目 次
先輩大家達からのアドバイス
先日の記事「これから不動産投資を始める人の素朴な疑問」の冒頭でも書きましたが、「悪徳業者に気を付けましょう」とか「投資は自己責任」とか、”注意喚起”系の記事が相変わらず多いですね。
間違いではないのですが、これから不動産投資を目指す初心者にとっては、もはや「食傷気味」を通り越して「辟易(へきえき)している」のではないでしょうか。
今回の記事では、私なりの他の方々とは違った切り口で、不動産投資を志(こころざ)す諸氏にエールを送りたいと思います。
不動産投資は一人でやるもの?!
本記事では”ペア”というのは、婚姻している、していないに関わらず一生の伴侶として生活していこうとしている二人を指します。
そして、婚姻しているペアに子供がいるケースを”家族”と呼ぶことにします。
結婚していようが、独身だろうが、世にあふれる書籍やブログ、セミナーの内容は「不動産投資を実行しようとしている当人のみ」に焦点が当てられています。
不動産投資家(=不動産賃貸事業者)になろうとする本人”のみ”が、投資するための種銭(たねせん)を貯め、優良な物件を血眼(ちまなこ)になって探し、売買仲介業者と交渉し、金融機関に融資を申し込み、売買契約や金消契約、決済を経て収益物件を得る。そして、これを本人が繰り返して、資産を築き上げていく・・・。
大まかに書くと、こうなります。
さらに先輩大家から、よくある指摘が「自宅は資産を築き上げて潤沢な利益を上げられるようになってから買えばよい。順番を間違えないように」というものです。これは合っていると思います。しかし、中にはこれに加えて「結婚も資産を築き上げてからすればよい」というものが見受けられます。これはどうでしょうか?
不動産投資は家族またはペアでやるほうが得策
自宅は不動産ですから、土地神話が崩れ去っている現代においては”負債”になる可能性があるので、投資のための自己資金(現金)が少しでも多く必要な初期のステージでは無用の長物です(既に持ち家を取得している方は、融資付けの時に担保に差し出せるので全くのムダではないです)が、”モノ”ではないパートナーは、私は「必要である」と考えます。
その理由は下記です。
・種銭(たねせん)は一人で貯めるよりも複数で協力して、ひとつの目標に向かうパートナーと貯めるほうが早い。
・不動産投資を始める前から、開始した後でも、パートナーは何かと心の支えになってくれる。(「大家仲間」とは意味合いが全然違います。これは実際に収益物件を取得できて、不動産賃貸事業経営を開始されたら痛いほどわかります。)
・金融機関から、収益物件取得のための融資を受ける際に、信用がまだ無い初心者投資家の場合、連帯保証人を必ず求められます。法人を立ち上げて、その法人で買い進める場合でも、はじめの二、三棟は社長以外に連帯保証人(=パートナー)が必要です。
・本気で、「ある程度の資産を、ある程度の期間で築く!」という“正しい野望”を抱いている投資家の卵なら、初めから”法人”を設立して、法人名義で買ったほうがなにかと良いです。その場合にも、重要な役割を果たすのが”パートナー”の存在です。
最後の項目についてもう少し詳しく書きます。
法人を設立して収益物件を買い進めるということの意義
なぜ、法人で買い進めることが得策なのか?これについて書いてみたいと思います。
まず、その前にパートナーそれぞれの役割を明確にする必要があります。
パートナーのうち、どちらかというと”勤め人”が得意なほうの人は、今まで通り”勤め人”を継続します。
いつまで?と問われると、「相方の不動産賃貸事業が軌道に乗って、二人もしくは家族全員が事業収入のみで暮らせるようになるまで」ということになります。
そして、”勤め人”がどちらかというと得意ではないほうの人が、法人(合同会社でよい)を設立して社長になります。こちらの方(かた)は、勤め人を継続してくれる相方を”できるだけ早く楽にさせてあげる”べく、不動産賃貸事業経営を軌道に乗せる努力をします。
夫婦や恋人のどちらが勤め人でもOKです。性別は関係ありません。
“勤め人”を継続する人の役割
・二人、もしくは家族の家計(生活費)を、自身が稼ぐ給料で賄う覚悟を決める。
・社会保険がしっかり担保されている正社員であることが必須条件。そして、子供や配偶者を扶養にする。(配偶者(=法人の社長)の給料(役員報酬)は所得税が掛からない”88000円未満”に抑える。将来、ガンガン稼げるようになったら、役員報酬の額を上げて所得税や社会保険料を納める。)
・相方が良い物件を見つけて、融資も受けられることになったら、内容をチェックし、問題ないと判断できた場合には迷わず「連帯保証人」になること。これができないと、相方の事業が前に進まない。ただし、相方との信頼関係が築けていることが大前提である。
設立した”法人”の社長になる人の役割
・法人の設立から始まって、収益物件の探索・検証、不動産業者の開拓・交渉、税理士・司法書士の開拓など、雑務を含めてあらゆる物事をすばやく吟味・決定・遂行していくこと。
特に法人で経営する場合は、経営上の助言を得る、あるいは複雑な決算処理などのため顧問税理士を雇うのは必須事項と言える。
・法人の本社事務所は、自宅の一室とする。その部屋に掛かる備品代、光熱水費(自宅分と按分)、駐車場改修費など、経費にできるものは、法人の経費にできる。
・できれば、”勤め人”を辞めて”専業大家”になることを私はお勧めする。「不退転の決意」になることと、平日昼間に身軽に動ける、家事をする時間も確保できる、などがその理由。
・買い進めるペースとしては、利回りがそこそこ良い一棟もののアパートを年に一棟ペース。できれば、年に二棟、ゲットできれば御の字。
単独で成功するには、かなりしんどい事業である
私の家の場合は、私が法人を経営していて、妻が勤め人で妻の給料で家計をほぼ賄っています。
そして、お互いに協力し合って早く楽に生活できるようになるために、お互いが日々頑張っています。
子供も二人いますが、我が家は四人とも”浪費家”ではないですし、私がやっている事業の内容も、スパンが長く必要なことも理解してくれているので、問題無く生活できています。
私が受けた融資の返済期間は20年が三物件、15年が二物件です。
来年で事業を開始してから5年目に入ります。20年融資の四分の一が来ますね。
早いものです。
ここまで、特に初期の頃は「本当にうまくいくのか?大失敗するんじゃないか?」とやきもきさせたであろう妻には、言葉で言い表せないくらい感謝しています。
私の事業経営の様子に慣れてきた今では、「それって、会社の経費で落とせるんじゃないの?」などとツッコんでくるようになっています(苦笑)。
いずれにしても物理的にも、精神的にもさまざまな事象を経験することになるので、パートナーなり家族なりの、「精神的支柱」は必須と感じます。
まとめ
以上、私なりの経験からアドバイスさせて頂きました。なお、今回の記事と関連する過去記事として下記を御紹介させて頂きます。記事の中でも紹介していますが”坂下仁”氏の本が、とても参考になります。
関連記事「参考図書の良し悪し」
最後に僭越ながら、先輩大家さんや有名大家さんの皆さんに御提案があります。
これから不動産投資を始めて、成功を目指す独身男女の大家の卵たちを支援する意味で、よく「重要な会議」と称される飲み会を「フィーリングカップル5対5」のような、そんなに堅苦しくない”お見合いの場”にするのはどうでしょうか?
比較的、年齢の近い、志を同じくする若い男女なら意気投合しやすく、良いカップルが出来る可能性が高いような気がするのですが。
めでたくカップルが誕生すれば、少子化に悩む日本社会にも貢献しますし。
私は大家仲間ではないですが、管理会社の若い担当者(男性)とカミさんが勤めている病院の若い女性看護師でお似合いのカップルになりそうな人がいるので、なんとかお見合いの場を設けようと腐心(ふしん)しています。
たとえ、話がうまくいかなかったとしても誰もそんなに悪い気はしないと思います。うまくいけば皆ハッピーですしね。ぜひ御一考いただければと思います。
終わり
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