ざっと目を通して、電卓も叩いてみたりして特におかしなところがなければ入金日に通帳記入します。

振り込まれた額が正しければ無事にその月の管理会社との金銭の授受は終わります。

満室であれば毎月同じような金額になるのでそうそう問題になることはないのですが、入退去があったときは注意が必要です。

空室対策費

空室がある場合は、まず新しい入居者を受け入れるために当該部屋を綺麗に原状回復工事およびルームクリーニングをする必要があります。

と同時に(というか、それ以前に)管理会社さんはオーナーとその部屋の募集条件(家賃、共益費、駐車場代など)を決めて募集活動も開始します。

その際に「言った」「いや、言ってない」というふうにならないためにメールまたはファックスで証拠を残しておくことが大事です。

ところが今回、文言に不備があってオーナーである私と管理会社との間で激しい軋轢(あつれき)が生じたのです。

広告料とは

岡山以外でもそうだと思いますが通常、賃貸仲介業者に支払う「広告料」は家賃(募集賃料)の2か月分が基本です。

「広告料」というのは近年できた言葉だそうで、賃貸仲介業者は法律上「仲介手数料」なるものを新入居者からしかもらえないのでオーナーからもらう手数料を「広告料」などと適当な名称を付け始めたそうです。

昔は入居者からオーナーが頂く「礼金」(通常、家賃1カ月分)をそのまま入居者付け手間賃として仲介業者に渡していたので、オーナー自身の持ち出しは無かったのです。

ところが近年、賃借側(入居者)と賃貸側(オーナー)の需給関係が逆転したことによって礼金はゼロ円にしないといけない場合もあり、一方で入居者付け手間賃は2カ月分以上出さないと優良入居者を早く付けていただけない、という状況になってきました。

場合によってはオーナーの持ち出しが家賃三カ月分以上になるケースも出てきました。

「そんなに出せるか!」というオーナーの物件は空室期間が長くなるだけです。

自分で客付けできるオーナー以外は、管理会社や賃貸仲介業者の協力なしでは不動産投資の最大のリスクである「空室」を解消するのは至難(しなん)の業(わざ)です。

それくらいオーナーと仲介業者の立場は変化してきています。

満室にはなったけど・・・

さて今回私の所有物件の内、4戸中3戸空室のある物件に管理会社が賃貸仲介業者を使って満室にしてくれました。

立地の割には少し強気の38000円に設定していて、1月中に反応が悪ければ2月から1000円下げようと思っていた物件です。

年末に3戸とも決まったので正直、ちょっと気味悪かったです。

目ん玉飛び出たーーー!!

そして今月の月次報告書に、空室対策費として3戸それぞれ2か月分ずつ計上されています。

「ふむふむ、それで。”礼金”の欄は・・・」

なんと、すべて“ゼロ円”です!!!

「あれっ、礼金1カ月分を広告料2か月分に含むからオーナー負担は1カ月分のはずだけどなあ」

担当者との募集条件のやり取りメールにも礼金1カ月、広告料2カ月と明記してあります。

礼金欄の記入漏れかと思い、管理会社の担当者に電話すると「礼金は賃貸仲介業者に渡しました」とのこと。

ナカシマ「じゃあ、広告料は2か月分じゃなく1カ月分にしてくれないとつじつまが合わないですよね」

担当者「えっ?今回の空室対策費は3カ月分じゃないんですか?」

ナカシマ「???」

つまり私がメールに書いた「礼金1カ月、広告料2カ月」を”足して”3カ月分だと思ったというのです。

振り返ると、この管理業者との1年半の付き合いの中で”礼金ゼロ”ではない初めての案件です。このことも災いしたのでしょう。

「今回ナカシマオーナーは早く空室を埋めたいから奮発して1戸あたり76000円も広告料を出してくれるぞ」と解釈したそうです。

「広告料2か月分」のあとに、「内訳は礼金1カ月、オーナー負担1カ月」と書いておけばこのような齟齬(そご)は生まれなかったのですが後(あと)の祭りです。(現在募集中の空室3部屋の募集条件を内訳方式に書き直して速攻でメール再送したのは言うまでもありません。)

今にして思えば一気に3戸も年末に決まったのも、3カ月分(114000円)という高額な広告料で仲介賃貸業者が張りきってくれたのでしょう。

ゲキド!!でも自分も悪い

それにしても、38000×3戸=114000円と思っていた広告料が76000×3戸=228000円(オーナー負担)に跳ね上がったわけですから、頭に血がのぼってしまいました。

入居者付けは得意なのですが、以前からちょくちょく金銭的なミスもありこういうことがあると、つい声が大きくなってしまいます。

アイキャッチ画像にあるように、管理会社の管理委託契約書には「空室対策費=礼金相当額+1カ月賃料相当額」と書いてあります。

管理会社は、この中の”1カ月賃料相当額”のところが”広告料”だと思うようです。

ここが物件の立地などによっては2か月分になったり、3カ月分になったりするわけです。

まとめ

今回の事案は内訳を書いておけば防げたトラブルだったと思います。

「今回の空室対策費は、礼金○カ月分+オーナー負担△カ月分で合計□カ月分」という計算式をメールなりファックスに明記するのが得策です。

地方都市では、どうしても狭い業界ですから悪い噂はすぐに拡散してしまいます。

“あのオーナーは厄介だぞ”とうわさが流れるとロクなことになりませんし、管理会社を切り替えるにもペナルティを多額に支払わなければならないので「こっちの伝え方が悪かった」と言って謝罪しました。

間違いを指摘する際にも”さじ加減”が必要になります。

できれば無用なトラブルは起こしたくないです。

“不動産関連業者とは喧嘩しないほうがいい”と先輩大家からも助言を受けます。

今回は114000円と高い勉強代になりましたが「早期に3戸も埋まったし、一時金だし、よしとしよう!!」と、むりやり前向きに気持ちを切り替えているところです。

みなさんも金銭的なことは面倒がらずに「書面に残す、それも双方が勘違いしようのない書き方で!!」を徹底してくださいね(大量の涙)。

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