必要な保険とは

昔は生命保険加入は常識でした。

ちょうど今から35年ほど前の私が社会人になりたての頃の話です。

当時は”社会人になると生命保険に加入するのが当たり前”という時代でした。

会社の昼休みに化粧をバッチリ決めてスーツに身を固めたお姉さんやおばさん数人が社員食堂の中や社員が休憩している中庭、芝生広場などを徘徊しては主に新入社員に勧誘攻勢を毎日仕掛けていました。

勧誘技術が高いのと時代の風潮とで営業成績も良いのでしょう、セールスレディは皆ニコニコ、生き生きしていた記憶があります。

当然のように私もある保険会社のおばさんに勧誘を受け、説明を受けて加入しました。

そして御成約プレゼントとしてケース付きの印鑑を頂きました。

その会社を辞めて地元に帰る際に、そこの生命保険は解約したのですが頂いた印鑑は今でも”実印”として使っています。

原価は数千円だと推察します。

解約するまでの約7年、毎月2万円弱の保険料を口座から引き落とされていました。解約返戻金はほぼゼロ。

結果、プレゼントされた数千円の印鑑が170万円弱という高価なものになってしまった、というオチです。

スポンサーリンク

 生命保険、医療保険に入りまくってしまった!

その後、岡山に帰ってから生命保険は二社にお世話になりました。

一社目は大腸ポリープが見つかって内視鏡で切除手術した時に10万円ほど支払いを受けた記憶があります。

二社目は担当者が話術が上手だったのと娘二人が幼少だったこと、さらに妻と私のダブルインカムだったことなどが重なって、調子に乗ってしまい4種類の保険に加入してしまいました。

その数日後、自動車保険でお世話になっている損保会社の医療保険とガン保険にも妻と二人で加入、娘二人にも医療保険をかける始末。

この時期だけで合計10種類の保険に入っていたことになります。

10年ほど経過したころ、家計の固定費を見直していた私は保険関連の保険料をエクセルに書き出してみてビックリしました。(2016年1月)

なんと、年間100万円です!!

当時も”生命保険は必要か?”とかいう書籍は出回っていたと思いますが、なにかきっかけがないとそういう勉強はしないものです。

“なにかきっかけ”というのは、具体的に言うと”今の状況を家族の中の誰かがおかしい”と発言すること。

あるいは私のように大きな投資(事業)を始めるなどで現金がどうしても必要なので、家計の中の固定費(毎月一定額出ていく費用)を見直す機会の訪れ、この二つくらいしかないと思います。

親や兄弟、親戚、友人、知人が忠告してくれるわけでもなく、ましてや保険会社が”安いプランに見直しますか?”なんて言ってくれるはずがありません。

 固定費の怖さ

家計の中の通信費や保険費の怖いところは一度、契約して引き落としが始まると”それから後は一切気にしない”という部分です。

これらの固定費は家人が能動的にチェックやアクションを起こさない限り、通信会社や保険会社にとっては”打ち出の小槌(づち)”になってしまいます。

奥様が専業主婦で子供が小さいうちは生命保険も有用かもしれませんが、我が家のようにダブルインカム(共働き世帯)で、しかも奥様が高属性(=高収入)の場合は”生命保険は不要”と言ってしまってよいと思います。

だって夫に万一のことがあっても奥様の収入だけで娘二人と奥様自身が十分食べていけるのですから。

妻には、分譲マンションに子供と余裕で暮らしているシングルマザーの友人が数人います。

夫が死のうが、離婚しようがまったく大丈夫です。

むしろ、今の時代は男のほうが自分の身を心配しないといけないかもしれません。

妻と離婚したり、先立たれたりしたら家事は何もできないし、寂しいし、近所付き合いもできていない、会社は役職定年で、居続けるなら給料半減・・・。

医療保険やガン保険も要りません。

日本の手厚い社会保証制度に輪をかけて二重に保険に入るようなものです。

それだったら不動産賃貸事業でもしてキャッシュフローを得て手持ち現金を潤沢にしておいて、もし差額ベッド代が必要になっても平然とキャッシュで支払うほうがよっぽど現実的です。

 損害保険は必要です!

“保険”と一口に言っても種類がたくさんあり過ぎてわかりにくいですよね。

ひとつ言えることは「損害保険だけは必ず掛けておいたほうがいい」ということです。

自動車保険とか火災保険のことです。

人をはねてしまって重傷を負わせた場合、死亡させてしまった場合は自分の力では膨大な損害金を賠償することができませんよね?

こういう事態にこそ”保険”の出番があるわけです。

火災保険も同様に全焼とか地震で全壊とか、一般庶民にとってとてつもない金額の損害が発生した時に有効なのです。

所有する収益物件や自宅が無くなったのに、残ったローンだけは払い続けないといけない、建物を建て直すためのお金がまったく無いという事態に陥らないために備えるのが「火災保険」という名の損害保険です。

生命、医療、ガン、これらの保険は不要!!

「起こる可能性が低い上に、絶対に入らないと困るモノでもない」生命保険や医療保険には加入する必要はないです。

毎月3万円、生命保険や医療保険に引き落としされていれば1年で36万円、10年で360万円です。

この間、家族に何も起こらなければそのお金は保険会社のもの。

“保険”とは”相互扶助”の精神に基づくものですが、加入者から納められる保険料は保険会社が運用します。

ゴールデンタイムのテレビコマーシャルにも使われます。

これらの高い保険料を保険会社に上納するくらいなら、その額を毎月貯金していくほうがよいです。

我が家は2016年に不動産賃貸事業に本気で取り組むにあたって10種類掛けていた生命保険と医療保険をすべて解約しました。

一社、軽く引き留めに遭いましたが「お金が要りようになったから解約したい」と言えば応じてくれました。

保険の解約は電話一本で簡単にできます。

何も遠慮は要りません。

そして、どれも”損切り”にはなりましたがいくらか返ってきた解約返戻金(へんれいきん)を事業の”軍資金”にしました。

これを実行する前に当然、妻に説明しましたが案の定はじめはビックリしていました。

しかし、”私が死んで、2000万や3000万の現金が手に入るとうれしいか?”と問うと、即座に首を横に振りました。

私はこう続けました。

「私たちが生きている間に、稼いでいるお金や資産を有意義に使ってお金を殖やして楽しいことに思いっきり使って、そして死のうよ」と。

妻は首を縦に振りました。

まとめ

「入るべき保険」と「入ってはいけない保険」はメリハリをつけましょう。

「入るべき保険」:損害保険のみ

A.火災保険:水災、地震等のオプションも可能な限り付けること。

これは、自宅でも収益物件でも同じです。

B.自動車保険(任意保険):対人は無制限。車両保険は

比較的新しい車の場合のみ付ける。

日常賠償責任特約について

ここでワンポイントアドバイスです。

自動車保険のオプションのうち”日常賠償責任特約”を付けておくと良いです。

家族が店の高価な物に当たって落として壊したとか、娘が自転車で人に当たってケガをさせたなどあらゆるケースで賠償金が支払われます。

実際、下の娘が自転車に乗りたての頃、隣の家の車によろよろガシャンと倒れ掛かってバンパーを傷つけた時、修理費用およそ10万円が支払われました。

上限:無制限(免責ゼロ円)

家族の中の誰か一人がこの特約を付けておけば、家族全員に有効なのもうれしいですね。

また、これを付けておけば小学校、中学校入学時に案内されるお子さまの自転車保険は入らなくてよいです。

「入ってはいけない保険」:生命保険、医療保険、家財保険、ガン保険など損害保険以外のものすべて。

保険は金融商品

保険会社は「保険という金融商品」を売っている「金融機関」です。

そして金融商品である「保険」を「運用」するのが各家庭であり各個人なのです。

「保険に加入する」すなわち「保険という金融商品を買う」という行いは”投資行動”です。

近年、頻繁に銀行窓口で販売促進されている”投資信託”もそうですが、日本人はもっと若い時期から「金融リテラシー」を身に付けて自己防衛する必要があると感じます。

「投資は自己責任」であることは疑いの余地なしですから。

小学生、中学生のうちから学校や家庭で教えて欲しいくらいです。

書籍では下記のものが参考になります。

「お金は銀行に預けるな」 勝間和代 光文社新書

以上です。

<追記>

なお本記事は保険の解約を強制するものではありません。

(本ブログのプライバシーポリシーを参照願います。)

プライバシーポリシー

スポンサーリンク












コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください