やはり無謀だった!
先日の記事「今の御時世で、大幅な指値(さしね)をする方法とは?」で書いた、RC(鉄筋コンクリート)造の12戸前、エレベーター無しマンションタイプ・アパートメント。
買付証明書に記入していた契約期日が五日後に迫ってきたので一昨日、仲介業者の担当者に電話しました。
あらためて買付証明書を書くのか、もしくは今回の取引を白紙に戻すのか。
土曜日は売主と話ができるので確認して報告しますとのことでした。
そして、翌日の土曜日。朝九時半に担当者から電話アリ。
売主様は、一億三千万円以下では売らないとのことです。利回り7.5パーセント。
私は、買付証明書には九千五百万円で記入していましたが、一億円までなら譲歩できると担当者に伝えていました。利回り9.78パーセント。
まだ両者に三千万円の開きがあるので、今回の話は一旦、流れることになりました。
担当者「私の力不足です。申し訳ございません。頂いた買付証明書は郵便で返送しましょうか?」
ナカシマ「いいえ。そちらでシュレッダーにかけてください」
担当者「かしこまりました」
ナカシマ「今回は破談になりましたが、これも何かの御縁だと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします」
担当者「こちらこそ、よろしくお願いします」
売買取引が破談しても、大抵、こういう終わり方です。
検証
高い買い物ですし、「売主はできるだけ高く売りたい」、「買主はできるだけ安く買いたい」のせめぎ合いを業者が仲介するのが不動産売買です。
何らかの事情やタイミングでスムーズに売買成立する場合もありますし、今回のように破談する場合もあります。
今回の売主は、亡くなった親からの相続案件ですし、受け継いだ子が不動産賃貸経営に興味が無いから売りに出していたということで、買主側に勝算があるかなと思っていましたが、見事に撃沈してしまいました(苦笑)。
立地が比較的良い、RC造でまだ築22年、廊下のある2LDKファミリータイプ、エレベーター無し、下水道に接続済み、五年前に外壁周りの大規模修繕工事を実施済み、ゴミステーションが敷地内に設けられておりゴミの回収は自治体、家賃額もほぼ底まで落ちて落ち着いている、など売主が強気に出られる要素が満載です。
ツッコミどころと言えば、「駐車場が各戸一台分しかない」のと「滞納気味の所帯が一世帯ある」点くらい。
ですが、不動産投資家としては、月々のキャッシュフローや出口戦略を考慮しないといけませんし、タイル剥がれや貯水タンク、汲み上げポンプの故障など突発的な事故・故障にも備えなければなりません。それらを勘案して出した買い取り希望価格が九千五百万円だったのです。
決して、面白半分で提示した金額ではありません。
その他、考えたこと
今年に入って早々、手持ちの12戸鉄骨造アパートを売却したので、それを補填したかったのと、他の四つの所有アパートも今期で減価償却が終わるので新たに物件を仕込みたかった、しかし築古の木造や鉄骨造では融資が付かないので、比較的築浅のRC物件の本件はドンピシャの物件だったのです。そういう経緯から、私の中でかなり”買いたいバイアス”が掛かっていたのも事実です。
一方で、費用面での不安もありました。
RC物件の建物の固定資産税・都市計画税にも目ん玉が飛び出ました。なんと年間75万円です!
土地の固都税も合わせると、年間83万円!!
そして、購入時の諸費用と購入後四か月後に請求される不動産取得税を合わせると八百万円弱。
金融機関は、土地と建物はフルローン出してくれますが、諸費用までは出してくれません。
取得税は四か月後ですから、それまでのキャッシュフローを貯めたりするとしても六百万円ほどは工面しないといけません。これが、現状の私の法人および家計からの貸付で賄えるかというとかなり厳しいものがあります。
“背伸び”している感が否めません。
冷静に考える必要がある
家計から自身の法人に貸し付けるには、妻をはじめ家族にも心配を掛けます。自分一人の問題ではありません。
また、著名大家さんがブログ等で書いているとおり「”一億円の物件を買って年間キャッシュフローが三百万円”なのと、”ボロ戸建て十棟を一千万円で仕入れてキャッシュフロー三百万円”なのとどっちがいい?」というようなことも考えないといけません。
まとめ
投資スタイルには、投資家それぞれの人柄やカラーが反映されるような気がします。
私は戸建てにどうも及び腰なのですが、今回の破談をきっかけに一度、戸建て投資にも挑戦してみようかなとも考えています。
終わり
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