国の言うことを真(ま)に受けると、不動産賃貸事業の経営は難しい

黒川問題が見せてくれたもの

賭けマージャンを、コロナウイルスによる国民皆自粛期間中に実施していたことを認め、依頼退職した黒川弘務(くろかわひろむ)元検事長。

二月七日の定年退官が間近だった黒川元検事長は、今年の一月末に、彼を傍に置いておきたい安倍内閣の閣議決定によって定年の延長が閣議決定されました。

これに野党をはじめ、芸能人、さらに検察OBまでも巻き込んで世論が反発。

そのため安倍総理大臣は、

検察官も含めた国家公務員の定年を段階的に引き上げる法案について、

「国民の理解なくして前に進めることはできない。社会的な状況は大変厳しく、法案を作った時と状況が違うという意見が自民党にもある」

と述べ、取り扱いを再検討する(五月二十二日 NHKニュース)

との考えを示しました。

この国家公務員定年延長問題と黒川元検事長の辞任問題は、政財界問題の類に漏れず、うやむやのままに国民の記憶から忘れ去られていくのでしょうけど、この問題が不動産賃貸経営をはじめ、日本の経営者に示したことは結構、大きいです。

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総理大臣が解釈を曲解した!!

曲解(きょっかい)とは、相手の言おうとする事に対し、自分の都合の良いように、わざと素直でない解釈をすることです。よくある政治家の得意技です。

“ご飯論法”も代表的な曲解の例ですね。

「今朝、朝ごはんは食べましたか?」と聞かれて、パン食だったので「ご飯は食べていません」と答えるのが”ご飯論法”です。

今回の黒川問題の発端は、今年の一月三十一日に閣議決定した段階的定年延長を、安倍内閣が、さらに検察庁法改正案にまで発展させようとしたことです。

こんな曲解がまかりとおるなら、日本はもはや法治国家ではなくなります。

というか、ここまでニュースになって、政権トップのいい加減さ、都合の良さ、保身度合いが一般世間にまで知れ渡った以上、まじめに法律を遵守している国民、中でも資金繰りに日夜苦しんでいる中小の事業経営者の腸(はらわた)が煮えくり返っているのは容易に想像できます。

日本人は総じておとなしいので、表立っていませんが、海外なら大規模デモで暴徒化しているでしょう。

不動産賃貸経営者が考えること

本ブログは不動産投資家(≒不動産賃貸経営者)向けのブログですから、その視点でこの黒川問題を斬りたいと思います。

日本の政(まつり)ごとを司(つかさど)っている政権がここまで堂々と二つの法律の都合の良いとこ取りをするなら、我々、不動産賃貸経営者も堂々と大手を振って当局に物申すことができます。

主だったところでは、過去に記事にした「浄化槽と下水道」問題、「社会保険とはどういうものか」問題です。

これら二つの問題を真に受けて御上(おかみ)の言う通りにしていたら、経営初期の方は資金繰りに行き詰まって廃業せざるを得ないケースが出るでしょう。

しかしこれからは、これだけ日本政治のトップや各大臣が曲解のオンパレードを繰り広げたのですから、「私はこう解釈しているのですが何か問題がありますか?」と当局に平然と応じれば良いのです。

年金事務所に宛てた手紙

三回ほど、社会保険加入要請の通知が来たタイミングで、業(ごう)を煮やした私は、とある書籍の内容を参考にして下記の手紙を作成し、差出人である最寄りの社会保険事務所に郵送しました。

日本年金機構 ○○年金事務所 御中

                    ○○会社○○○○

日本年金機構の資料には「社長一人しかいない場合であっても法人であれば強制加入となります」と書いてあります。

 しかし一方で、厚生年金保険法では常時”従業員”を使用する場合に社会保険の適用事業所とする旨を定めています。

 例えば株式会社では、社長と会社は「委任契約」の関係にあります。

“委任”とは、他人(会社)のために労務やサービスを提供する契約で”雇用”のような従属的関係が認められない契約です。つまり、社長は雇用契約を結んだ”従業員(使用人)”にはあたりません。

 また、有限会社や合同会社の社長は社長自身が業務執行者ですから、これも雇用関係のある”従業員”ではありません。

 要するに、社長一人だけなら”常時従業員を使用していない”ので、社会保険の「適用事業所にはならない」はずです。

 そもそも社会保障の制度は、資本主義が発達する過程で労働者を守るために生まれた制度です。つまり、資本家や実業家、経営者のための制度ではありません。それゆえ、厚生年金保険法の第一条に「この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者およびその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする」と明記されています。

 すなわち、条文の文言だけでなく、制度の生い立ちと立法趣旨から考えても「社長は従業員」と曲解する余地はありません。我が国は、国会で成立した法律に基づいて行政が行われる法治国家です。立法趣旨から逸脱した勝手な拡大解釈を行うことは禁じています。

 労働者(=社長以外の従業員)を雇っている法人に社会保険加入を求めるのは正しいと思います。しかし、社長一人の事業所の場合で、かつ、その社長が国民年金と国民健康保険で良いと言うならば、無理強いしないで頂きたいです。

                             以上

これを送付して以降、ピタッと加入要請の封書は届かなくなりました。現金なものです(苦笑)。

まとめ

税金の無駄遣いが常習化しているのは、法人を設立した経験を持つ方には嫌と言うほどわかってしまいます。

細かいところでは、最初の一ページしか使わないのに、書式統一化のために白紙の上質紙が後ろに何十枚も付いている納税用紙の数々。固定資産税、所得税、住民税(市民と県民)、法人税・・・。

たくさんの上質紙がゴミ箱行きです。A4サイズの立派な封筒と不必要に多い説明書き書類、それらの印刷代も膨大です。

自分(と家族)の身を自分たちで守る術(すべ)と度胸を、全国民、自らが身に付けて実行していかなければならない世の中に突入したということではないでしょうか。

終わり

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