金融機関への「付き合い」・「協力」はほどほどに

損してまで付き合う必要が?

数名の不動産投資家さんのブログ記事を拝見していた中で、「えっ?これってマズくない?」と思う記事(著者さま、不躾にスミマセン、ネタにさせて頂きます)、「損するお付き合いなんです」があったので私見を述べさせて頂きます。

不動産投資を、金融機関から融資を受けてすでに実施していらっしゃる方は御経験済みのことと思いますが、決済を終えて月々の返済が始まるとまもなくして「社長、実は折り入って御協力をお願いしたいことが・・・」とか「これだけでもお付き合い願いませんか」とか、担当者から言われます。

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「協力」を頼まれるモノゴト

金融機関の担当者には、相当なノルマが課されているようで、特に地方銀行(その県の第一地銀、第二地銀など)は上層部から現場への負荷が大きいようです。

私自身は金融機関の詳しい内部事情は知る由(よし)もないのですが、飛び込みでお願いして融資してくれた、県外が本店の地方銀行担当者からは、2700万円一棟もの中古木造アパートの決済(=融資実行)を終えた直後から”御協力”要請が始まりました。

私が実際に受けた”協力要請項目”とは、下記に挙げるようなものです。

定期預金(個人名義および法人名義)

・積立預金(個人名義および法人名義)

・生命保険への加入

・ネットバンキングの利用開始

・クレジット機能付きなど、各種カードの作成

・火災保険を当行経由でお願い

・収益物件の敷地内への自動販売機の設置勧誘

・投資信託商品の購入の勧誘

まともに協力したのは火災保険だけ

これらの内、定期預金は融資するための条件でしたから飲みましたが、それ以外でまともに協力したのは、融資対象の収益物件の火災保険利用だけです。

その理由も、懇意にしている代理店と同条件で相見積もりを取ったところ、この銀行経由のほうが若干、安かったからです。もし高かったら突っぱねていました。

自動販売機の設置も「見積もりを当行経由で取らせて下さい!」というので、承諾して法人として依頼しましたがその後、この件の見積もり提示が無いまま、担当者はこの秋に他県へ異動してしまいました。

あと、ネットバンキング。これも「申し込みだけで、使わなくてもいいのでお願いします!」と涙目で訴えるので、「本当に申し込みだけでいいのですね?」と念押ししてから承諾しました。

ネットバンキングのカードは送られてきましたが、”利用開始手続きはしない”まま一年間、机の引き出しの中です。その間、銀行からも担当者からも何も言ってきません。本当に”申し込みだけ”で良かったようです。

法人のネットバンキング・サービスは、利用すると月々1100円(税込)を取られますからね。まったく”無駄な出費”です。

積立預金は法人では修繕費の積立として家賃収入の中から毎月二万円していますが、個人名義ではしていません。「余裕ができたらします」と言いました。

「生命保険」や「クレジット」などは、もはや言葉そのものを聞くのもイヤなくらい大嫌いなので、きっぱりと説明して断ります。

関連記事「生命保険・医療保険・ガン保険は本当に要らないのか?」、「組んでよいローンとは

投資信託も一度、トライして40万円ほど消えさせている苦い経験があるので、「株や投資信託は、今後やることは無いです」と言いました。

そうやって、ハッキリとこちらが置かれている状況や、考え方を説明すれば勧誘してこなくなります。「あまり、しつこく勧誘するとマズいかも」と相手も思うのかもしれません。

定期預金を解約させない

融資するための条件として、250万円の定期預金(社長個人名義)はすでにさせられていました。これは個人的な事情で必要になった時は、断りを入れれば自由に下ろせると思っていました。

ところが、車庫の改修工事その他に使うために100万円下ろしたいが良いか?と打診したところ「ダメです」と即答されました。これには、私もビックリしました。

自分の定期預金をなぜ下ろせないのか?じゃあ、いつになったら下ろして良いのか?など、質問しましたが、明確な答えはもらえず「ダメなものはダメなんです」の一点張り。

さすがに私も語気を強めて「100万円だけ下ろさせてよ!余裕ができたら、また定期預金するから!!」と言うと、しぶしぶ”許可”してくれました。

このことから、250万円の定期預金は”人質(ひとじち)”ならぬ”金質(かねじち)”であることが、お分かりいただけるかと思います。

この件で私は、銀行などの”金融機関との付き合い方”が少し、わかったような気がしました。

金融機関はあくまでビジネスパートナー

以上のことから、”金融機関とは対等の立場であり、単なるビジネスパートナーである”ことがお分かり頂けたと思います。

「多額の融資を実行してくれたこと」自体はたしかに”有り難いこと”なのですが、それも単にお互いがそれぞれの仕事をこなしたに過ぎません。

その後で受ける各種勧誘は、相手(銀行側)が”次の仕事”に着手しただけです。

「融資で無理を聞いてくれたから」とか「今回の融資では、担当者がよく頑張ってくれたから」などと恩に着ているかもしれませんが、だからと言って”自分の経営母体に損を発生させる意義”はどこにもありません。

「損して得(とく)取れ!」という場面なのかどうか、ここはしっかりと見極めて判断する必要があります。

それともう一つ、大事なこと!

カードにしろ、投資信託にしろ、生命保険にしろ、なんでも始めるのは簡単なのですが、”一旦、始めたら、取り止(や)めるにはものすごいエネルギーを必要とする”ということ。

詐欺事件などでもそうですが、”始めさせてしまえば、こっちのもの”なのです。

つまり、営業や勧誘をされた側は”いかに始めないか”を考えなければ、「”相手の思うツボ”になって損を被(こうむ)ることになり、誰にも文句を言えない”自己責任”という終着駅が待っている」というストーリーに乗せられるかもしれないことを重々、認識しておく必要があります。

まとめ

毎年の決算書の提出はもちろん、その他経営資料の提出依頼があれば迅速に行うなどの協力はビジネス上の信頼関係を築く上で当然必要なことです。

しかし、上に挙げたような赤字になるような金銭的なことを聞き入れないからと言って「あのオーナーは少ししか、当行に協力してくれない」とかいうような態度の金融機関なら、そこまでのお付き合いだったということにすればよいのです。

これからの金融機関は生き残りを賭けた厳しい戦いが、もうすでに始まっているのですから。

「協力」や「お付き合い」の多寡(たか)を気にして、必要以上に謙(へりくだ)るコトはありません。

ちなみに私の法人は今のところ、件(くだん)の地方銀行をはじめ計三行の金融機関とはビジネス上、良い関係を続けられていると自負しております。

我々、収益物件のオーナーは、「毎月、決められた日に、決められた金額を返済していれば、必要にして十分なことをしている」はずです。

終わり

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