目 次
役員報酬額は慎重に決めるべし!
不動産投資を法人で始めた私は、一年目と二年目の自身の役員報酬(給料)を顧問税理士事務所担当者と相談して、16万円に設定しました。
今にして思えば、この設定額は高すぎます。
収益物件のこまごました出費が意外にあり、毎月収支トントンの経営を強いられてきました。
もう少し、事前に勉強を深めていればこのような報酬額設定はできなかったはずです。
あとになって先輩大家さんから
「はじめのうちは役員報酬をほとんど取れないつもりで経営したほうがいい」
と聞いたりもしたのですが、家族にいいところを見せたい気持ちもあったのでしょう、当時の身の丈を超えた額を自分の会社から毎月頂いていました。
自分の給料を払うために自分から借りる?!
毎月、源泉所得税として3340円を給料の中から銀行窓口で納めていました。(年末調整すると、15000円くらいの還付金が発生したので翌年の前半は相殺するため源泉徴収は不要でした。)
そうするとどのような現象が起こると思いますか?
収益物件の入退去が重なったりして、修繕費や広告料などが不足する、あるいは物件を追加購入するため自己資金が必要等々、現金が必要になることがあると、自分の家計(貯金)から法人に無利子で貸し付けるのです。
仕訳用語では「短期借入金」と言います。これが、100万円、200万円と増えていき、丸二年経った頃には600万円弱になりました。
私が設立した法人は、こんなに社長の家計から借りてまでして、社長に毎月16万円の給料を支払っていたのです。
まさに「本末転倒」を絵に描いたような事例です。
この600万円は法人から我が家の家計に返してもらうお金ですが、キャッシュフローで潤沢になって、余剰資金ができないと返ってきません。
見栄を張ってる場合じゃない!
こんな経営をしていた私は、3年目に突入する前に顧問税理士事務所の担当者に相談して、所得税のかからない報酬額に設定し直すことにしました。もう、見栄を張っている場合ではありません。
税理士の助言を参考にして今までの半額、「8万円」にすることにしました。
本記事冒頭のアイキャッチ画像にあるように、88000円未満は所得税が”ゼロ円”なのです。
役員報酬の変更は期首にできます。
税務署に提出するための、会社内での決議議事録が必要ですが、それも税理士事務所の担当者が作ってくれました。頼りになります。
ちなみに、顧問料は毎月17000円ほどです。
(会計ソフトレンタル料の1080円を含む)
会社が儲かってくると、もう少し取られますが今は駆け出しということで割引価格にしてくれています。
”不動産投資”は割に合わない?
ここで我が家の家計を大まかに御紹介します。
収入は看護師の妻が稼ぎ頭で30~33万円(手取り額)、私が8万円(手取り額)で合計38~41万円です。
支出が家族4人で私立高校に通う長女と中学生の二女がいますのでそれなりに教育費や食費も掛かり、およそ40~42万円。
少し赤字体質です。今まで以上に外食や間食を減らしたり、手弁当で出掛けて昼食代を浮かすなどの工夫も必要です。(よろしければ下記記事も参照願います。)
ここまで見てこられた読者様は、
「法人での不動産投資って全然、割に合わないじゃん!」
と思われるかもしれませんが、様々なカラクリが潜んでいるので紹介していきます。
いいえ、やり方次第で割に合います。
まず、現在の私の家計と法人の状態が条件です。
・配偶者の属性が高い。わかりやすく言えば”高給取り”。
・ある程度の棟数を買い進めて3年ほど経ち軌道に乗り満室経営できている。
・自宅兼法人の本社事務所である。
・社長の車は、ほぼ100%仕事(不動産賃貸事業関連)で使う。
・家のパソコン、インターネット関連機器、プリンターもほぼ仕事での使用。
・社長の携帯電話、タブレットもほぼ100%仕事での使用である。
スマートな方はここまで書いて気付かれたかもしれません。
そうです。
下記の費用はすべて法人での経費として会社のお金で賄(まかな)っています。
・社長の車関連費用(車検代、保険代、自動車税、ガソリン代、洗車代など)
・家の固定電話(=インターネット環境代)、社長のタブレット関連費用、社長の携帯電話(ガラホ)関連費用:通信費として毎月15000円ほど。
・プリンターインクは消耗品費(これも結構高い!)、パソコンは開業準備費12万円。
・あとは、日中仕事場として使っている時間と空間をプライベート部分と按分(あんぶん)して光熱水費を計上します。
どうですか?
以上で毎月に直すと、8~10万円は家計ではなく会社が賄ってくれることになります。
しかも、それがすべて経費ですから法人の所得を圧縮してくれて法人税の節税に貢献してくれるのです。
(ちなみに私の会社の法人税は毎年最低額の7万円です。)
現在の家計収支はトントンですが、4期目が始まるこの春からは法人メリットが目に見えてくるはずです。
このような節税策は、書籍やインターネット上にあふれているので読まれた方もいらっしゃると思いますが、実際に体験しないとこの”すごさ”は実感できないと思います。
こうして社長一人法人(プライベートカンパニーとも言う)のメリットを享受しながら、貸し付けた短期借入金600万円もいつの日か返してもらい、会社が大きくなればそれなりの役員報酬をもらい、相応の法人税を納めていけばよいと考えております。
パートナーの協力が必須!
ひとつ問題があるとすれば、奥さんが理解してくれるのかということです。
「旦那の給料がたったの8万円!?」と逆上するような奥様を説得するのは難しいかもしれません。
うちの場合は完全には理解してくれていないと思いますが、不動産賃貸事業を私が三年間一生懸命にやってきている姿を見ているのと、家事もそこそこやっている点、18年の結婚生活で信頼関係ができている点が奏功しているのではないかと思っております。
どんな事業でもそうだと思いますがパートナーの協力は必須ですし、すべてにおいて大前提です。
終わり
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