相続税対策は不要である

相続税とは?

亡くなった人(被相続人)の財産を、相続、遺贈(遺言による贈与)ないしは死因贈与(贈与者の死亡により効力が発生する贈与契約)によってもらった人にかかる国の税金。普通、相続税は個人にのみかかる。・・・

現代用語の基礎知識2014年版より冒頭部分を引用(全文は末尾に掲載)

要は亡くなった方の地位・財産・権利などを受け継いだ御子息が、所定の計算方法で算出される額を国に納める税金です。

具体的には土地や預金などの遺産が3600万円以上あれば相続税の申告をしなければならず、原則として納税の義務が発生します。

結構な額ですね。平凡な一般家庭には雲の上のような話に思えます。

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スムーズな相続を経験して

四年前に義父、三年前に義母を亡くしました。死因は二人ともガンです。

岡山県内に在住だったのでよく行き来して仲良くさせていただいておりました。

子供は私の妻と妻の姉、私からみれば義姉(ぎし)の二人だけです。

義姉も結婚して岡山県在住ですが、実家は空き家になりました。

孫を連れて遊びに行っていた妻の実家がわずか一年で空き家です。

人生の儚(はかな)さを感じます。

さて相続ですが結論から言うとまったく揉めませんでした。

義兄(ぎけい)は大きな会社に勤めるおとなしい人です。

逆に義姉は口が立つ、しっかり者ですからともすればゴタゴタするところでしたが何事もなくスムーズに終わりました。

ちなみに遺言書は一切ありませんでした。

スムーズに終わった要因はいくつかあります。

財産が少なかった

目立った資産としては田舎ですからかなり広い(200坪ほど)土地と築30年弱の家、現金が300万円ほど。

現金は義母が生前「三人の孫に分けてやって」と私に委任していたので義姉の娘に100万円、私の娘二人にそれぞれ100万円ずつ生前贈与しました。ちなみに年間110万円まで贈与税はかかりません。

土地も建物も要らなかった

次に土地と家は義姉の名義に変更登記しました。

世間一般でよくやるのが共有名義ですが、これが諸悪の根源ですから絶対に避けるべきです。

「空き家問題」の原因の最たるものですし、「相続争い」の原因にもなります。

売ったり貸したりするときにも名義人全員の承諾が必要であるなど、なにかにつけて騒動の元になります。

私たち夫婦が実家の土地と建物の遺産分割を望まなかった理由。

それは私が不動産賃貸事業をしていたことで共有名義の登記簿謄本をたくさん目にしており、名義人の間で揉めてしまって良い値段で売れるにもかかわらずいつまでたっても売れない、または”売らない”状況を見てきたからです。

維持費も大変、売るのも大変

固定資産税、火災保険、庭をはじめ家の内外のメンテナンス費用を考えると持っているだけで年間20~30万円、毎年出ていきます。

また田舎ですから売るにしても、賃貸で貸し出すにしてもこの立地では相手が現れないであろうことも大家業をしている私には容易に想像できました。

それと私の自宅は住宅ローンを組む時の属性の関係で私と私の母の共有名義にしていたのですが、繰上げ返済してローンを完済した際に私単独名義に変更する手続きが少々面倒くさかったことが頭に入っていたことも理由です。

事前の打ち合わせ

義姉夫妻のほうが私たちより実家に近いですし、実家の近隣とも付き合いが濃いこともあります。

義父や義母が亡くなるまでに私は妻にこれらのことを説明しておいたので、いざ現実にそういう話が始まったとき、妻は「この土地と建物は姉さんの単独名義でいいよ」とすかさず言えました。

遺産分割協議書はネット上でひな型をゲットして私が作成し、司法書士に提出しました。

変更登記や相続など司法書士がらみの手続きおよび市役所等の手続き全般は、遺族の中でいちばん慣れている私が担当しました。

遺品(いひん)

その代わりと言ってはなんですが、実家に行く度に気持ち良く使わせていただいていた電動マッサージチェアを譲り受けることができました。

肩こりや腰痛がひどい私たち夫婦にとっては最高のプレゼントです。

パナソニック製「リアルプロ EP7000」、定価で30万円ほどします。

まとめ

財産は残すべきではありません。

自分が死んで葬式が終わってすぐあとに、ドロドロとした醜(みにく)い争いが始まるのがわかっていたら安らかな気持ちであの世へ行けないじゃないですか。

どうしても数千万円ほど残ってしまう場合は遺言書を書く。

内容は次のとおり。

「遺産分割は指示書通りに分けろ。相続税は税務署の計算通りきちんと納めろ。以上」

相続税対策や遺産分割協議で揉めないかで死に際まで悶々(もんもん)と悩むより、葬式代だけ残してあとは楽しく使い切ってからあの世へ行こうじゃ、あーりませんか!

相続税

亡くなった人(被相続人)の財産を、相続、遺贈(遺言による贈与)ないしは死因贈与(贈与者の死亡により効力が発生する贈与契約)によってもらった人にかかる国の税金。

普通、相続税は個人にのみかかる。

もらった「正味の課税遺産額」が「基礎控除額」を超える場合に、その超過額に累進税率で課税される。

したがって、正味の課税遺産額が基礎控除額の範囲内であれば、相続税はかからない。

相続税は、次の手順で申告納付すべき税額が算出される。

(1)正味の課税遺産額(〔もらったすべての財産の価額〕+〔死亡保険金や死亡退職金などのみなし相続財産の価額〕-〔非課税財産の価額〕-〔受け継いだ債務〕-〔葬式費用〕)に相続開始前3年以内の贈与財産の価額をプラスした合計額から、基礎控除(5000万円+1000万円×法定相続人の数)を差し引き、課税遺産総額を算出する。

(2)課税遺産総額を各法定相続人の相続分(例えば、配偶者2分の1、子ども2人のときは各4分の1)で分け、それぞれに税率を掛けた額を合計し、相続税総額を算出する。

(3)相続税総額を実際に相続した額に合わせて分け、各人の税額を算出する。

(4)未成年者控除・配偶者控除など各種の税額控除を差し引いて、各人が実際に納付すべき税額を算出する。

(現代用語の基礎知識2014年版より引用)

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